アッテンボローさん、戸田さん、黒目さんのサイトでも呼びかけられていた「三悪法を廃案へ! 11.22大阪緊急行動」に行ってきた。この3人に呼びかけられて「俺もいくぞ!」とか言われたら、もうこりゃ行くしかないという(笑
さて、だいたいが私は「2ちゃんねる」では「長文厨」などと言われた男である。集会の報告なんかでも、自分ではずいぶんとはしょって、見聞きしたエピソードも削れるだけ削って簡潔に書いているつもりなんである。でもなぜかいつも「詳細」「詳しい」「細かい」という評価をよくいただく。んで、「くわしい内容はこちらをご覧ください」って私の書いた記事にリンクしていただき、その上で自分の心情や感想をのべるという使い方をしていいただいたこともある。それも一度や二度ではない。
でも今回はすっかり到着が遅れてしまった。そして私と同じ頃に会場に到着したアッテンボローさんが詳しい報告を書いておられる。だいたいアッテンボローの記事と黒目さんの記事を読めば、当日(から翌朝にかけて)の私の行動はほぼ推測できてしまうので、今回は「そちらをご覧ください」…って一度言ってみたかった~!(笑
確かに真夜中の駅前で、数人で「デモ」している酔っ払いを目撃しましたよ>黒目さん(笑
あと、つけ加えるならば、デモにでる時に黒目さんたちを見つけられんかった私は、戸田さんのいつもののぼり旗を見つけて、一緒に連帯労組の隊列で歩かせていただきました。ありがとうございました。
さて、集会報告はこれくらいで・・・。今日は「三悪法」の中でも、今最も焦点化している教育基本法改悪について、それを論じる前提としての、個人の素朴な思いなどを書いておこうと思います。なにしろ当サイトでこの話をとりあげるのは初めてでもありますから。
本来なら、法案をじっくり読み込んで、論点を整理した上で自分の考えを論理だって述べるのが王道だとは思います。が、それはまたの機会にして、今日は「左翼」だのなんだの関係なく、「子をもつごく普通の親」として、今回の強行採決に対するごく一般的な感想をのべます。そういう感覚ってのは案外ものの考え方の基礎になっているもんだと思いますから。
教育基本法の強行採決には、正直な感想をかけば怒るより先に本当にびっくりしました。まさかこの法案でやるとは!
人それぞれに政治的な主義主張はもちろんあるでしょう。ですが、ことは子供の教育に関することです。おりから被害者の自殺によってやっと顕在化したイジメの問題。これと同じ根っこだと思いますが、子供たちがホームレスを襲撃する事件も後を絶たない。「人権啓発」は法務省の仕事とばかりに、ずっ~~~~と以前からこういった深刻な事態にほっかむりしてきたのは文部科学省はではないのですか?
さんざんさぼりまくって現場の先生や親にすべての責任や汚名を押し付け、それを利用して学校を管理することにばかり血道をあげてきた官僚ども。やつらのやってきたことで、近年目立ったのは、言い訳無用の明々白々たる人権侵害たる「君が代処分」の尻押しくらいなもんです。おぼっちゃま君首相に率いられた、こんな人の痛みのわからない政府の役人どもに、「子供の教育」をどうこう言われたくありません。
だいたいがまがりなりにも「教育基本法の理念」が字面の通りに尊重されようとしたのは、戦後のほんの数年間にすぎないではありませんか。あとは政府なんてもんはひたすら「押せ押せ~!」でこれを破壊することしかやってこなかった。その結果が現在の学校なんです。その責任は、すべて歴代の自民党政権が負うべきもの以外ではありません。
教育をどういう方向にもっていくかというのを、単純にして独善的かつ極端な主義主張で決められては困るのです。本当に困ります。 たとえば正直に言えば、子供たちを「型にはめる」のも「自由にさせる」のも一長一短があると思うのですよ。どちらにしても極端な主張はいい結果を招かない。「頭ごなしの押さえつけ」も「極端な放任」も、同じ「無責任」という名前のコインの裏表にすぎないと思う。
