せっかくの世界ウイグル会議に

 ウイグル人とその現状(アムネスティ日本) ●世界ウイグル会議とは(Wikipedia)

<以下、四トロ掲示板より引用ーここから>――――――――――――-

ウイグル会議 投稿者:草加耕助 投稿日:2012年 5月14日(月)23時23分3秒

世界ウイグル会議

 ウイグル会議の報道が重なっていて、問題が注目されるのはよいことだと思います。
 で、連休中のことなのですが、池袋駅前で、あたかもこのウイグル会議の関係者のような団体名を名乗って、あきらかに”行動する保守”(笑)の皆さんが、日の丸を林立させる右翼スタイルで情宣をおこなっておられました。

 内容は「シナは計画的にシナ人を大量に日本に送り込んで、日本を乗っ取ろうとしているのだ」というようなものでした。それに続けて非常にステレオタイプな誤謬に満ち満ちた「左翼勢力」へのデマ宣伝が続き、それにくっつけて、「シナを打倒してアジア解放」みたいな感じ。こうやって最初から右翼以外の人を排除しておいて、右翼思想を支持できない人はウイグル会議を応援しちゃいけないとでも言うのかな、中国の人権侵害を批判することも許されないのかなと悲しくなりました。

 まあ、ウイグル会議を僭称していただけかもしれないし、よしんばウイグル会議がそういうものなんであれば、それはそれでもかまわないんですよ。ただ、気になったのは、ウイグル会議に参加するために来日しておられるウイグル人(かどうかわかりませんが、情宣ではそうとられるような紹介の仕方で)二人のウイグル人が、流暢な日本語で挨拶をしておられたことです。これは日本国内のウイグル支援運動の拡大のためには、あまりよくないなあと心配です。

 かつてのパレスチナ支援運動で、日本国内で体や命を張ってでもパレスチナを支援しようとしたのは、やはり新左翼勢力でした。日本赤軍の活動もあったし、パレスチナの人々の間で、日本の新左翼勢力に対するシンパシーというのは相当のものがあったと思うんですね。それがアラブ世界全体における親日感情にもつながっていったと思うのです。
 が、それでも、私の知る80年代のPLO(日本代表部)は、新左翼の集会にきて挨拶をするということは決してしなかったですね。市民団体などの主催する集会に新左翼が来ているのはいいんですけど。一度、戦旗派の政治集会に来て、挨拶してくれるという話も出たことがあったのですが、個人的な判断だったみたいで、直前に待ったがかかり、とりやめになりました。

 その時は寂しかったけど、今から考えれば、妥当な判断だったなと思うんですよ。ウイグルの人に、PLOのような政治的判断をもとめるのは酷かもしれないですが、およそ日本国内ではどう考えても主流とは言い難い勢力と、あまり一心同体とみられるような行動は控えたほうがいいんではないかと思います。右翼の人も、こんなふうに全面的に表に出て、そこにウイグル人運動を引っ張りこんではいかんと思います。それでは主観的にはどうあれ、客観的にはウイグル人を右翼運動の広告塔に利用していると言われても仕方ありません。

 ウイグル会議もそういう右翼のイベントだと見られてしまっては、大多数の人が参加・支援できないものになってしまう。右翼からの支持もそれはそれとして全面排除しなくてもいいとは思いますが、まずはアムネスティなどの中立的な人権団体からはじめて、もっと日本国内で主流的な政党、議員とのパイプを持っていったほうがいいのではないかと感じました。

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Re: ウイグル会議 投稿者:三浦ファン 投稿日:2012年 5月18日(金)05時57分56秒

ウイグル会議に参加するために来日しておられるウイグル人(かどうかわかりませんが、情宣ではそうとられるような紹介の仕方で)二人のウイグル人が、流暢な日本語で挨拶をしておられたことです。

不確実なことは書かれないほうがいいと思いました。

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これ以上どう表現しろと? 投稿者:草加耕助 投稿日:2012年 5月18日(金)07時46分2秒

三浦ファンさんへのお返事です。

ウイグル会議に参加するために来日しておられるウイグル人(かどうかわかりませんが、情宣ではそうとられるような紹介の仕方で)二人のウイグル人が、流暢な日本語で挨拶をしておられたことです。

不確実なことは書かれないほうがいいと思いました。

なのでこういう書き方(注:見たまんまを正確に)になりました。
「ウイグル会議に参加するために来日しておられるウイグル人」と断定したほうがよかったですか?
そういう不確実な断定をしては申し訳ないと思ったから、こう書いたのですが、なにか?

