いくつものことが同時にどんどん進んでいるために、思い立った時に書くスタイル(しかも遅筆)な私はとうてい追いつけない情勢です。今、ぜひ言及しなければいけないことは3つあると思います。
なによりも世界的に一番大きな事件はもちろん、イスラエルによるガザ人道支援船への武装攻撃と乗員の虐殺事件です。これはもうイスラエルの盟友アメリカでさえも全面的に擁護することが不可能な暴挙。今や各国のイスラエル大使館は抗議の民衆に包囲され、世界各地で抗議でもがまきおこっている。これをまた不処罰ですませることを許してはならない。当事者をのぞく第三者による公平な事件の調査団を早急に派遣し、責任者を刑事処罰しないことには、いくらでも同じことが繰り返されてしまいます。
※調査と責任者の説明責任と封鎖解除を求める請願のネット署名
↑ 公開初日だけで126000筆の署名が集まったそうです。20万人を超えた時点でいったん国連と世界の指導者に送られます。すでに30万人を突破していますが、署名はその後も受付を続けられるようですので、ぜひ、百万、一千万の署名を集めましょう。
二つ目は緊迫の度を増す三里塚(成田)空港の情勢。かつて政府・空港会社はこれまでの強行的な空港建設を全面謝罪し、二本目の滑走路は「話し合いぬきには供用開始しません」という確約をもって、農民に反対運動をやめることを求めました。その「確約と謝罪」を受け入れた農民もいたことから、この政府の態度や農民との「話し合い」をマスコミは全面賛美しました。それまで「反対運動のいきすぎ」みたいな記事を書いて政府に味方しておきながら、一転、「政府の強硬なやり方にこそ問題の根本があった」と、まるで今はじめて気がついたような記事をかいて「和解」を演出しました。ですがそんなことは空港建設の一番最初からわかっていたことです。
ところが実際には、政府・空港会社は、実質的な「話し合い」になんぞ一切応じていないのです。ただ謝罪によって空港建設の正当性が根本から崩壊したことを受けて、言葉使いが丁寧になり、多少低姿勢になっただけのこと。その本質は何も変わっていない。ここにきてそれがまた明らかになってきた。話し合いを前提にするとしていた二本目の滑走路を、「とりあえず暫定滑走路として」供用を開始。そしてこの暫定滑走路になんと3本目の誘導路を建設しようとしている。そのたった700メートルの誘導路にかかる予算がなんと200億円!(茨城空港の建設総予算とほぼ同額)、昨年7月に巨費を投じて供用を開始したばかりの2本目の誘導路は「もう使わない」という計画のデタラメさです。事業仕分けだの、無駄使いの排除というなら、なんでこれが問題にならないのか!
しかもこの3本目の誘導路を作るために、その周辺で有機農法を実践して平穏に暮らしている農民を二人も理由もなく逮捕してまで、計画を強行しようとしています。逮捕するような理由のなかったことは警察の幹部(逮捕した当事者である警備課長)でさえ認めています。そんなデタラメでいい加減なことを許していいのか。逮捕ってそんな簡単なもんじゃないぞ!そしてマスコミ!政府・空港会社がまた昔の野蛮な暴力路線を明確に打ち出したとたん、報道姿勢がまたぞろ昔の警察べったりで公平に報道しない姿勢に戻っているじゃないか。何十年後かにまた「政府の姿勢」を批判していっぱしのジャーナリストを気取るくらいなら、今そう書けよと思う。まさに不正がおこなわれているその時に不正を批判できなくて、何がジャーナリズムかと思う。
3つ目は沖縄普天間基地の撤去問題であり、この公約を違えた鳩山首相の辞任です。辺野古新基地建設を推進しようとしたことを理由として鳩山政権が打倒された。それも選挙をまたずに世論と運動の力によって。これは大きな成果であると思います。「金と政治」の問題を含め、結局は古臭い自民党政治に舞い戻ってしまった鳩山政権が、まさにそれゆえにこそ民衆に打倒された。政権交代に示された民衆と沖縄の怒りを、鳩山政権は元の場所にまで押し戻そうとしましたが、それはかなわず、この政権打倒によってまた民衆の側が押し戻した。
かつて三里塚(成田)空港は、およそ民意というものをまったく斟酌せず、建設利権に目がくらんだ自民党派閥のボス連中の利害と妥協を中心として、二転三転したあげく、まったくの机上の空論として三里塚の地に計画され、そのまま着工が強行されました。それからもうすぐ50年近い歳月が流れようとしているのに、未だに当初計画の半分も完成していないではありませんか。辺野古新基地建設もまた、これだけの時間をかけながら、未だにまったく計画は進んでいません。自民党のボス連中にアメリカを加え、あいもかわらず机の上だけであーだこーだ言ってきただけのことです。
