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去る1月21日、関生労組への不当弾圧で拘留中の武委員長ら4人の拘留理由開示裁判が大阪地裁にて開かれました。
以下、公判を傍聴した戸田ひさよしさんの報告と、武委員長が行なった意見陳述の全文です。

1/21拘留理由開示公判;溢れる傍聴、闘志満々の4人、不当勾留続ける裁判官

投稿者:戸田 ( 05/01/21 19:31:34 ) Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)

連絡遅れてすみません。戸田も今日知ったぐらいですから。
本日午後1:30より大阪地裁1001法廷で、1/13逮捕の武委員長ら4人についての「勾留理由開示公判」がありました。
本来なら100人以上収容の大法廷でやるべきものを、ほかの一般刑事事件を大法廷に回して、傍聴席たった50人分のこの法廷にされたために(初めは傍聴25席の法廷でやろうとしたとか!)、家族や友好労組等も含めた100人を越える支援傍聴者はとうてい入りきれず、連帯の一般労組員は交替制で傍聴をした。(幼児を連れた家族もいた)

4人の不当勾留を今まで決めた若い裁判官がひとり裁判官席に座って、彼が「認定」した、「逮捕容疑」や「事実経過」、「拘留の必要性」等について、連帯側弁護士が「どういう裏付けがあってそういう認定をしたのか?」、「どういう証拠があるのか?」等々と問い質したが、この裁判官は全く警察の描いた筋書きに通りに思い込んで何の疑問も感じていないらしく、具体的なことは何も答えず、やたらと「捜査の密行性を害するから言えない」とか「総合的に判断した」とか言うばかり。
武委員長らが「釈放したら逃亡する恐れもある」(!)などというアホウで非常識な「総合判断」までする始末で、傍聴者の怒りを買った。
*マスコミ記者はだれも傍聴に来ていなかった!あれだけ仰々しく書いた産経や読売も!

次に4人の意見陳述に移って、武委員長は10分かそれ以上に渡って、「モノを知らない裁判官」に本件逮捕の不当性、その背景、産業別労働組合や産業政策のイロハ、宇宙と人間の進歩の歴史と民主主義のこと、関生支部の創世からの経過とその意味等々、諄々と説くように説明していった。
途中、創生時代に触れて「昔はタコ部屋同然の所に入れられて人間扱いされないような労働条件だった。・・・」、と語り始めた時、苦しい時代のこと、ヤクザに仲間を2人も殺されたこと、などこの40年間の様々な思いが走馬燈のように浮かんだのだろう、あの武委員長が思い余って30秒ほども言葉が出ずに涙が出るのを押さえて黙ってしまった、というハプニングもあり、法廷がシーンと静まりかえる場面もあった。「自分が認知できただけでも、業者から自分に対する殺害計画が5回もあった」という事も明らかにされた。

まさに総合的で圧巻な武委員長の意見陳述だった。

小柄な武谷(たけや)役員は元気に意見を述べて、「自分らは見ての通り元気いっぱいだから、自分らへの支援活動はそこそこにして本来の労働闘争に邁進して欲しい」と締めくくった。

185?でガッシリ巨体の片山役員は、「連帯・関生の運動に絶対の確信を持って自分は運動を進めてきた。こんな弾圧をはね返して闘う」と決意を述べた。(彼は数年前にも争議弾圧で数ヶ月も不当勾留されたことがある)

身長は片山役員くらいあるが細身の福島役員は、「自分らがやってきたことは正当な労働組合運動であって、民事不介入の原則が適用されるべきものだ。その労働運動を業務妨害だとか強要だとか言って弾圧するのは許されない。」ときっぱり述べた。

最後に、弁護士から総合的かつ具体的に、今回の逮捕と拘留が全く違法不当であることが論証され、公判が終了した。

しかし、これほど不当性が明白になっても、この裁判官は「勾留延長」の決定を出すのであろう。
これは国家権力、警察と裁判官の結託による「拉致監禁」犯罪に他ならない!公判終了後、満場の傍聴者は武委員長らと手を触れ合ったり、声を掛け合ったり、エールを交わしたりしながら、大阪府警と裁判官への怒りの声を上げてつつ法廷を離れたのだった。
1/13逮捕以降、8日ぶりの再開だった。みな不当にも接見禁止を受けて弁護士以外には面会できない状態が続いているので、家族にとっても8日ぶりの夫であり父であり息子であった。

この不当違法な拉致監禁を許すまじ!