だからこそ、法案がどうこう言う前に、もっと根本的な教育の方向性というものを国会の場でも2,3年をかけて数度の選挙なんかもはさみながら、長期的に話し合ってほしかった。ちょうど不幸にも最悪の形で顕在化した「イジメ自殺」、タウンミーティングのやらせ問題、これらでボロボロの政府の惨状がさられだされたのです。これは政府が反省して襟を正し、すべての膿をだしきる「いい機会」に転化する道もあったと思う。示されている状況は、まさしく制定直後から仮死状態、憲法9条と同じく単なる「建て前」にされてきた教育基本法の精神を復活させるべきことを指し示していると私には思えます。
こう言っては悪いけど「革命」だの「左翼」だの言ったって、今はそういうことが課題になる情勢ではない。とりわけ教育における焦眉の課題は「人権」でしょう。それが根付いていないのなら、いったい何が原因なのか、そして今何が必要か、現体制下でもやれることを議論し、できることをするしかない。
ところが、自民党の現状は極右化し、良い言葉をさがしても、せいぜいが「純化」してしまって党内の層がすっかり薄くなってしまっている。つまり議論しようにも、それが成立するための民主主義や人権擁護といった「共通の認識」がやせ細ってしまっている。どんどん極右に純化していく与党側は「弾圧」しか選択肢が残されていない。
最近、「強行採決は安倍政権の弱さの表現でもある」という言説を連続して耳にしました。「空気」として感じていることはみんな同じなのだなと思います。教育基本法にしても、「教育の荒廃」を他人事のように語り、だから自分たちが殺してきた教育基本法を「生きかえらせる」「再び生かす」のではなく、自分たちが荒廃させてきた現状にあわせて、都合がいいように「変えよう!」と主張してきた。この「チェンジ!」の主張で法案が俎上にのぼるまでは、一方的に政府側が押してきたイメージがあります。
ですが、「荒廃からのチェンジ」に踊らされていた人々も、はたして教育基本法の理念をどれだけ知っていたのか?政府案の内容をどれだけ理解していたのか?具体的に法案が俎上にのり、教育基本法の理念と、それを変えるべきか、あるいは変えるとしてもどう変えるべきか、そういう具体的な内容が広まれば広まるほど、そして今まであえて一般に周知されてこなった教育基本法の理念が広まれば広まるほど、「ムード先行」の政府の戦術にかげりが見られ、ここ数ヶ月で逆にじわじわと政府が押し返されているという印象がありました。
教育改革の進め方について、教育基本法の精神を復活させる方向で考えている人々は、ここにきてやっと急速にまとまりはじめ、東京での統一集会には、このご時世に8000人が集まるまでになりました。そして、強行採決直後には平日の夜遅くにもかかわらず、国会前緊急行動に5000人が集結。しかも特筆すべきは「動員されてきましたー」みたいな人が一人もおらず、誰もかれもが怒りで震えながら「駆けつけてきた」ような人ばかりだったと言います。
体調がすぐれなかったけれど、やはり居ても立ってもいられず国会前に行きました。 地下鉄の改札を出ると、公衆電話で年配の女性が「強行採決したのよ!」と怒りの声をふるわせています。「あーっ!ついにやりやがった!」と思い、地上に出るとちょうど国会前で抗議集会がはじまるところでした。歩道いっぱいに広がった人の波をかき分けて、きょうは発言者近くの中心まで行きました。 議員や各運動団体から怒りのメッセージが次々と続きます。なんと私の地元で活動している顔見知りの人もマイクを握って発言を!(あとで挨拶をしてビラをもらいました)聴衆はみな憤怒に耐えかねた面持ちで発言者の声に耳をかたむけ、怒号が走ります。許せない!ふざけるな!ぜったいに廃案だ!(「衆院教育基本法特別委員会で強行採決」++つぶやき手帳++より)