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来日したウイグルの人たちが 投稿者:伊達 純 投稿日:2012年 5月18日(金)09時55分19秒

 靖国神社に参拝したことについても同様のことが言えますね。

 ちょっと歴史的認識・政治的センスとしては、どうか、と。

 なるほどウイグルの人たちが日本国内で集会をすることに対して横槍・難癖をつけてくる中国のありようについては、私も批判的、どころかろくでもないとは思っていますが。

 しかしウイグルの人たちが靖国を参拝したことについては、中国のみならず、世界の多くの人たちが不見識であると見るのではないでしょうか?

 そして中国は大喜びするでしょうね。「ウイグルの独立を言う連中の正体見たり」とね。

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ウイグル人はイスラムですよ 投稿者:まっぺん 投稿日:2012年 5月18日(金)14時23分33秒

アッラー以外に何者をもあがめないはずのイスラム教徒が靖国に参拝するのはおかしいですねえ。
ウイグルを漢字では回回と書くのじゃなかったかなあ?
「フイフイ」と読み、ここからイスラム教の事をフイフイ教、回教と言うようになりました。

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Re: ウイグル人はイスラムですよ 投稿者:葉寺覚明@と田ぶさよしを地獄へ 投稿日:投稿日:2012年 5月18日(金)18時24分57秒

まっぺんさんへのお返事です。

アッラー以外に何者をもあがめないはずのイスラム教徒が靖国に参拝するのはおかしいですねえ。
ウイグルを漢字では回回と書くのじゃなかったかなあ?
「フイフイ」と読み、ここからイスラム教の事をフイフイ教、回教と言うようになりました。

靖国参拝云々とは別のことですが…。

ウイグル族と回族とは、異なります。
回族は漢民族です。ウィグル族ではありません。

「ウィグル」は、中文では「維吾尓」です。

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テュルク系 投稿者:イレギュラーず 投稿日:2012年 5月18日(金)19時09分12秒

それは,話す言語の話ではないでしょうか。言語は「文化」。

「日本人」にも,「回族」=イスラーム集団はいるでしょう。そう称し,称されているかは別です。

まあ,それでもイスラームが靖国参拝ですか?

でも「族」って何?「日本族」など,わたしゃ認めません。政治的な意味で日本人とは言うかもしれませんが,日本に愛想が尽きたら…誇り高き「ツボケ」とでもいいましょうか?

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Re: ウイグル人はイスラムですよ 投稿者:まっぺん 投稿日:2012年 5月19日(土)11時28分28秒

葉寺覚明@と田ぶさよしを地獄へさんへのお返事です。

ウイグル族と回族とは、異なります。
回族は漢民族です。ウィグル族ではありません。

あ、ほんとだ。ウイグル族と回族はちがうんですね。
回教の言葉の起源は回族の宗教だったからですね。
で、あとからウイグル族も帰依していったということか。
http://www.allchinainfo.com/ethnic/hui.html
http://www.allchinainfo.com/ethnic/weiwuer.html

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本末転倒 投稿者:草加耕助 投稿日:2012年 5月20日(日)00時30分17秒

伊達 純さんへのお返事です。

ウイグルの人が靖国神社に参拝したことについても同様のことが言えますね。

うーん、そこまでいくとなあ・・・。

ちょっと歴史的認識・政治的センスとしては、どうか、と。

まあ、中国政府憎しのあらわれなんでしょうけどね。
中国政府が嫌がることは、ついなんでもやってしまうというか。

しかしウイグルの人たちが靖国を参拝したことについては、中国のみならず、
世界の多くの人たちが不見識であると見るのではないでしょうか?
そして中国は大喜びするでしょうね。「ウイグルの独立を言う連中の正体見たり」とね。

よりによって「シナ人は出て行け」な人と組むとは自殺行為です。たとえるなら、パレスチナ自治政府がイスラエル憎しのあまり、「反ユダヤ人」のネオナチと連合して「アウシュビッツとかユダヤ人大虐殺などなかった」とか言い出し、歴史修正主義者の集会に「来賓」として出席するようなものですからね。
これではイスラエルの非人道的な行為に怒る人でも、イスラエルを非難はできても、誰一人パレスチナを支援することができなくなってしまう。パレスチナは世界中から総スカンです。それと同じことをしている。

