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カテゴリ: 人権と尊厳

元国家公安委員長・自治大臣が警察被害に遭遇

追記
ここに登場する元自治大臣 白川勝彦さんは2019年11月18日にお亡くなりになられたそうです(案内)。白川さんとは何の面識もありませんが、衷心よりお悔やみ申し上げ、ご冥福をお祈りいたします。
15年もサイトをやっていますと、こういうことも増えてきます。やはり寂しいものですね。(2020年春 草加耕助)
 なんかえらいことになってますが・・・(゚m゚*)プッ
 日刊スポーツの記事によると、橋本内閣において、警察のトップである国家公安委員長自治大臣(現総務大臣)を務めた白川勝彦氏が警視庁渋谷署の違法な職務質問に遭遇。いいがかりをつけられて、警官4人に取り囲まれた上、根拠なく服の上から身体を捜索されたそうです。

 職務質問の根拠は警察官職務執行法(警職法)ですが、警職法に所持品や身体の捜索を認める条項はありませんし、これを行うには刑事訴訟法(刑訴法)に基づいて、裁判所が発行した令状がなければできません。任意で行っているというなら、当然に拒否する自由を認めないと「任意」ではなく「強要」になる道理です。実際、白川氏は、4人の警官に取り囲まれて移動の自由を奪われた上、執拗に身体捜索を強要され、あまつさえ同意していないのに服の上から身体を触られて捜索されたということです。

 当の「白川先生」は怒り心頭ですが、ちょっとでも反戦運動など、政府-自民党と違う価値観で行動をしたことのある人なら「何を今さら・・・」というくらい日常茶飯事の出来事です。あきらかに法律違反で、警察に非のある場合でも、それに抗議すれば「公務執行妨害」で逮捕されるのはこちらなのです。上のイラストは警察の広報誌にあったものですが、これを見るだけで、警察がどういう態度で職務質問に臨んでいるかは一目瞭然です。明らかに警官が「そのカバンの中身を見せなさい!」の図ですよね。肩までつかんでいるし。

 ゆえに私は国家公安委員長という要職にあり、こういう警察の違法行為の責任者の一人でもあった白川氏に、少しも同情心を抱くことができません。「こんなことになってるとは知らなかった」という言い訳は通らないのが政治家の責任ではないでしょうか。自分が同じ目にあわされて、やっとその怒りや悔しさがわかったか!というくらいの思いでいっぱいです。

「あいつ怪しい」元警察トップに職質
-「日刊スポーツ」2004/12/7/紙面から

 国家公安委員長を務めた白川勝彦元衆院議員(59)が、東京・渋谷の路上で警視庁渋谷署員に職務質問を受けていたことが6日、分かった。白川氏の顔を知らない若手警察官4人から突然、体を触られ所持品を見せるよう求められた。拒否したところ、数十分にわたって囲まれ、押し問答の末、同署に移動、幹部がやっと白川氏であることに気付いたという。白川氏は「自由主義社会でこんな違法かつ無礼なやり方は許されない。このままでは警察国家になる」と抗議している。

 白川氏によると、トラブルが起きたのは11月11日午前。銀行に用があり、私服で道玄坂を歩いていたところ、突然、渋谷署の若い制服警察官4人に囲まれた。反射的に身構えたが、ほぼ同時にズボンのポケットの上などを次々触られ「ズボンのポケットの中を見せなさい。財布を見せなさい」と言われたという。

 4人は、元国家公安委員長とは気付かず高圧的な態度。白川氏は「何でポケットのものや財布を見せねばならないのだ」と拒否したが、4人は取り囲んだまま「怪しいものを持っていないのなら見せなさい」と迫ってきたという。当時、風邪で寝込んでいたため、白川氏の髪はやや乱れ、ひげも少しあったが、「何ら不審な行動をしていなかったし、隠すべき物もなかった。なぜ職務質問したのか逆に聞きたいほどだ」(白川氏)。

 白川氏は弁護士であることを告げ「警察官職務執行法では身体検査的に私の体を触ることは許されていない」と主張。警察官側は「許されている」として数十分間、押し問答が続けられた末、白川氏は渋谷署長に抗議するため、警察官とともにタクシーで同署に乗り込んだ。同署で96~97年に国家公安委員長を務めた経歴を明かしたが、中堅幹部は白川氏と気付かず、その後、副署長が初めて「白川先生」と気付いたという。