(原文:自由論争掲示板より)

武執行委員長の意見陳述

(1)不当弾圧事件の本質と狙い、(2)今日の時代認識と産業政策運動社会的意義、(3)我々の40年の闘いと今後のスタンス、(4)裁判所に対する要望を述べたい。

不当弾圧の本質と狙い

 今回の「大谷生コン事件」は、我々の組織に対する弾圧を意図したものであると同時に、中小企業が大企業に対して発言力を確保し、対等な取引関係を実現する運動に対する弾圧でもある。
 随分以前から、「『阪南畜産事件の次は、関生支部だ』ということを大阪府警本部のある人物が発言していた」という話を聞いていた。つまり、いま「事件だ」と言われる前から、我々を弾圧する為に大阪府警を中心に企まれていたことは明白だ。

「強者の論理」は終焉

 「赤字を黒字にした」ことを最大評価に、日産自動車のカルロス・ゴーン社長がもてはやされている。だが、彼の基本的な手法は、徹底的なリストラ・労働者の大量首切りであり、強い者が弱い者を踏み台にして利益を確保するのが本質だ。 いま、ブッシュが世界的に行っている内政干渉は、カルロス・ゴーンと同じように弱者を弾圧し、資源を剥奪する。さらに、小泉内閣が進めるグローバリズムの名によるIT革命、金融革命、行財政革命は、多数の弱者を踏み台にして特定の多国籍企業の利益を代弁する。
 こうした時代は、今や主流になっているようにみえるが、終焉の時代を迎えざるを得ない。アメリカのイラク侵略・占額の泥沼化、世界的な反グローバリズム運動の高揚、国内でも小泉構造改革に対する商工業者、農民、労働者の怒りと反発が強まっている。従って、こうしたやり方はもう通用しない。

政策運動の社会的意義

 我々が進める産業政策運動は、4点の社会的意義がある。?大企業の横暴を規制し中小企業を元気にすることにより、労働者の雇用・労働条件を確保すること。30年の政策闘争で、雇用安定と労働条件の維持向上に大きな役割を果たしてきた。 未組織・阻織を問わず、生コン産業に従事するすべての労働者が、この運動によって利益を享受してきた。?経済と産業の民主化を実現する運動であること。一部の大企業が政治・経済・産業を支配し、事業所数で99.7%を占める中小企業とそこで働く人々を踏み台にして利益をあげる。 この仕阻みを改めることは、民主主義の大切な原理だ。?産業別労働運動の目標は、産業別賃金・労働条件、産業別雇用計画、産業別福祉制度を確保することにある。?世の発展法則に則った運動である。150億年前のビックバンによって宇宙が誕生し、人類500万年以上の歴史で、弱肉強食の市場原理=資本主義はわずか400年。 長い歴史の大半は、共生・共存の歴史であり、我々の政策闘争は、社会正義をもった運動だ。

40年の闘いとスタンス

 40年前に生コン支部ができた時、奴隷的な労働条件であった。人間性のかけらも認めない、ひどい労働条件を改善するために必死になって闘った。そして今や、人並み以上の労働条件を勝ち取ることに成功した。
 だが、これは血の潜むような多くの犠牲を払った結果だ。私たちの仲間は、会社が雇ったヤクザに殺され、私自身も耳にしているだけで5回も殺されかけた。そして、多くの仲間が容赦なく権力弾圧を加えられた。しかし、我々は断固として理不尽な攻撃に耐え、資本の攻撃に敢然と闘い抜き今日の労働条件を確立した。 80年代には、日経連の大槻文平会長が「関生型の運動は資本主義の根幹に触れる運動である。箱根の山は越させない」ということで資本と権力による大弾圧を受け、果敢に闘った。また、政党による阻織分断攻撃に対して断固として闘い、労働組合の自治権を確保した。生コン支部40年の歴史は、いかなる攻撃に対しても一歩も怯むことなく闘った歴史である。
 我々は、この闘いの歴史を誇りとし、今回の弾圧に対しても断固として闘うことを明らかにしたい。裁判官が自らの職務を遂行するのであれば、直ちに4人全員を釈放すべきである。

(原文:連帯ユニオンWebサイトより)

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