逮捕された法大生が安東学生部長らに質問状

「逮捕劇」直前の安東祐希学生部長ら

3月14日、安東祐希学生部長の「立て看禁止・一律許可制」という一方的通告に平和的に抗議しただけで逮捕され、その後、無罪で釈放された法大生全員が連名で、平林千牧総長、安東祐希学生部長あての「抗議と質問」を提出しました。安東祐希学生部長らは、事前の周到な準備のもと、学内に公安刑事200人を導入して自分達にさからう学生を逮捕させたものです。

党派も一般学生も関係なく、学内の自由を守るために両者が共同するような行動は歓迎したいと思います。
ちなみに学生達が「自宅謹慎とは何に基づいているのか。学則か」と質問したところ、藤村副学生部長は、「自宅謹慎は学則に基づいたものではない」と口頭で回答したそうです。
と、いうことは、平林総長ないし安東学生部長の「私的処分」ということになります。逆らう者を罠にはめて逮捕させたあげく、こんな根拠の無い私的な「処分」までまかり通ってよいのでしょうか?これでは学生は恐くて安藤氏に自分の意見も言えません。安東祐希部長の学生への対応は、まさしく「小学校の体罰先生以下」の水準です。これで本当に理性と自由を重んじる「学者」なんでしょうか?(しかも哲学者だそうです)。

安東祐希学生部長は、もし自分に非がないと考えるのであれば、堂々と学生達と向き合い、この質問状に誠実に回答するべきであると考えます。以下、その全文を転載します。

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●平林総長・安東学生部長への抗議と質問

3・14法大弾圧を許さない法大生の会

(1)
 3月14日、私たち5人は法大当局と警察権力が一体となった権力犯罪によって、「建造物侵入と威力業務妨害」をでっち上げられて、警察権力に不当逮捕されました。
 “大学キャンパスで29人もの学生が、一斉に逮捕された”というショッキングなニュースは、ネットや口コミなどを通じて日本全国を駆けめぐりました。逮捕の翌日には、法政大学教員、弁護士、OBでつくる「3・14救援会」が結成され、ただちに法大当局に抗議し、29人の釈放を求める運動が始まりました
 前代未聞の弾圧に各界からの支援の輪が異例のスピードで広がりました。「法大救援会」には、法政大学の学生、出身者、現職教職員などが賛同に名を連ねました。ある法大教員は「『自由と進歩』を標榜する法大キャンパス内で、言論の自由を圧殺しようとする一連の規制も、ついに警察権力導入という他力本願に堕した…『法大死すを懸念する』と救援会によせました。法大生からも「同じ法大生として、警察による学生29名に対する不当な弾圧に対して怒りを感じます」という声がよせられました。
 たった10日間で、救援カンパは、100万円を超え、賛同人は900人を超えました。
 弾圧の翌日には、文化連盟、第二文化連盟、学生団体連合の3つのサークル団体が平林総長、安東学生部長に対し抗議文を提出しました。
 飯田橋、市ヶ谷、霞ヶ関の3駅は、終日支援の学生、市民の方のビラまき、情宣活動が行われました。インターネットなどでも、法大OBなどがホームページ、ブログを立ち上げ、大学当局への抗議のネット署名などが呼びかけられました。
 3・14法大弾圧は、学内の問題にとどまらず社会的な問題になり、あらためて大学を問い正し、改憲へむけた動きを映し出す“時代のエポック”となりました。全国の心ある人々から寄せられた支援と激励の輪が広がり、大学当局、警察・検察を包囲し、追いつめ、29人を起訴できない社会状況をつくり出す大きな力になりました。

 私たちは、12日間にわたって完全黙秘・非転向を貫き、心ある多くの支援によって、3月25日に無事釈放されました。しかし、3・14弾圧事件は終わっていません。私たちは、3・14弾圧を断じて許すことは出来ません。法大当局と警察権力の責任を徹底的に追及する決意です。

(2)
 今回の逮捕について、警察発表では「大学側の立て看板撤去作業を妨害した」とされ、29人の学生の逮捕容疑は「建造物侵入と威力業務妨害」だとされています。
 しかし、これは100%でっち上げであり、事実のねつ造です。私たちの行動は、大学職員に一切触れるものでもなく、撤去作業を妨害するものではありませんでした。
 そのことは、3月24日東京地裁で行われた勾留理由公判(拘留の理由を問い正す裁判)で全面的に明らかとなり、25日には検察が「拘留するにたる理由がない」として、29人全員を釈放せざるを得なかったという事実に示されています。
 法大当局が被害者面して、建造物侵入と威力業務妨害をでっちあげ、私たち5人を含む29人を警察権力に売り渡したことを絶対に許すことは出来ません。法大当局を怒りをもって徹底的に断罪し、強く抗議します。