 自由主義を政治理念とする白川氏は「数十分も私の行動の自由を奪い、体を触るような職務質問は警職法からみて違法だし、自由主義社会で許されるはずがない。このような横暴な職質は日常的に行われている可能性があり、怒って抵抗して公務執行妨害で逮捕される人が出る危険性があり、恐ろしいことだ」と指摘。「私はだれよりも『強い警察』が日本に必要と思っている。ただし、強い警察をつくる道はただ1つ『国民から信頼される警察』になることだ。今回のような職質をしていたら、だれも警察に協力しなくなる。そして警察国家になってしまう恐れがある」と“訓示”した。

 渋谷署では「職務質問したのは事実。具体的な内容をあれこれ言うつもりはないが、適法かつ妥当な職務質問だったと思っている」としている。   [2004/12/7/紙面から
(以上)

白川勝彦氏へのメッセージ

 白川先生、「可能性」どころか、はっきりと「日常的に行われて」いますよ。また、「危険性」どころか、「怒って抵抗して公務執行妨害で逮捕される人」が何十年も前からいっぱい出ています。と、いうか、それが常套手段となっています。

反戦集会の後のデモにも参加した。最後尾だった僕たちは警官隊によって本体から分離させられ、包囲されながら行進せざるをえなくなった。交差点で突然僕の背中に警官がぶつかってきて「コラッ、あぶないやろ!」と怒鳴りつけてきた。いいがかりだ。まるで僕が暴れてたみたいやん。これはわざと僕を挑発して怒らせて、僕が反抗したら逮捕する算段なのだ。無視したら、何も言わずその警官は目をそらしてスッと僕から離れていった。何度かデモ隊と警官隊との間に緊迫した雰囲気がただよった。最後まで誰も逮捕されることはなかったが、警官どもの横暴さには思い返しても腹が立つ。
(ミュージシャンの吉田一平さんのブログ「Anarchy is Orderライブ、そして「武装した人間の特殊な部隊」より)

 こういう警察の横暴が特に目にあまるというか、それまでの「過激派」からごく普通の市民運動へ、さらには一般の市民にまで組織的・目的意識的に拡大されていったのは中曽根内閣の頃からだと思います。
また、東京サミットを前後して、警察の検問は一般車両のトランクの中まで開けさせるのが、もはや当たり前のようになっていますし(当然違法です)、昭和天皇在位60年式典の当日には、会場近くの両国駅から降りる人全員に所持品検査が強制され、女性のハンドバッグの中まで開けさせています。これらが決して「任意」と言えないのは、当の白川先生自身が身を持って経験されたことですよね!

 白川先生が国家公安委員長だったのは96~97年だそうですから、当然にこれらの実態について把握しているはずですし、また、していなくてはなりません。そして何らかの改善策を打ち出すことこそが、まさに白川先生の「お仕事」そのものだったはずです。

国家公安委員会は、国務大臣である委員長と5人の委員の計6人で構成される合議制の行政委員会です。この制度は、戦後新たに導入されたもので、 国民の良識を代表する者が警察を管理することにより、警察行政の民主的管理と政治的中立性の確保を図ろうとするものです。(国家公安委員会のWEBサイトより)

 それを落選して「ただの人」になった今さら怒ったってだめですよ。まあ、国家公安委員会がただの飾り物で、「警察行政の民主的管理と政治的中立性」が嘘っぱちだということをよく示してくれたという意義は大変に大きいと思いますがね。
こういう警備-公安警察の先導による暴挙を野放しにしていたからこそ、「令状がなくても身体捜索はできる」なんて、わけのわからん大嘘を平気で言う「若手警官」を生み出してきたのでしょう。

 現在は、警察の「民主性」に続いて、かろうじて「建て前」としてのみ維持されてきた「政治的中立性」が大きくゆらいでいます。つまり、目的意識的にイラク戦争に反対する主張を潰そうという意図が、あまりにも露骨に表れてきています。今の公安は「お国に立てつくものを弾圧する」という政治警察そのものになりつつあります。その相手が「過激派」だろうが市民運動だろうが個人だろうが関係ありません。

「自衛隊派兵を慎重に考えてほしい」というビラをまいただけで逮捕された事例
「アメリカはイラクから撤退してほしい」と街頭で訴えただけで弾圧され続けた女性の事例

 私は今さら自分のことを「反警察」とは思っていませんが、こういったことを平気で行う部分に対しては「反警察」と言われてもかまわないと思います。だいたいが警察法の理想を本気で信じ、「一般市民の平安を命を賭けてでも守る」と真面目に思っているお巡りさんに対し、こういう輩は申し訳無いと思わないのでしょうか?と、いうか、むしろこういう輩が警察でのさばっているのではありませんか?

