切り抜き詳細

発行日時
2019/9/21 12:40
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抜き書き「ナショナリズム覚え書」
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http://agrito.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-973843.html 抜き書き「ナショナリズム覚え書」への外部リンク
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前の投稿からの続き)

著作権法違反だが、オーウェルの「ナショナリズム覚え書」から少しだけ抜き書きさせていただく。
以下、光文社古典新訳文庫「あなたと原爆」150~154頁よりのピックアップである。
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今ではかなり広範囲に浸透していて、ほぼどんな問題を考える時にも我々の思考に影響を与えているのに、いまだ名前を与えられていないある心のありようというものがある。現存することばでそれを指すもっとも近いものとして「ナショナリズム」を私は選んだが、私がこのことばを通常使われる意味で使っているのでないことは、すぐにおわかりいただけるであろう。なにしろ私が説明しようとしている感情は、ネイション――つまりは単一の人種や地理的な区域――と呼ばれるものに必ずしもまつわるわけではないのだから。
「ナショナリズム」ということばで私が言わんとしていることは、(略)自分をひとつの国家やなんらかの組織に一体化し、それを善悪の判断を超えた場所に措定して、その利益を増やしていくことのみが自分の務めであると認識するような姿勢のことである。
ナショナリズムは権力への欲望と切っても切れない関係にある。全てのナショナリストの変わらぬ目標は、自分ではなく、個人としての人格を埋没させんと自ら決めた国家なりなんなりの集団に、より大きな権力や威信を付与することなのだ。
ナショナリストというのはもっぱら、あるいは大部分において、威信争いを物差しにして考える人々のことだ。(略)その思考は常に勝利や敗北、勝ち誇ることと辱めることに向かう。
ナショナリズムとは自己欺瞞によって強化された権力欲だ。ナショナリストはみな最も破廉恥な不誠実さえ辞さないが、それでいて――個人よりも巨大な何かに仕えているという意識があるために――自分が正しい側にいるのだという揺るぎなき信念を持っているものだ。
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さて。オーウェルがナショナリズムということばを借りて表そうとしたもの、「いまだ名前を与えられていないある心のありよう」に、名前を与えてみたい誘惑に駆られる。たとえば「群れ思考」なんてどうだろう?

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