私は絶対に、「次の国会まで議論を続けていたら、共謀罪の二の舞になる」という計算、そして焦りが、安倍政権に強くあったと考えています。共謀罪も最初のうちはその内容がほとんど知られておらず、反対の声も小さくて、阻止は絶望的かと思われたものです。ところが成立が具体的になりはじめ、その内容がやっと一般に理解されはじめるや、未だに成立は阻まれ続けているではありませんか。このことを安倍政権は非常に恐れたと思います。世論調査でも「慎重な審議を求める」つまり私と同じように、政府に対して「ちゃんと話し合え!」と要求する人が増えてきました。これは共謀罪と同じパターンです。安倍政権に「話し合う」気なんかそもそもないですから、これは非常に困ったことであったわけです。
物言わぬ民衆の不満や憤怒は確かに感じます。こういう時代には、支配者側は自分自身で「旧体制打倒」「改革断行」を叫けび、その不満を逆に自分たちの味方につけるという手法をとります。それは一般的にファシズムと呼ばれています。そのターゲットになるのは主に都市部中産階級の若い子弟。彼らの目をそらすために、彼らよりももっと弱い立場にいるはずの「外国人」だの「ユダヤ人」だの「祖国を裏切る左翼」だのが血祭りにあげられる。日本もそういうことを繰り返す民度の低い国なのか、あるいは人類とは救いようのない愚か者かもしれないという絶望を感じたこともありました。
でも、ここにきて、少し希望の光がみえてきたような気がするのです。ただ、その「力」の出口がない。不完全燃焼。爆発すれば敵を吹っ飛ばせるだけの火薬があるのに、それがしけっているような感覚。
これは運動圏のみんなが感じていることのように思います。
本当は「難しいこと」や「新しいこと」をする必要はないのかもしれません。自分の思いを今までより、ちょこっと余分に形にだしてみてください。その一歩が、だんだんと火薬を乾かしていくのだと思います。
◇久々のデモ行進(アッテンボローの雑記帳)
◇デモいってきますた(ですぺら)
◇教育基本法改悪反対の集会報告(反戦な家づくり)
◇11・22のデモ、参加の記>(シャノワールカフェ別館)
◇ボクはとてもさみしい・・・(なのなの勢力)
◇5000人の国会前ヒューマンチェーン(ビデオプレスTV)動画です
◇衆院教育基本法特別委員会で強行採決(つぶやき手帳)
◇こどもたちは見ている-教育基本法改正反対を訴え8000人が参加(News for the People in Japan)
◇「改正教育基本法案」の衆院強行通過(どこからどこへ)
◇出張旅費が出ていたらしい(^^; (なのなの勢力)
◇教育基本法強行採決は「美しい」かな?(ニャンケのブログ)
◇なぜ、いま「愛国心」教育なのか-教育基本法「改悪」問題についての小話(ある国際人権派の雑食系ブログ)
◇教育基本法の改悪をとめよう!11・26関西集会(扇町公園)へ(アッテンボローの雑記帳)
◇11/26午後は扇町公園での大集会デモに行こう!戸田宣伝カーも参加!(戸田ひさよし:ちょいマジ掲示板)
◇教育基本法の改悪をとめよう! 11・26関西集会(シャノワールカフェ別館)
◇教育基本法の改悪をとめよう!11/26関西集会(ふくしらぢお)
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こういう呼びかけがネット上で回っていますので転載します。私も個人参加で、デモの時は「行れてもらう隊列」のあてがないので、同じような境遇の方がおられましたら、是非声をかけてください。
◆呼びかけ文
11月16日午後、与党は、多くの人々の声を無視し、衆院本会議において教育基本法改悪案の単独採決を強行しました。しかし、これは改悪反対運動の幅広い盛り上がりに追いつめられた結果であり、今後約1ヶ月の闘い次第で、廃案に追い込むことは十分に可能です。
教育基本法改悪の恐れが強まってきたこの3年ほどの間、関西では、様々な団体がそれぞれに、教育基本法改悪反対の集会を開いてきました。これまでは、各団体が独自に集会を開くことによって、集会の回数が多くなり、参加者の裾野も広がり、それなりの成果はあがったものと思われます。しかし今、私たちに与えられた時間はごくわずかしかありません。