警察法
第1条
 この法律は、個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持するため、民主的理念を基調とする警察の管理と運営を保障し、且つ、能率的にその任務を遂行するに足る警察の組織を定めることを目的とする。
第2条
 警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。
 警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであつて、その責務の遂行に当つては、不偏不党且つ公平中心を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない。
第3条
 この法律により警察の職務を行うすべての職員は、日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行うものとする。

 白川先生。日本は「警察国家になってしまう恐れがある」のではなく、すでにそうなりつつあります。
 先生のお怒りはごもっともです。しかしそれは『強い警察』だの『国民から信頼される警察』だのいうレベルの問題ではありません。まさに『自由』と『民主主義』そのものの危機として認識していただき、私達が個人的にどのような意見を持とうとも、何一つ心配しないで自由に意見を表明できるような社会を作っていただくべく、ますますのご尽力をお願い申し上げる所以です。

参考リンク

[clink url=”http://bund.jp/modules/wordpress/?p=7076″]

違法な職質「問題ない」なんて言っている場合か?(ブログ旗旗)
白川勝彦WEB
 └永田町徒然草
  └白昼堂々、4人組が! / 白昼堂々、4人組が! (その2) / 白昼堂々、4人組が! (その3)
人権110番
 └無法ポリスと渡り合えるザ・警察対抗法
救援連絡センター
 └弾圧に抗して
  └日常的な弾圧
反戦青年救援会
 └2003/4/14弾圧反対の集会に対する弾圧
 └度重なる不当弾圧を弾劾する!
  ↑今回問題をおこした警視庁渋谷署の弾圧事例です。無名の一般人への弾圧にも注目を!
闘うリベラルのチャンネル
 └冤罪被害者の言葉
今日の戯言・昨日の譫言
 └「神様、僕は犯人ではありません」

///////////////////////////////////

ARTIFACT-人工事実-様にてこのエントリーを大きく取り上げていただきました。

指摘されているように以前から違法な職務質問というのはあったんですが、日本国内でテロの危険がいわれるようになってから、より一層強化されているという感があります。
白川勝彦元議員、渋谷で違法な職務質問を受ける

他のいくつかのブログでも「何となく最近警察の取締りが厳しくなってきているのでは?」という実感が表明されていました。そこで近年の警察の反戦運動に対する警備の実態をよくあらわしているのではないかと思われる事例につき、写真や動画で紹介したいと思います。

警察による「やりすぎ規制=弾圧」ミニ写真集

<写真はクリックで拡大します>

■デモ隊を襲撃し1名を拉致(「逮捕」とすら呼べない)する警視庁渋谷署

2003/4/14弾圧反対集会にて、顔を隠した機動隊がデモの先導者にするするっと近づいてきて「え?何ですか?」と思っているうちに、理由もわからずいきなり拉致。デモ全体への妨害か、特定個人への狙い撃ち弾圧というやつか、冷静に対処できず混乱すると、それを口実にさらに大量逮捕へとつなげるのが、非常によくある公安の伝統芸能。





http://mypage.naver.co.jp/antiwar/demo413/より
参加者(目撃者)によるレポート(怒りがよく伝わってきます)

■デモ隊を襲撃する大阪府警(証拠の動画つき

2004/3./20イラク反戦デモにて。動画(Quicktimeムービー)からのキャプチャ画像


↑梶本警部補  ↓三井刑事

↑罵声を浴びせながら、デモ隊列に掴みかかろうとする大阪府警の三井刑事梶本典嗣警部補らの様子がばっちり写っています。デモへの襲撃などよくあることなのですが、普通はビデオで撮影している時は証拠が残ることを恐れて襲ってきません。だから最近では、護身用にビデオカメラを用意したりしているくらいで、こうして警察の襲撃が映像で残っているのは非常に珍しいです。まあビデオがあったから逮捕はしなかったと言えるでしょう。

 通常の襲撃はもっと陰湿で証拠が残らないように組織的・計画的かつ無表情で襲撃してきます。本当に「おまえらロボットか!」と言いたくなります(上の渋谷署の例がまさにそれです)。大阪府警の警備は「ヤクザと変わらない」というので特に評判が悪く、実際その通りなのですが、私としては、むしろ表情が豊か(笑)なぶん、ああこの人達も人間なんだとわかって救われるくらいです。ともかく、こんなことをしても、この二人はいっさい処分されていないという事実が、氷山の一角であることを物語っています。

http://page.freett.com/kamapat/mov/040320.htmlより
◇釜ケ崎パトロールの会(http://kamapat.seesaa.net/
  └ 旧サイト((http://www.geocities.co.jp/WallStreet/9279/

