映画『オキナワの少年』上映会に参加します

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『オキナワの少年』上映会


  明日(27日)の『オキナワの少年』鑑賞会に参加します。とても考えさせられる映画です。仲間内で持ち寄りのビデオ鑑賞ですが、場所は一般のお店ですので、都合がつけばご一緒にどうぞ。沖縄の問題について「ああ、そうだったのか!」とよくわかる映画だと思います。それも理屈ではなく、同じ人間としての感情(情念)の部分で納得できると思う。

 沖縄の歴史的経緯や現状、軍事的な問題まで含めて、いろいろな「理屈」や「解説」はネットにあふれていて、もちろんそういうのは大切なんだけど、そういうのを凌駕した地平で、オスプレイや基地の問題にしたって「なるほど沖縄の人たちはああ言うわな」ということがすごく胸に迫って衝撃と共に理解できる。誤解を恐れずに言うなら、これを見たら小賢しいウヨサヨ論争なんぞ児戯に思えます。そういう映画です。

『オキナワの少年』
「オキナワの少年」より

 新人監督のデビュー作で、中心となるのも新人勢(?)です。そりゃあ今のハリウッド映画なんとか比べたらと「荒削り」ということだと思うのですが、そのことさえも魅力に変えるというか、全員が沖縄出身の原作・監督・脚本のトリオによって、その情念がスクリーンに叩きつけられています。

 それでいて不思議と何ら押し付けがましいところがなく、そこから何を考え、何を受けとるかは、すべて見る人の主体にまかされている。そういうふうに感じました。是非一度は見ていただきたいです。また、その中でもやはり緒形拳さんの演技は突出しています。

以下、主催の「反原発ジグザグ会」のブログよりの転載です。

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(転載ここから)---

『オキナワの少年』
「オキナワの少年」より

 明日になりましたが、ジグザグ会はじめての独自企画となります。
 よく「沖縄の心」などと言いますが、それはどのようなものなのでしょうか。原発・基地・空港など、「地元の心」は共通した問題でもあり、同時に決して一般論には還元されえない独自の想いもあると思います。いずれにせよ、他者に犠牲を押し付けて「平和と繁栄」を謳歌してきた私たちのあり方を、一度足元から見直して考えてみるきっかけになればと思います。

【概要】

【趣旨】

『オキナワの少年』
「オキナワの少年」より

 私たち「反原発ジグザグ会」の会議の席上、福島などの原発立地の問題と、沖縄の基地問題は根が同じだという話しになり、この映画のことが話題にのぼりました。

 この映画で表現されている物語は、沖縄のある程度上の世代の方々には、常識に属する共通体験なのかもしれません。その意味ではこの映画は、主人公のみならず「すべての沖縄人のものがたり」です。しかし本土の私たちにとって、初見の者はみな衝撃を受け、特に運動をしている者は活動家としてのアイデンティティを揺さぶられてしまうようです。自分たちの言ってきたことはまだまだ「きれいごと」だったのではないかと。

 平和運動や市民運動などをしていますと、問題が整理され、解決(運動)の方向性も示された文献や映像を見ることが多くなります。それに対して運動に無縁な人たちによって作られたこの映画は、商業映画ながら、いわば「生のまんま」の沖縄の心が、整理されない混沌のままスクリーンにぶつけられ、そこから何を感じ取るかは見る人にまかされているように思います。その意味でこの映画は、反戦反基地や脱原発、反差別などの運動をしている人をも含む、すべての本土の人間に対するつきつけともなっています。

 ただこの映画はDVD化もされておらず、テレビでも80年代に一度だけNHK-BSにおいて編集された短縮版が放送されたきりで、地上波では未放送の作品であり、現在的に鑑賞は極めて困難です。今回、たまたま私たちのメンバーの一人がこのビデオを所有していたため、新宿「カフェ★ラバンテリア」の上映設備をお借りして、みんなで見てみようということになりました。

 入場は無料で、会場も一般営業している普通のお店ですので、メンバー以外の方もお気軽にお越し下さい(お店の設備を無償でお貸しいただいています。通常営業中ですのでワンオーダー以上のご注文をお願いします)。

【追記】
2019年7月現在、映画の本編が YouTubeムービーの有料配信(300円)でご覧いただけるようになっていました。また、原作小説がAmazon書店の電子書籍Kindle版(486円)にて配信開始された模様です。

【映画について】

『オキナワの少年』チラシ
「オキナワの少年」フライヤー

『OKINAWAN BOYS オキナワの少年』
 1983年、日本、カラー・ノーカット版117分
○1983年モントリオール映画祭参加作品
○1984年サンフランシスコ映画祭招待作品
○優秀映画鑑賞会推薦作品
○日本映画ペンクラブ推薦作品

・あらすじ
 時代は沖縄の本土復帰を間近にひかえた70年代初頭。比嘉常雄は沖縄から集団就職で上京した映画に情熱を賭ける青年だ。今は子供の頃からの親友で大学へ通う石垣悟の下宿に居候の身だった。しかし、日雇いで稼ぎながらシナリオ学校に通う生活は満足のできるものではない。

 辛く厳しい本土での生活の中、思い出されるのは沖縄での少年時代のことだった。常雄の実家は米軍キャンプの周辺で売春バーをやっており、戦争で片腕を失った父に代わって、母が一人で店を仕切っていた。

 毎夜、酒を浴び娼婦を抱く米兵の喧騒は小学生の常雄には耐えられない。そんな彼の楽しみは映画だった。ある日、住み込みで働くことになった洋子と真理子の姉妹が宮古島からやって来た。真理子は常雄より年上だが二人は仲のよい兄弟のようになっていった。
 少年時代の思い出と11年後の本土での青春時代の葛藤はやがて交差し、ひとつの物語へと収斂していく。

『オキナワの少年』キャスト

・キャスト
藤川一歩、緒形拳、野川由美子、内藤剛志、小野みゆき、
岡田奈々、小林桂樹、田中邦衛、倍賞美津子、坂上二郎、
河原崎長一郎、篠田三郎 ほか

・スタッフ
原作:東峰夫『オキナワの少年』(第66回芥川賞受賞作品)、
監督:新城卓、 撮影:姫田真佐久
脚本:新城卓、中田信一郎、高際和雄

・今村昌平(映画監督):「私は作品を見せてもらい、胸が熱くなった。新人のデビューに何より大切な『想い』がこもっているのを強く感じたからである」

注)いちいち書くまでもないことではありますが、ジグザグ会または本上映会の趣旨に敵対し、円滑な運行を妨げる目的で来場することは、お店への営業妨害および近隣の方々へのご迷惑となりますので固くお断りします。
 当会が迷惑行為と認めた場合、ご退場していただくことがあります。お店の周辺でも同様です。なお、お店に駐車場はありませんので、自動車でのご来場はお控えください。

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