でもまあ、なんて言うかなあ、あまりウイグルの人ばかりを責めるのは筋違いですよね。
諸手をあげて大喜びで組んだり支援してくれるところがあまりなくて、地道な支援網の構築よりも手近に歓迎して一生懸命支援してくれるところに飛びついた、そこまで追い込まれた気持ちだったがゆえに選択肢を誤ったという側面があるんでしょう。外交・政治経験の少ない彼らが、PLO(日本代表部)のような冷静な判断ができずに情を優先したとしても、それは一概に責められないですよ。むしろ不幸な悲劇として私たち日本人のほうこそが反省するべきかも。

それと本来は右翼の人たちがウイグルの人を(日の丸林立させてヤスクニだ!みたいな)右翼運動の広告塔に使うのではなく、もっと普遍的な人権・人道問題として、多くの人に正しい理解を得る努力が必要だったと思うんですよ。もしウイグルの人を支援する気持ちが本物だったらね。私たちもパレスチナや韓国の民主化運動支援では、そのあたりをわきまえてちゃんと我慢していたわけですよ。「シナ人は出て行け」な人は、それを「左翼の隠れ蓑」とか「謀略」とか言うんだろうけど、そうではなく、左派は当事者のためにそのへんの配慮が必要だということを分かっている人が比較的多いだけのこと。ウヨサヨな主張を広めたいなら、運動の内部で(迷惑にならない範囲で)やればいいだけのことなんです。

チベットやビルマの人たちとその支援はそれをちゃんとわかっていたわけで、左派もそこに参加することができたわけですが、むしろそれで右翼の株もあがったというもの。ウイグルのやり方では人権団体からの支援や理解を得られないし、むしろそちら方面に地道に訴えて支援を要請していったほうが、「シナ人は出て行け」という人と一心同体でいくより、最終的には100倍の支援も得られるでしょうに。ビルマの民主化支援運動を支援する人も、最初は少なかったけどそうしてだんだんと増えていったわけですし。

ウイグルの人が彼らにどう教えられて、あるいは考えているのかわかりませんが、日本で「中国と親しくて文句が言えない」のは左翼ではなくて、一に公明党、二に自民党、三四がなくて五に民主党らの保守勢力でしょう。むしろどっちかと言えば左翼のほうが中国に批判的な勢力なわけで、ただそれを国粋主義や民族排外主義に利用(悪用)することに反対しているだけ。それを味噌もクソもいっしょにして、「シナ人」などと平気で言うような民族排外主義に同意しないから中国の味方なんて、ちゃんちゃらおかしいですよ。

いつまでもこんなことしてたら右翼もウイグルの人も、短期的には互いに利益があるんでしょうが、長期的にはむしろマイナスですよ。なんか現状では、右翼がウイグルの人を支援しているのではなくて、ウイグルの人が右翼運動のイメージアップに使われているような本末転倒なことになってます。

追伸)「シナ人は出て行け」な人たちによる、あまりにもストレートな、ウイグル問題の利用主義に対する嫌悪感が前面に出た文章になってしまったかもしれません。世界的には亡命ウイグル人ら多くの人々が、ちゃんと人権・人道問題としてこの課題に取り組み、支援しておられることは存じています。それだけに、ウイグルの人たちではなく、左派も含めたわたしたち日本人全体が反省すべきことだと思っています。


<参考リンク>

世界ウイグル会議(公式HP)
ウイグル人とその現状(アムネスティ日本)
世界ウイグル会議とは(Wikipedia)

東トルキスタン(新疆ウイグル)についてー資料編(ブログ旗旗)
王力雄著『私の西域、君の東トルキスタン』を読む(21世紀中国総研)
Q12.中国によるチベット弾圧などの人民抑圧をどのように考えますか(旗旗 過激派への100の質問)

新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)に関する若干の経緯(誰かの妄想)
ウイグル人は漢人に抑圧されているのか?(弯曲していく日常)
批判されるべきはいずれかの民族ではなく、民族対立を悪化させた政府(誰かの妄想)
いつもどおりid:noharra氏に突っ込む(bogus-simotukareの日記)

チベット問題・長野聖火リレーに関する議論より(ブログ旗旗)
長野聖火報道で見たショックな光景(ブログ旗旗)


<参考記事>

世界ウイグル会議、都内で開幕…120人出席(読売2012年5月14日)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120514-OYT1T00787.htm

