jpg加瀬勉 談話

 反対同盟を「権利能力なき社団」と認定し、空港会社の「職権乱用」を全面的に認めた今回の東京高裁の不当判決に断固抗議する。我々はただちに最高裁に上告し最後まで闘うことを表明する。

 三里塚大地共有委員会代表 加瀬勉

反対同盟声明

東京高裁の横堀現闘本部破壊を追認する不当判決を弾劾する

 2月3日、東京高裁民事12部(杉原則彦裁判長)は反対同盟に横堀現闘本部の建物の撤去を求める成田国際空港株式会社の主張を認め、一審千葉地裁の判決に不当として控訴した反対同盟に対して控訴棄却の決定を言い渡した。

 空港会社は別の訴訟で土地のすべてを取得したとして、建物の撤去と土地の明け渡しを求めて提訴した。

 空港会社は誘導路用地内にある建物が「朽廃」し、空港運用上妨げになるとして反対同盟に撤去を求めた。しかし、建物が「朽廃」した原因を作り出したのは空港会社である。2006年、突然現闘本部に至る道路を一方的にバリケード封鎖し、所有者の往来、管理を不可能にした。空港会社は裁判で「1998年1月の旗開き以降一切使用していない」と事実に反するでっち上げの主張を行った。反対同盟は証拠を挙げてこれに反論したが、一審千葉地裁はこれを無視、高裁判決もこれに触れることはなかった。

 また、反対同盟は裁判に提訴して強制的手段によつて事を進めることは成田空港シンポジウム(1991年)、円卓会議(1993年)での「平行滑走路の整備においては、あらゆる意味で強制的手段が用いられてはならず、あくまでも話し合いにより解決する」という信義則に反すると主張した。

 高裁は「円卓会議での合意において、あらゆる意味での強制的手段が用いられてはならないことが明示的に確認されたのは、平行滑走路のための用地の取得についてであること、また少なくともそれ以外の用地の取得について、純粋に民事上の紛争について民事訴訟の手続きによる解決を求めることを排除するものでないことは現判決のとおりである。」と三里塚闘争の歴史性から切り離し、切り縮める判断を下した。

 さらに高裁は、「なお、仮に上記合意が民事裁判をしないことも含むものであったとしても少なくとも、話し合いによる解決を目指す合理的な努力を相当期間にわたって継続しても、なお解決に至らない場合には、民事裁判による解決を求めることが許されると解すべきである」と念を押した。また、「円卓会議での合意から長期間が経過し、その前後を通じて被控訴人(空港会社)や国が、話し合いその他の方法による解決の努力を続けてきたことに照らせば、民事裁判による解決を求めることも許されると解すべきである。」として空港会社を擁護した。これは高裁が時間が経てば円卓会議の合意は時効であると言ったに等しい。また、「解決の努力を続けてきたことに照らせば」とは、どんな一方的で相手に取って受け入れ難い要求であっても、既成事実をアリバイ的に積み重ねれば「努力」したとして容認されるべきである、とも言っているのだ。

 こんな空港会社擁護一辺倒の判決を断じて認めることは出来ない。

 裁判所は歴史的に成田空港問題の当初以来、空港公団の時代から空港会社の主張を全面的に追認して来た。

 反対同盟はかかる不当な判決に断固抗議し、最高裁に上告して最後まで闘い抜く決意である。

2016年2月13日

三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人 柳川秀夫)