(3)
 3・14弾圧事件は、大学の立て看板撤去に反対した29人を、200人もの警察官を大学内に突入させ、全員逮捕した前代未聞の大弾圧であり、絶対に許すことは出来ません。
 これは、法大当局が警察権力と事前に入念に打ち合わせて、29人の逮捕を自己目的化し、実行した権力犯罪です。法大当局と公安警察の狙いは、29人を全員逮捕し、被疑事実を認めさせ、事実無根の自白を強要し、それを証拠としてデッチ上げ、29人全員を起訴することにありました。大学当局が、「起訴」という事実をもって、逮捕された法大生を退学処分にし、大学当局の方針、改憲に反対する学生を法大キャンパスから排除・一掃し、すべての法大生、教職員を萎縮させ、一気に学生の権利を全部奪ってしまおうというのが、警察と大学当局のシナリオだったのです。
 私たちは、全く無実にも関わらす12日間も拘束され、不当な取り調べを連日うけました。この人権侵害の責任は法大当局にあるのだ。私たちは、警察と法大当局が一体となった権力犯罪の被害者です。法大当局と警察は、29人の前に出てきて謝罪しろ! 法大当局は、全事態を明らかにせよ! 3・14弾圧は、法大当局が大学自治を警察権力に売り渡し、無実の29人の学生を逮捕させた暗黒の権力犯罪です。一体いつ、29名の大量逮捕の計画がたてられたのか? 誰が首謀者か? 誰の指示のもとで行われたのか? 事実経過の一切合切をあきらかにすべきです。
 この空前絶後の事態に、学内はもちろん、学外で法大当局の姿勢を問い正す動きがはじまっています。法大当局は逃げるわけにはいきません。法大当局は、3・14事件の経緯をすべて説明し、学生の前で謝罪せよ! 
 私たちは、法大当局が、この権力犯罪の責任者を明らかにし、事実関係を全面的に明らかにし、不当に逮捕された29人に謝罪し、29人の名誉回復をはかることを要求します。

(4)
 法政大学平林総長は、3月24日付けで、私たち5人を「教授会での議を経て、正式な処分決定があるまで、自宅謹慎を命ずる」と一方的に通告し、その理由を3月14日に逮捕されたからだと言っています。絶対に許すことが出来ません。
 ふざけるな! 処分されるべきは、違法な逮捕を強行した警察と、学生を警察に売り渡した平林総長、安東学生部長ではないか! 
 29人逮捕の違法性・不当性が満天下に暴かれ、29人全員が不起訴で釈放された以上、処分される理由など全くない。直ちに処分を撤回せよ!
 そもそも、学則には、自宅謹慎処分という規定は一切ない。また、総長が学生を処分する権限なども記されていない。平林総長が行っているのは、学則をも無視した強権発動であり、学内ルールの規定からも断じて認められるものではない。こんなものがまかり通れば、総長権限で何でも出来ることになる。
 法大当局は、私たちへの処分を撤回し、私たちに謝罪せよ!

(5)
 2月27日付「学生団体の立て看板・ビラに関する運用」は、ビラをまき、立て看板を出す当事者である学生に一方的に通知されたものです。学生団体は反対して、一方的な決定に対して抗議文を提出しました。立て看板を出す当事者である学生が反対しており、協議中にもかかわらず、それを踏みにじって強行するやり方は全くの違法行為です。
 また、今回の規制は、憲法に保障された表現の自由を侵害するものです。最も自由が保障されなければならない教育現場、最高の学府たる大学でこそ、立て看板やビラまきなどが自由に行われるべきなのです。
 憲法違反の「学生団体の立て看板・ビラに関する運用」に基づいて、立て看板を撤去することが違法な行為です。
 私たちは、法大当局が「運用」に基づいて撤去した全ての立て看板を当事者に対して直ちに返還することを求めます。
 そして、憲法違反の「学生団体の立て看板・ビラに関する運用」を直ちに撤回することを求めます。