 中国からの亡命ウイグル人でつくる「世界ウイグル会議」(本部=ドイツ・ミュンヘン)の代表大会が14日、都内で17日までの日程で始まった。

 大会は3年に1度の開催で、米国やドイツに住む亡命ウイグル人約120人が出席し、今後の運動方針などを話し合う。

 ラビア・カーディル議長(米国在住)は開会式で、2009年7月に新疆ウイグル自治区ウルムチで起きた大規模暴動後、「中国政府の抑圧政策は激しさを増し、ウイグル人に対する圧力が強まった」と述べた。また、式典後の記者会見で日本政府に対し、日中間の協議でウイグル問題を議題にすることを求めた。

世界ウイグル会議の日本開催、中国が「強い不満」(日経2012年5月14日)
http://s.nikkei.com/IQA5RF

 中国外務省の洪磊副報道局長は14日の記者会見で、中国から海外に逃れた亡命ウイグル人組織を束ねる「世界ウイグル会議」の代表大会が日本で始まったことに「中国の反対を顧みずに開催を許したことに強い不満を表明する」と強調した。同時に「ウイグル問題は中国の内政問題であり、いかなる外部からの干渉も認めない」と反発した。

 洪氏は、世界ウイグル会議について「テロ組織と関連があり、中国分裂を狙っている組織だ」と断定して批判した。

 これに関連し、中国の温家宝首相は13日の野田佳彦首相との会談で、世界ウイグル会議の日本での開催を念頭に「中国側の核心的利益と重大な関心事項を尊重すべきだ」と要求した。中国の国営新華社によると、野田首相は「内政干渉するつもりはない」と応じた。

ウイグル会議が閉幕、「自由を」六本木で200人デモ(朝日2012年5月17日)
http://www.asahi.com/international/update/0517/TKY201205170576.html

世界ウイグル会議

 東京都内で開かれていた亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」(本部・独ミュンヘン)の代表大会が17日、閉幕した。ウイグル人や支援者ら200人弱が東京・六本木で「ウイグルに自由を」などと声をあげながらデモ行進、代表者が中国大使館前で抗議した。

 大会ではラビア・カーディル主席の留任を決定。同氏は17日の集会で「中国政府にすべての弾圧を中止するよう求める」と語った。

4件のコメント

「なんだかなー」という気持ちもわからないわけではありませんが、左からも援助すればいい話だと思います。
今の状態が不健全であるというのは誰の目にも明らかなんですし。

問題なのは、一般日本人のウイグル問題への認知度の低さであり、ウイグル人の立場で見れば、「援助してくれるなら誰でもいい」という状況なんでしょう。
ニュースなんかではチベット問題とセットで扱われていることが多いため、中国政府がチベットに対しちょっと融和的な態度を見せるだけで両方への関心を無くしてしまう。
それに加え、原発や経済問題など大きなニュースが立て続けに発生していることもあり、どうしても影が薄くなる。

そして『行動する保守(笑)』の側からすれば、嫌中感情とソレを通した「明日は我が身」という恐怖感もあり、非常にシンパシーを感じやすい。
加えて、多少の『売名と実績作り』という下心も満たすことができるわけで、活動しない手は無い。
ただ、シンパシーを感じるというだけで、思想とかは多分関係ない。日の丸とか「左翼勢力」への街宣とかは、やっておかないと自分らのアイデンティティを守れんからでしょう。

繰り返すようですが、活動の目的自体が「なるたけ多くの人の関心を集める」そして「中国政府の蛮行を世に知らしめ、世界の目でもって抑止力とする」というものである以上、援助の手はどこからでもいい。
現状ではトンデモ集団からの支援が一番デカイからあんな状態(靖国参拝とか)になっているわけで、また別の(できれば同規模以上の)組織的な援助があれば話は変わってくると思います。
活動が「なるたけ多くの人の関心を集める」という目的である限り、目的を制限するような排他的な活動をすれば、いずれ切り捨てられるのは目に見えてるんですから。

まぁ『組織的な支援』というのが一番難しいわけですが・・・・やっておかないと『日本の支援だけが歪な形だった』ということになりかねんでしょうね。

たけ(42)さん>
前回のコメントにレスつけらず、無視したみたいになってすみませんでした。
http://bund.jp/modules/wordpress/?p=9657#comment-82494
あのコメント自体が一つの記事くらいの内容があり、どうも私は簡単に「そうですね」的なあたりさわりのないレスとか苦手ならしく、考え込みすぎて何も書けなくなってしまいました。