すでに全国レベルでは、立場の違いを乗り越えて、教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会が結成され、改悪法案の成立をここまで阻止する上で大きな役割を果たしてきました。11月12日、日比谷野外音楽堂で開かれた全国集会には、各地から8000人を越える人々が結集し、13日以降の国会前闘争においても、全国連絡会の存在が強力なよりどころとなっています。
今こそ、関西でも、立場の違いを越えて大同団結し、教育基本法改悪反対の一大集会を持つべきであると考えた団体・個人が集まり、11月15日に実行委員会を開いて、下記の通り、一日共闘集会を開催することが決まりました。
◆11・26関西集会一日共闘の申し合わせ事項
1.教育基本法改悪反対の一点での幅広いネットワークを目指した運動である。
2.非暴力であること。
3.お互いに誹誘、中傷、攻撃を行わないこと。
4.意見の相違を認め合い、一致点を大事にする。
5.組織、個人にかかわらず、お互いに対等、平等であること。
◆集会案内
日 時:11月26日(日)
午後2時半~集会 手話通訳あり
オープニング “浪速の唄う巨人”趙博さんの歌「光のエチュード」「橋」など
国会報告(交渉中)
各団体・個人よりのアピール
午後3時50分 デモ出発 (梅田まで)
場 所:扇町公園(地下鉄扇町、環状線天満)
地図 周辺施設案内
主 催:11.26関西集会実行委員会
連絡先 メールアドレス 1126kansai@mail.goo.ne.jp
FAX 06-6856-2941(11・26関西集会実行委員会事務局:田中直子)
◆11.26一日共闘参加団体(11月17日現在)
教育基本法の改悪をとめよう!10.8兵庫県集会実行委員会
憲法を生かす会・奈良
子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会
子どもたちの人権と教育を考える大阪市ネットワーク
子どもと教科書兵庫県ネット21
3月行動をよびかける女たち
新空港反対東灘区住民の会
高槻医療・福祉労働組合
「つくる会歴史教科書」を中学生に渡したくない草津市民・保護者連絡会
とめよう戦争への道!百万人署名運動関西連絡会
とめよう戦争への道!百万人署名運動奈良県連絡会
とめよう戦争への道!百万人署名運動兵庫県連絡会
奈良「教基法」を守る会
反戦・福祉議員ネット
評価システムNO!の会(準備会)
婦人民主クラブ全国協議会
箕面ピースアクション
みんなでとめよう!教育基本法改悪・全関西の集い実行委員会
一致バラばらの会
関西反戦共同行動委員会
教育基本法改悪に反対する9.17関西集会実行委員会
◆一日共闘呼びかけ人
福本 憲応(浄土真宗僧侶 「みんなでとめよう!教育基本法改悪・全関西の集い実行委員会」)
梶原 義行(兵教組元西宮支部委員長 「教育基本法の改悪をとめよう!10・8兵庫県集会実行委員会」)
一村 和幸(豊中市議会議員)
大島淡紅子(宝塚市議会議員)
大谷 昭宏(ジャーナリスト)
大野 町子(弁護士)
川村 賢市(全日本建設運輸連帯労働組合近畿地区トラック支部執行委員長)
玉田 勝郎(関西大学教授、教育学)
秀村 冠一(京都女子大学教員)
平野 慶次(日本ホリスティック教育協会常任運営委員)
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遅ればせながら拙ブログの記事紹介ありがとうございます。
空気が入ったり消耗したりの、まだまだ達観できぬ境涯ですが、すこしずつ精神と肉体を馴らしています。
>自分の思いを今までより、ちょこっと余分に形にだしてみてください
そうですね。自分の思いをもっと素直に出していければ、意外に自分も周囲も変わっていくのかもしれません。
それをさっそく実践した草加さんはエライ!^^)