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発行日時
2019/9/21 12:38
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読書日誌:あなたと原爆
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記事詳細

読了日:2019/09/15
書名:あなたと原爆 ―― オーウェル評論集
著者:ジョージ・オーウェル
訳者:秋元孝文
出版年:2019年
出版社:光文社古典新訳文庫
コメント
「亡命者トロツキー」にこうある。

7月19日にスペイン内戦が始まった。その月の終わり近く、トロツキーは密かにカタロニアへ行きたいという意向をリョーヴァ(=トロツキーの長男;いとえー註)に伝えてきた。リョーヴァと私はいくつかの計画を練った。例えば漁船でノルウェーからスペインへ行くことも考えてみたが、結局は何もかもお喋りの域を出なかった。

トロツキーは内戦化のカタロニアへ行きたかったのだ。となると、おいらの場合、すぐさま想起されるのはジョージ・オーウェルの「カタロニア賛歌」である。 ということで、この8月に出版されたばかりの本書を読んだ。

本書は、オーウェルが1931年から1949年までに書いた評論を集めたもの。スペイン内戦について書いた「スペイン内戦回顧」も収録されているが、これはたしか文庫版「カタロニア賛歌」にも収録されていたはずだ。「水晶の精神」という詩がとても印象的な文章である。

表題作「あなたと原爆」は1945年10月の作品だが、やがて到来する東西冷戦を的確に予言している。とともに、そもそもこの評論の中でオーウェルが用いた「冷戦」という用語は、東西冷戦のような意味での「冷戦」という語の初出なのだそうだ。

そして、注目すべきは「ナショナリズム覚え書」。オーウェルは、とりあえず彼が便宜的にナショナリズムと呼ぶ「いまだ名前を与えられていないある心のありよう」について論じる。このように断るのは、この感情とは、必ずしもネーションにまつわるものと限らないからである。ま、それはともかく、この論評でのオーウェルのナショナリズム批判はじつに腑に落ちる。

○○ファーストだとか、嫌韓嫌中などの不愉快な言説が世に溢れる昨今、訳者が本書解説で「オーウェルが鳴らした警鐘は、現代にこそ高く響く」と書いたことには、心から同意できる。

次の投稿に続く)

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