さて、左からも援助すればいいというのはその通りなのですが、ここまで行ってしまうと、もう「なんだかなー」ではすまないような、拉致問題の運動などとすら、比べ物にならないくらいに危ういとこまで来ていると思います。これではもう明確に(左派に限らず一般の)市民運動、人権擁護運動、反差別運動、護憲運動、平和運動、そういう幅広いものすべてに在日ウイグル人が明確に敵対するスタンスをとることになるわけですから。

在日ウイグル人の方々にどこまでその自覚があるのかと思いますが、自分たちの実態を知らせるより前に、つか、挨拶さえしないうちに、いきなり後ろから見ず知らずの人に不意打ちされたら、「きっとこの人にも事情があるんだろう」とか、「ああ、今までこの人を助けなかった私が悪い」と思えるお釈迦様みたいな人は、そうそういないと思いますね。なのに、まるで左派がウイグル人を抑圧しているみたいに言われたんじゃ、普通に「へ?」となりますわな。事情もよくわからないうちに、喧嘩売られて殴り込みかけられたのは左派の側であって、その逆じゃない。攻撃されたから、何か言わなくてはいけなくなってしまったというだけのこと。

そういう意味で、たけ(42)さんのおしゃることは、間違っているとは思いませんが、普通の人にはあまりにも酷な要求かと思います。なぜ左派「だけ」が一方的にそんな要求を呑まなくてはならんのかと。別に右派だって、ビルマ民主化支援など、取り組んでいない課題は山のようにあるでしょう。そういうところにはマイナーながらもむしろ左派の人のほうが多いですし、人権問題では右派のほうがやってない課題が多いというか、沖縄への基地の押し付け問題で見られるように、むしろ敵対さえしてきたんじゃないでしょうか。そういう人にご都合主義的に何を言われても心に響かないんですよ。それでもお釈迦様まではいかないけれど、左翼系の部分は、たけ(42)さんのおっしゃるようなことを忖度して、ウイグル人の方々の事情をくむぐらいには比較的に冷静な態度をとっているとさえ私は思いますよ。

勘違いされては困りますが、別に在日ウイグル人を責めているのではない。たけ(42)さんのおっしゃるような事情だって、左翼の人はみんなわかっている。ただ、『行動する保守(笑)』の皆さんのやり方が、あまりにも無茶苦茶だと言っているのです。さらに勘違いされないように言っておきますが、滅茶苦茶なのは、ウイグル人支援のやり方というより、それを使った「左翼と在日などの反日勢力ども駆逐」というイデオロギー運動のやり方がです。

わかりやすいように、新左翼の立場から行うパレスチナ支援におきかえてみましょう。
彼らのやっていることは、つまりこういうことになります。
1.パレスチナ人の悲劇や苦痛を訴え、その彼らを支援することと、「世界共産革命」への支持をイコールで結ぶ
2.パレスチナを支援しない反戦とか人権の主張は、全部ニセモノだと断定して攻撃する
3.その世界共産革命の主張や運動に、在日パレスチナ人を動員して広告塔みたいに使う

これは無茶です。「超中二病」とでも言いましょうか。別に左翼が運動の中で、「帝国主義打倒なくして云々」とか、右翼が運動の中で「反共主義なくして云々」とか言うのは当然そうなるだろうなと思います。民族排外主義などの差別は人権問題ですので、「そうなるだろうな」では済みませんけどね。どちらにせよ、そういうものを大衆課題に掲げて、そこに同意できない人は入ってこれない、つか入れてやらない、むしろあいつら敵だみたいな言い方はどうよ?と思うわけです。

そういうことがやりたいなら、よそでやってくれよと。そんでそこに在日ウイグル人を巻き込んで迷惑かけないように気を使えよと。左派だって、誰かを「支援」するような課題ではずっとそうしてきたんです。パレスチナ問題でも、たとえばアムネスティの人たちの中には、新左翼系の支援運動には露骨に嫌な顔をする人もいる。けど、それはそれでいいじゃないかと。『(笑)』の人たちも、少しは我慢して、それくらいの立場に甘んじなさい。それが我慢できなくて、俺らの言うことが正しいんだ、正しいこと言ってなにが悪いとなってしまうのを、空気読めない「超中二病」と言うわけです。あと、左派でウイグル問題にかかわっている人が少ないというのは、全く無関係の話であって、ウイグル人が苦言を呈するならともかく、そんなの『(笑)』の人たち自身がするべき反論としては何の言い訳にもなってないでしょ?違いますか?