このまま辺野古のサンゴ礁の上に10トンダンプで540数万台の土砂を投げ込み、貴重な干潟をブルドーザーで踏み潰してコンクリートで固めて、今の沖縄に新しい基地をさらに押し付ける。きっとそのために炎天下の沖縄に、重武装した機動隊を全国から1万人規模で動員して張り付けるのでしょう。一日ならできるでしょう。では一ヶ月、一年、十年ではどうか。
三里塚では機動隊のガス銃で射殺された東山薫さんや新山幸男さんをはじめ、何千何万の人々が、殺され、重傷を負わされ、今も後遺症に苦しんでいる人が大勢います。あるいは三ノ宮文男さんや原勲さんのように自殺にまで追い込まれた人もたくさんいます。夜間には機動隊による非合法なリンチが日常的に繰り返されており、時にはマスコミがいない場所では日中からリンチがおこなわれることも多々あった。確かに政府はこういう建設の経緯については謝罪しましたが、口先だけの謝罪ですむことでは絶対にない。成田についてはもう文句なし、たとえ個々にはいろんな人がいたとしても、総体としての政府や機動隊に同情する余地はありません。そしてこれだけ無茶苦茶で、地元の人間の意志というものを徹底的に暴力でふみにじっても(いえ、むしろそうだからこそ)いまだに半分も完成していないのです。いわんや沖縄ではどういうことになるでしょうか。
確かに成田とちがって、沖縄にはそうそう全国から支援に行くことはできません。沖縄の人々だけに闘いをゆだねてしまう局面も多いと思います。にもかかわらず、これだけ巨大な運動になっていることに、私は心から沖縄の人々に敬意を表するものです。そして私たちは沖縄の人々にゆだねてしまうばかりでなく、人としての当然の声を、沖縄に呼応して本土であげていかなくてはと思います。三里塚にせよ辺野古にせよ、もうこんなやり方を許してはいけません。このような暴挙に対しては、徹底的に痛い目をみるのだということを思い知らせなくては、この国は本当にダメになってしまいます。そのためにあといくつ内閣を潰そうとも、絶対に成し遂げましょう。
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緊急の呼びかけ:国会前に集まろう
新政権発足前に訴える――辺野古に基地はいらない!
とき:6月4日(金)18:30~20:00
場所:衆議院第二議員会館前
主催:「沖縄には基地はいらない」全国同時アクションTOKYO
共催: JUCON (Japan-US Citizens for Okinawa Network)
WORLD PEACE NOW
連絡先:ピースボートTEL:03-3363-7561
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鳩山首相が辞任しました。
私たちは懸念しています。
この後に発足する内閣が普天間基地問題について
どのようなスタンスを取るのかということを。
民主党の代表選挙が行われる4日に国会に集まりましょう。
私たちは、今、日本社会全体で確認しておくことが大切だと思います。
鳩山首相は当初の公約を投げ出して辺野古に基地をつくろうとした結果、
世論の支持を失い、辞任に追い込まれたのだということを。
私たちは新政権発足前に政府に訴える必要があります。
新政権は辺野古に基地をつくってはならないということ
鳩山政権が無理やりアメリカとの間で結んだ合意は、
白紙に戻さなければならないということを。
国会前に集まりましょう。
何とか理由をつけて仕事を早めに切り上げ、
学校から直行して。
新政権はどちらに向かうのか、まだわかりません。
私たち市民が政府が向かうべき道を提起しましょう!
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三里塚のことは書きませんでしたが、明日の東京の行動と、イスラエルに抗議するネット署名については拙ブログでも宣伝しました。
鳩山は「打倒」されましたが、これからの闘いが大切です。一発、かまさなければならないですね。
そして、だれが代表になっても、だれが政権をとっても、沖縄に基地をつくる政府は打倒されるんだ!ということを示してやりたいものです。
イスラエルへの抗議のネット署名、昨日してきました。いくらイスラエルに同情的で支持している私でも今度ばかりはかばいようが無いわ。後は日本のイスラエル大使館にはがきを送ります。イスラエルを支持している人間も、今度の事件を怒り、悲しんでいることを伝えることには意味があると思う。