■デモ隊を完全に包囲。まるで機動隊がデモをしているようだ

2004/12/5イラク反戦行動にて





http://www.mkimpo.com/diary/2004/koizumi_04-12-05.htmlより
12/5仮公邸行動の仮報告(参加者によるレポート)

■上記のような現状を皮肉ったポスターが貼り出された(^O^)
2004/2/22渋谷サウンドデ「イラク派兵に反対する反戦機動隊員、ザ・重装備デモ」

 
http://www.mkimpo.com/diary/2004/rave_04-02-22a.htmlより

(追記)なんかこの「ミニ写真集」の部分だけやたらと反響が大きかったです。大阪府警の二人の刑事さんもすっかり全国的な有名人ですね(笑)。
 そこでまあ、皆様がリンクなどしてこの部分を利用しやすいように、ここだけ切り出して別エントリーとしましたので、よろしければご利用ください。なお、これはやはり「リンク集」的なものですので、可能なら釜パトの会など、元のサイト様の紹介もあわせお願いします。
[clink url=”http://bund.jp/?p=144″]

いろんな意見(TB先など)

人工事実
 └白川勝彦元議員、渋谷で違法な職務質問を受ける
反米嫌日戦線
 └忍び寄る警察国家の影 職務質問どこまで許されるのか?
★J憲法&少年A★
 └職務質問
Izumi weblog
 └ひどい話 / ひどい話2 / ひどい話3 / ひどい話4
光るナス
 └わらえね~
MIYADAI.com Blog
 └白川勝彦・元自治大臣・元国家公安委員長が、渋谷署警官から違法な職質を受ける
DEAI NO BRUNCH
 └【社会】「許されぬ」 元警察トップ、若手警官らに高圧的態度での職質受け”憤慨”
虚言日記
 └ [時事]「あいつ怪しい」元警察トップに職質
真・タバコ日記
 └「あいつ怪しい」元警察トップに職質
Justice of Jurist
 └国家は疑うもの?信じるもの?
Proxyとか
 └運が悪かった警察官
憂国日記
 └白川勝彦が犬のしつけをした話
BOREDOMSOON
 └ポケット
A.E.U.G.
 └カゼ薬としての役割を越え、社会機構の寄生虫をゲト??
大尉 Weblog
 └警察という組織「このやろう」から「へへえ」への変遷という定番
時事日報
 └警察ってコワーイ白川勝彦元国家公安委員長・元自治大臣が渋谷署から受けた不当職質日記へのリンク
makolog
 └元国家公安委員長に執拗な職務質問をしてしまった警察官
鯖田鮫蔵のリベラシオン抄訳(など)
 └白川勝彦・元国家公安委員長が、無礼な警官から職質を受けた
うたBlog
 └《こんなんでいいの?》渋谷で4人の警察官に不当な職務質問
NOTEnet
 └元国家公安委員長の白川勝彦が渋谷署の警察官に職務質問をうけキレる
のほほんめも
 └白川勝彦氏の不快な体験
模型秘伝帳Bの巻
 └警察国家
冬枯れの街
 └誰がために鐘は鳴る
サウンドデモ追っかけblog
 └アキバの路上取り締まりはどうやら警察の点数稼ぎらしい、異様に強引な。

コメントを見る

  • はじめまして。TB&リンクどもです。 ここ2日ほど、「白川勝彦 職務質問」な検索が大量に来てナニゴトかと思ったら、新聞に出たんですねえ。納得。

  • トラックバックどもです。同じ記事でも他の方々に比べたら私のサイトだけイロモノっぽいですね(汗)。

  • 参考になりました。
    匿名掲示板を使わなくても相互交流ができるウェブログ、すばらしいですね。

    http://f40.aaa.livedoor.jp/~kasumin/mt/b/
    └(ウェブログ 以下にHTMLあり)
    http://www.geocities.jp/kasumin777/
    └(インデックス)

    日本の暗部に直面する身として、このような告発体験記サイトも毎日更新しています。参考までに。

    日本は自ら東欧共産圏を踏襲、洗練しようとしているのです。
    銃器ネット、国民保護法、盗聴法などの延長にこれはあります。
    なぜ青木雄二は昨年突然死んだのでしょうか。

    どうか周囲に流されず、自分で調査、推理を進めてください。

    http://www.geocities.jp/unwatchedattack/0412.html#15

    (2)なんかはここ向きでしょうね。
    このような映像画像も、昨年から多数記録して公開しています。