チベットや北京五輪にからむ運動の時は、実は左翼の人は結構行ってるんですよ。右翼が運動の「周辺部」を牛耳ってしまって、赤旗持って組織参加とかはできる状態ではなかったけど、そんな困難な中でも、一般人としての資格で何も持たず、組織や運動の宣伝とかもせずに、かなりの人が長野の時にも、各地のチベット支援デモにも参加している。『行動する保守(笑)』の人も、チベットでは周辺で騒いでいる便乗組にすぎなかったから、問題にはなりませんでした。

でも、そういう『(笑)』な人たちが運動の中心になって、それに協力することが即、「シナ人帰れ」「在日どもを東京湾に放り込め」という主張への協力になってしまうのなら(つまり在日ウイグル人の方々自身がそういう運動の一部になってしまうのなら)どうやってそれを「支援」することができるでしょうか。ウイグル人を支援することが、在日中朝人民への差別抑圧に加担することになるのなら、そのどちらを差別するか選べというのでしょうか。

まあ、運動的にどうしても「マイナー」な部分が存在してしまうのは冷厳な事実です。左派でもアフリカ諸国や東南アジアなどへの支援運動はやはりマイナーです。私が現役だった80年代には、東ティモール独立運動への支援がそうでした。専門に取り組んでいる方は、関西全体で5人くらいしかいなかったと思います。そういう方から話を聞けば、虐殺の歴史などはパレスチナに匹敵するくらいだというのにです。私も申し訳ないなあと思いつつ、体は一つしかないわけですから、あれもこれも全部の課題はできなかった。そういう忸怩たる思いは常にありました。

東ティモール支援の方々もそれはわかっているから、「お前らは人権などと言いながら」とか、「東ティモールを支援しないものはニセモノだ」みたいな、『(笑)』の人たちが言っているようなことは一言も言いませんでしたね。あまりの認知度の低さの中でも、とりあえず支援してくれるなら誰とでもなんて考えておられなかったし、地道に反戦集会や人権擁護、国際連帯の集会に顔を出しては、少しずつでも訴えておられました。というか、そういう人権問題には自分らのほうから協力しようとしておられました。だからすごく尊敬されていて、誰もが協力したいと思っていた。東ティモールという言葉そのものを、一般の日本人は誰も知らない時代でしたが、左派の人たちはかなりの部分が問題を知っていました。まあ、その後、特に独立実現の前後にどうなったかは私はわかりませんが。

あと、ビルマ支援の例をあげて、もうちょっと言いたいことがありますが、長くなったのでこのへんで「我慢」しときます。

別に返答を期待している訳じゃないですから気にしなくても結構ですよ。
というか、自分の思ったことを出せる場があるだけで充分なんです。それ以上望んだら罰があたります。

さて、右と左では根本的な所での考えも違うし、歴史的な遺恨も尋常じゃないというのも解っているつもりです。
ウイグル問題だけ切り取って、「全ての民族問題に関与してますよ」と言うが如くの宣伝にむかつくのも無理からぬことでしょう。
今は「将来的には、これも一つの遺恨となるんだろうなー」と見ています。

で、書き込みの内容が青臭いのは、この歳になって厨二病をこじらせているからですし、その自覚もありますしー。
そうでなければ青臭い長文書き込みませんし、『一つの目標に向かっての共闘』なんてお花畑も考えません。
(言うだけ言って実行に移せない卑怯者であるのは重々承知とはいえ・・・)でも、誰かが言わんとねぇ。
まぁ、ああまで仲の悪い両者の間を取り持とうなんざ自殺行為もいいとこですから『言うだけ』なんですけど。

例えにするのもナンですが、仲の悪いグループ同士を学校行事の関係で一緒に行動させたら、双方から5年以上も嫌がらせを続けられて、体を壊して大学受験を失敗した人も居ますからねぇ。
ちょっとしたことでも洒落にならん結果が出てくるのが集団の恐ろしいところ。(個人の付き合いと、集団との付き合いというのも全然違う)
そういうのも「人間らしい」といえばそれまでなんですが。
さて、殺し合いにまで発展した集団の遺恨とはどれほどのものか・・・・それでも外野(というか中継というか)から見れば同族(過激な人という意味で)扱いですし(汗)・・・

それはともかくとして、書き込んだ後で調べなおしてみたら『呉竹会』の名前がありました。
『(笑)』だけだと思っていたのでびっくりです。
ゆえに「『大アジア主義』とかじゃしょうがないなー。アッチの人もなびくよなー。」と思っている次第です。
そちら側のことを考えると、ちと心苦しいですが。

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