去る6月22日、初めて「ふくしま共同診療所」に行きました。
福島駅からはそんなに離れておらず、ラウンドワン福島店の近くなので小さい割に場所はわかりやすかったです。
そしてまず問診票に必要事項を書き、軽い検診を受けた後いよいよ検査…
子どもも多く訪れるとあって、検査を受ける頭の位置の目安として天井にポケモンのピカチュウの絵があったのには思わずなごんでしまいました。10分くらいでエコー検査は終わりました。
結果、甲状腺の右側に2つのう胞が見つかり、直径4ミリ程度のものと同3ミリ程度のものができていました。これは、福島県の基準で「A2判定」に当たります。ただ、医師によれば「のう胞」はすなわち「がん」ということではなく、甲状腺の中に膿がたまってしまった状態とのことで、今後も「被ばく」しないよう心掛けて(具体的には外出時にマスクをかけることなど)経過観察をするとのことでした。県の定義では「”5ミリ以下の結節”または”2センチ以下ののう胞”」でA2判定となりますが、細胞そのものが変化してはいないため、共同診療所とて精密検査はしないとのことでした。
さて、今回検査を受けた感想ですが…
僕の予想通り甲状腺には何らかの「異常」があったことは事実です。その一方、思ったほどの甲状腺へのダメージは無かったことにはちょっと安堵しています。というのも、震災直後、原発の爆発によっていわきに放射性ヨウ素が降っていた3月15日の朝にマスクも付けず水汲みに出かけていたため、もう「ガン」にかかっている可能性もあったからです。ですが、2月の診療所報告会で話があったような「蜂の巣状ののう胞」ではないことはエコー写真で確認できましたし、「のう胞」としてはまだ小さい方で済んだのは不幸中の幸いといってよいでしょう。それでも、(断定できないにせよ)被曝したことによって身体に「異変」が出た以上、『被曝による健康への影響は無い』という言説が十分に疑わしいことは僕の身を以って証明されたわけです。
ちなみに3月には【いわき市】が行うホールボディカウンター検査を受けていたのですが、入っていた時間はわずか2分、調べる核種もセシウムのみ…で、結果は「累積被曝線量1ミリシーベルト未満と推定されます」。このいいかげんな検査も共同診療所行きの契機になりました。というかこの検査も「ウソ」ということではないかと思います。
一方、診療所に僕が「過度な期待」をしてしまったかなとも思いました。今後気をつけるべき点については前述の通りだったため、いささか拍子抜けでした。これは、予約時に自分から「検査のほかに診察もじっくりやって欲しい」という感じで話をあらかじめしておくべきだったかもしれません。早めの対処ができるよう、2~3カ月以内の再来院及び線量の低いところへの「保養」はすべきだと思いました。まあ、昨年の5月に熊本に行ったりもしていますので、趣味を兼ねて鉄道旅行の行き先にもっと西日本方面を選べば、のう胞の悪化を防ぐ意味でも良いのかなとは思いますが。
ちなみに診察料は保険適用で2000円程度で済みました。これが一番「良かった」点です。気になった方は甲状腺検査だけでも行うことをお勧めします。しっかりと甲状腺の写真は撮ってくれますし、これから青春18きっぷの季節なので、鉄道利用でも行きやすいのでトータルの費用もそんなにかからなくてすむでしょうし。
さて、タイトルにもありますように、検査後は同行した皆さんと一緒に「松川事件(http://www.asahi-net.or.jp/~mg5s-hsgw/saics/matukawa_jiken.html)」の現場に行きました。
詳細はリンクを参照していただくとして、この事件は戦後間もない1949年当時に労働運動弾圧の口実となった事件です。現場周辺には写真のように線路の方向を向いた地蔵や慰霊碑が建っています。その中でも楕円状っぽい形の石碑は、あの悪名高き「JR総連」が建てた石碑です。
「JR総連」は国鉄民営化に賛成した方の労働組合で、運動をしている人々からの評判が悪いところです。「こんなのが福島にあったなんて」と何とも言えない気持ちを抱え、帰路につきました。