2006年を振り返りますと、確かに酷いことばかりが山のように続いた年でした。スーダン・ダルフールでの大虐殺も続いていますが、何よりもイスラエルによるパレスチナ人やレバノン市民の無差別の虐殺には心が痛みました。もし、このイスラエルによる無差別殺戮に、スーダン大虐殺よりも深刻な点があるとするならば、それはこのような一般市民への虐殺をアメリカをはじめとする国際社会が事実上容認していることです。アメリカのイスラエル庇護のために国際社会は有効な手立てがとれず、そして今のままで推移するなら、今後も実効あるイスラエルへの制裁が行われそうもないことです。それが一番情けなくて、そして悔しい。今年は世界中の人々が手をつないで、なんとか市民レベルでこの流れに掉ささないといけません。
また、日本国内でも、アメリカの進めるこういう不正義の「国際秩序」に対し、もう一つの対抗軸を示していくのではなく、逆にアメリカの忠実なる番犬としてつき従い、アメリカの指定する場所に軍隊の派遣を可能にするための体制が整いつつあります。国内秩序においても「自己責任」という偽りの美名による格差拡大という、まさに文字通り「アメリカのミニチュア」みたいな国家へと、日本が変貌させられつつあります。
しかし良いこともありました。教育基本法の改悪反対運動などに際し、昔の「闘争」なんて知らない、若くて「面白い人達」が、幅広い意味での左派に大量に合流してきたことです。これは最近の一貫した傾向でしたが、特に昨年は顕著でした。彼らを「左翼」と呼ぶのは躊躇せざるを得ないし、本人たちもそんな意識はないと思われます。ただ単純素朴に教育基本法や憲法の改悪、イラク派兵などに反対しているだけです。しかも昔なら絶対に異端扱いされたような、「面白い人」が強い危機意識をもって参加・合流してきています。その上、高校生とか、びっくりするほど若い人が、躊躇なく街頭に飛び出したりしている。これは運動圏にいる多くの人が感じていることではないでしょうか。
11月16日、5000人の国会前ヒューマンチェーン | 12月14日、教基法・強行採決に全世代の怒り爆発 |
時は流れ、「異端は今や正統になった」と、いうほど大袈裟でもないんですが(笑)、たとえばかつて活動家としては異端派であった「面白い人達」が、ネット上ではむしろ主流となって、古巣の党派の公式サイトと同等以上の影響力を持つようになってきたなんてこともあります。たとえばまっぺんさんやアッテンボローさんなどがそうです。
眺めてみると、今もネット上でしぶとく生き残って発言を続けている(元)活動家って、この「左翼としてはちょっとおかしかった」人たちばっかりですよね。オタク文化や萌え文化、サブカルに寛大であったり、自らも造詣が深かったりね、いえ、別にそういうことだけではないんですけど(笑)。考えてみれば「おかしい人」は「面白い人」に通じるのであって、こういう「左翼のくせに面白い人」が一番最初にどんどんいなくなり、組織に残ったのは「ものすごく真面目な人」ばっかりだった、それで今まで左翼には「面白いこと」をやる能力が急速に失われていたということなんでしょう。新旧のこういう人種が大量に左派陣営に復帰、合流しているのは、本当に心強いことです。
こういうことを振り返り、私は2006年は酷いことがいっぱいあったけれども、そして今年もまだまだ酷いことばかりかもしれないけれども、それでも昨年は「希望の年」であったと総括します。こういう流れがどうなっていくかはまだわからない。それが何かの「形」になるためには、ネット上の動きだけでは不充分です。そして何より時代に間に合うかどうかも。しかし今年の私たちは、大雑把ではあれ、確実に方向性をつかんだと思います。あとはとりあえず前進あるのみです。まだ何があるかはわからないけれども。
昨年、確かに教育基本法は改悪されましたけれども、ここで示された民衆パワーの爆発は大きかったと思います。また、今まで無視されてきた本来の教育基本法の内容が、かえって一般に広く周知され、これを改悪した安倍政権の本質が暴露される結果ともなりました。これをどう引き継ぐかが本年の課題です。
乱世2007を共に楽しまん!皆様、今年もどうぞよろしく!
◇謹賀新年(アッテンボローの雑記帳)
◇新年のごあいさつ(つぶやき手帳)
◇迎春-生きてます(なのなの勢力)
◇新しい年に私が目指すこと(壊れる前に…)
◇賀正(闘うリベラルのチャンネル)
◇謹賀新年(どこからどこへ)
◇引越は続く(平熱で闘え!)
◇雑感:正月の伝統料理(P-navi info)
◇多様化・寛容・そしてエシックス(ニャンケのブログ)
◇あけましておめでとうございます2007年(わかめのくのう)
◇2006年の総括と2007年の展望(あるいわき人の叫び)
◇新年に当たって(ブロガー労組)
◇今年こそ 貧乏人は大叛乱を起こすべし(反米嫌日戦線)
◇あけましておめでとうございます(ある国際人権派の雑食系ブログ)
◇年の初めの(緑の森を楽しく歩いた)
◇おめれとう(って、なんで、おめれとうなんでしょう?)(のんきちのバカ日記)
◇あけましておめでとうございます(かめ?)
◇謹賀新年(らんきーぶろぐ)
◇未来を選ぼう(枕元の計算用紙)
◇年のはじめに考える 新しい人間中心主義(PPFV BLOG)
◇年頭の思い(反戦な家づくり)
◇絶望の年になりませんように(今日の出来事)
◇謹賀新年(反戦老年委員会)
※この記事のミラーhttp://hatahata2.seesaa.net/article/30637452.html
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面白い人が伸び伸びとやっていないと窮屈で退屈になりますよね~。昔の(?)左翼がつまらなくなっていたわけがわかった気がします。また、今は新しい流れもでてきているので、面白いことが起こってきそうな気がします。TBをありがとうございました。こちらこそ、よろしくお願いします(それにしても、「雑煮」のエントリにご挨拶してくださるなんて、草加さんも面白い~)
新年明けましておめでとうございます。
先ほどトラックバックしましたが文字化けしてしまいましたので、こちらでのご挨拶とさせていただきます。
今年も壁多き年かも知れませんががんばりましょう。
新年明けましておめでとう。
今年も一層のご活躍を!!!
この後、TBをミラーボールとやらに送ります。どうなることやら。
おめでとうございます。
コメントがうまく投稿できないみたいです(これもテストのつもりです)。つまらないことを書いたので消えてしまったのかもしれませんが。(^^;
ご来訪ありがとうございました。
今年もよろしくお願いします。
遅ればせで申し訳ありませんが、当方にもTBつけていただいてありがとうございました。まあ、その、TBをつけていただいた記事が「昨年」の年頭挨拶であるというところが、当方ヘタレでございますが。今年も記事を書くかどうかわかりませんが、どうかよろしくお願いいたします。
草加さん、来たよーーーーー!!
また来るよーーーーー!!
ゆきさん>
ありがとーーー!!また来てねーーーー!!
って、知らない人が見たら何だと思うだろうな(笑
石井英篤さま>
ここまできたら、2020年くらいまで、あの記事に年頭挨拶つけたいっす(笑
「ああ、今年もこの記事にTBうつ季節になったか」とか・・・。