沖縄県の仲井真知事は、6月5日、辺野古埋立申請書の不備について補正を求めず、手続きをすすめることを決めた。
今回の申請で一番めちゃくちゃと指摘されていたことの一つは、埋め立て土砂の採取場すら不記載だったことだった。
だが補正後もそれは明記されないなど、そもそも手続き的な欠陥がある中で、知事の判断が注目されていたが、結局は何も言えずにそのまま容認である。
たしかに今回は内容については何も言えない、ただの形式審査の権限しかないとは言え、これでは今後の実質的な判断の基準さえもわからない。
次は今月下旬からの告示・縦覧の手続きとなり、利害関係者は誰でも申請書について県に意見を言うことができる。この場合の「利害関係者」の要件は法律に定めはなく、各人の判断にまかされる。
申請書の内容に異議がないのなら、そのまま高みの見物で黙っていればいいのだが、もし日本や沖縄の自然破壊、米軍の再編と基地拡大などについて、あなたが「こんな内容を実施されては困る」と感じるなら、せっかく与えられた機会なのだから積極的に意見を送付し、県に充分な調査や時間をかけた熟考を求めるべきだろう。
そんなことはないと思うが、もし、万が一にも埋め立てを承認するのであれば、辺野古案反対(県外移設)を公約に当選した仲井真知事は、再度選挙で県民に信を問うてから行うべきである。当然であろう。
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辺野古埋め立て 県、申請書の再補正求めず
(琉球新報2013年6月6日)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-207609-storytopic-3.html
県は5日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて沖縄防衛局が5月末に提出した公有水面埋め立て承認申請書の補正書について形式審査を終え、再補正を求めないことを決めた。県が求めた補正が適切に行われていると判断した。準備期間を経て6月下旬にも申請書を公開する告示・縦覧を開始する。
防衛局の埋め立て申請に対し、県は4月中旬、記述不足など33件の補正を同局に要求した。このうち県は埋め立てに使う土砂に関して(1)有害物質の有無の調査(2)採取場所や量、運搬経路の具体化―を指示していた。
有害物質について防衛局は、米軍キャンプ・シュワブ内の採取土の調査結果は添付したが、埋め立ての大半を占める県外からの購入土砂はまだ特定できないとして、購入時点で調査する方針と回答。県は過去も同様な事例があったとして、補正内容を認めた。
採取土は全体量を記し、運搬経路の地図を示した。場所は従来「九州」「瀬戸内海」などと記していたのを市町村名を記載し、地図を添付。県によると従来の埋め立て申請では、市町村内の区名まで記されてきたが、今回は地図で地域が特定できると判断した。
告示・縦覧は3週間、県の本庁舎や北部合同庁舎、名護市役所、同市役所の羽地、久志、屋部、屋我地の各支所で実施。ホームページでも公開する。
縦覧期間中、利害関係者は県に意見を提出できる。県はキャンプ・シュワブ内の埋め立て場所の現地調査や稲嶺進名護市長らの意見聴取も行い、本格的な内容審査へ入る。