(6)
 私たちは、以下の4点について、法大当局に要求します。

 一.3月14日、警察と結託して、29人の学生を逮捕させた法政大学当局の責任者の名前と、全事態の事実関係を全て明らかにすること。そして、逮捕された29人に心から謝罪すること。法大当局が撮影したビデオを公開すること。
 二.私たち5人に通告した「自宅謹慎処分」を撤回し、私たち5人に心から謝罪すること。
 三.3月14日に撤去した全ての立て看板を持ち主の下に返還し、謝罪すること。
 四.「学生団体の立て看板・ビラに関する運用」を撤回すること。

(7)
 法政大学当局は、3月18日の声明において、全学連による「立て看板の撤去作業の妨害」を防止するためにやむを得ず警察に通報した、という趣旨の事を述べています。しかし、これは法大当局と警察権力が行った権力犯罪を隠蔽するために持ち出した全くデタラメなものです。
 これに関連して、以下の点について質問します。

 一.立て看板の撤去を妨害や混乱のない状態で行いたいと法大当局が言うのであれば、1.なぜ、学生が登校する8時前に撤去作業を行わなかったのか? 2.なぜ、全学連が12時から市ヶ谷方向にデモ行進(約30分間)に行っている間に撤去作業を行わなかったのか? 
 二.なぜ、約200人の警察官が体育館向かいの朝鮮総連の近くに待機していたのか?
 三.なぜ、法大からの110番通報(12時29分)から4分後の12時33分に29名が逮捕されることが可能となったのか?
 四.なぜ、フジテレビが、約200人の警察官の法大キャンパスへの突入と29名の逮捕映像を撮影することが出来たのか?

 また、「自宅謹慎処分」について、以下の点について質問する。
 一.法政大学平林総長は、私たち5人の「自宅謹慎処分」を学則のどこに基づいて行ったのかを明らかにせよ。
  以上
原文はこちらです

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1件のコメント

今、ホームページでやっているある漫画の感想として、
理不尽な規則に対する抵抗をいろいろな面から
考察しています。
その漫画での話は、校則で禁じられている化粧が
得意で皆の心を化粧の力で救っている主人公を
学校が処分しようとし、それに対しなぜ化粧が
禁じられているのか、と主人公が問い、それに学校側が
ろくに答えようとせず、それで主人公は学校側に対する
信を失って自分は悪くないと宣言、そこを彼女の化粧で
救われた友人の支援で解決する、という話です。

僕は、学校側が化粧を禁じる理由は説明できます。
平等の建前を保ち、規律正しい兵士および工場労働者を
育てるためです。
そこでもう少し考えると、作中で主人公が主張する
ように学校側の大人も規則の意味を理解していないの
ではなく、あえて説明を拒否したという可能性も
ありえます。
たとえば軍艦では命令に説明はありませんし、
命令や処罰に対して説明を要求すること自体
死刑に値する反乱行為です。
ですが、それは軍として、船として機能するには
必要なことです。
嵐の船では、誰もが説明を要求せずに命令に絶対服従
しなければ船自体が沈みます。戦争ならばそれは敗北に
つながります。
特に軍艦は、平時の凪でもいつでも嵐の海戦と同様の
規律を保つ必要があります。
たとえばC.S.フォレスター描くホーンブロワー艦長なら
彼の本心の心優しさから心苦しくはあるけれど、艦を
守り軍として機能させるのが自分の義務であり、それが
ナポレオンに勝って世界を圧制から解放するのに
必要だから、と質問者を処刑するでしょう。

他人の気持ちを忖度するのは失礼ですが、
警察も法政大学もそういう気持ちでいるのかもしれません。
人間の常として、権威主義が暴走しているだけ、自分が
何をしているのか認識していないという可能性もありますが。

もちろん僕は、どちらであっても言論弾圧には反対します…
民主主義の原則は、全員に艦長と同じ視点から物を見る
ことを許し(むしろ必要)、定期的に艦長と航海の目的をチェックし、
必要があれば変更する権利があることだ、と僕は理解しています。
嵐の軍艦でのルール(上官命令に絶対服従、反乱予防のため
言論弾圧)を常態化させるなら、民主主義は意味を持ちません…
絶対君主制の方がまだ機能するでしょう。
船と岸のけじめをつけ、岸においては徹底的に自由な言論と、
平等な投票を保証し、きちんと船長と航海目的を決めましょう。

それは極力嵐を避けるのは当然として、民主主義が機能している
方が嵐においても皆が心から船のために働くし、いいアイデアも
あって船が無事に航海できると僕は信じています。

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