なお、去年の報告記事はこちらね(→「11・1 労働者総決起集会体験記」「画像アルバム」「キモインコ」)
本当は今年はこちらには欠席させていただいて、5日にあった三里塚反対同盟の『東京高裁包囲デモ』に参加させていただくつもりで予定を組んでいました。そのために、5日(金曜)に休みをもらって、かわりに7日(日曜)の休出当番をやるという形で、同僚とシフトを交換してもらったのですが、直前になってやはりそれは無理ということになり、5日には参加できなくなりました。鈴木さんごめんなさい。やはり普通の労働者にあれもこれもはちょっと無理だった。来年の次回公判には必ず行きますからね。
さて、昨年の労働者集会は会場で『勝手連』の仲間と4人も遭遇しましたが、今年は誰とも会いませんでした。かわりに、かめよんさん、泉佐野市議の国賀祥司さんのお二人にお会いして軽く挨拶させていただき、なのなの勢力さんともお会いして、こちらは長時間つもる話をすることができました。
それから今回は、開会前に入り口でビラをまいておられた『市東さんの農地取り上げに反対する会』の方に声をかけていただき、いっしょにビラまきをお手伝いさせていただくことができました(あまり役にはたっていなかったかもしれませんが)。ビラがなくなったところで同会の方から、会場内の反対同盟の席に行こうと誘っていただきまして、昨年はあまりにおそれおおくて断ったのですが、今年は「反対同盟の周りは食べ物が豊富にあるんだよね~」の一言に、「はい!とっても嬉しいです」と二つ返事してしまいました(笑)。席についてから赤飯や炊き込みご飯のおにぎりをいただきました。
実は昨年の集会で食べた、会場入り口前の屋台(量も値段も良心的!)がなぜかなかったんです。相変わらず200人くらいの公安刑事が、特に何をするでもなくぶらぶらとだべりながら溜まっているだけ。冗談半分に「これも弾圧かね?」とか心の中で苦笑していたんですが、後で知ったところによると、本当に「弾圧」で、それも集会に対してではなく、屋台への「弾圧」だった。なんでもAPEC警備のせいで屋台に規制が入って営業できないとか。どうもガスボンベはテロに使えるので、盗られたら大変みたいなことらしい。アホくさって言うか、本当にガスボンベを「テロ」に使いたかったら、誰がわざわざ(しかも都内や横浜の)屋台から盗むかいなという。屋台だけ規制しても糞の役にもたたない。屋台のおじさんやおばさんもいい迷惑です。
近年のこの集会の傾向でもあるみたいですが、今年の集会では去年に増して、何かの党派色はまったくなく、普通に「左の左」に属する人間なら誰でも違和感なく参加できる集会だと思いました。こういうのが年に一回恒例であるのもいいんじゃないかと思います。確かにその分、「ええーっ!」と強烈な印象に残るようなことも少なかったです。また、今では個人的には明確に「反中核派」の立場に立っているような人も参加しているようですし、昨年の関生労組の発言で「意見の違いではなく一致点をさがすという姿勢」の結果として打ち出されたという、「国鉄1047名解雇撤回・労働者派遣法撤廃」のスローガンもそのまんま維持され、今年はそれに加えて「大失業と戦争に突き進む菅政権に怒りの声を」がつけ加えられたというような感じです。以上を簡単に一言で言えば、ちょっと総花的の印象がありました。でもまあ、労働運動での一番大切な課題を最大公約数として掲げつつ、左派総結集の(もしくはそれを目指す)場と考えれば、それはそれで意義があるのではと思いました。
もう一度「中核派話」をしておきますと、これは同派が戦術や策略で一歩引いた方針をとったというよりも、ごく普通に、一党派の主張や色彩を、集まった人たちの中に強烈に貫徹するような影響力なり説得力なりを同派がもはや持ちえてないのではないか、かつ、そのことに彼らが強い危機感を持っているというような感じはなくて、むしろ「それはそれ」でまあいいか的な雰囲気を感じました。別の言い方をすれば、この集会に集まってくる人々の「思い」は、すでに党派の思惑とは別のところで自立して一人歩きしはじめており、もしここに一党派の主張を強力に貫徹しようとすれば、かえって人々は離反して空中分解するのではないか、そのことは中核派もわかっているんだろうと思いました。そういうのはその党派の主張や行動に権威と信頼があり、主張に説得力があれば自然と影響力はあとからついてくるものであって、ゴリ押しで短期的に覇権を確立したところで、長期的には運動は衰退してしまうものなんです。
さて、そんな中でも私の印象に残ったのは、まず最初にやはり三里塚反対同盟の発言。北原事務局長、萩原事務局次長、市東孝雄さん、鈴木謙太郎さんらが壇上に上がられ、代表して萩原さんが発言されました。
次に、現在も大手のスーパーゼネコン各社を相手に勝利的にストライキを貫徹しておられる関生労組からの報告です。関生労組は動労千葉と共に壇上に上がられましたが、その動労千葉の田中委員長が、いつもは良く言えばすごく力強く、別の言い方をすれば悲壮な感じでしたのに、この日は関生労組の発言を聞きながら、とてもにこやかで嬉しそうにも見えたのが印象的でした。
そして最後にあげておきたいのが、去年と同じ感想になってしまいますが、難民認定申請中の各国難民家族の皆さんです。ビルマ、イラン、クルド、スリランカなどからの難民家族の皆さんが登壇されました。今年は去年のような日本の入管当局の難民行政への批判に加え、自国政府による人権侵害と弾圧、そしてそれとの闘い、人権擁護や民主化への支援を強く呼びかけておられたのが印象に残りました。とりわけ在日ビルマ人の皆さんは、この日もミャンマー(ビルマ)大使館前での抗議行動の最中、代表でこの集会にも来てアピールを聞かせていただいたものです。その後のデモも含め、難民申請者の皆さんの命がけの必死さには心を打たれました。
総じて、全体的にはとても良い集会だったと思います。ここに集まってくる人々の真剣な思いや真面目な態度を思えば、あまり「どこそこ派の年間最大イベント」とかレッテル張りするのは私としてはやはり気がとがめます。来年もスケジュールが許せば参加したいと思いました。
集会後は日比谷から銀座を経て常盤橋公園までのデモに出発します。全体を7つの梯団にわけて、先頭出発から最後尾到着まで1時間半の予定という大デモ(参加者は5900人)です。私は反対同盟(+「市東さんの農地取り上げに反対する会」)の皆さんと一緒に、先頭の第一梯団に入れていただきました。主催の呼びかけ4団体に続いて三里塚反対同盟、そのすぐ後ろに「裁判員制度はいらない!大運動」の皆さんですが、その先頭はもちろんキモインコ!さらに続いてビルマやクルドなどの難民の皆さんです。最初はちゃんと隊列ごとに別れて整然と進んでいたのですが、途中から警官隊がしきりとデモを押し付けるものですから混乱してグチャグチャになり、気がつけばいつの間にかキモインコと二人並んでデモしていました(ヒィィィ!)。
この日の警備ですが、まさか昨年の私の感想を読んだからというわけでもないんでしょうが、言葉使いだけはやたらと丁寧で、かつ、デモの梯団がばらけないようにとそればかりに気を使っています。デモの間中、ず~~~~っと、「前の方に詰めてください!」とか、「もう一歩前にお願いします!」とか、あげくに「ほら、ここ、すこし間があいてますよ!詰めてください!」と、なんじゃこりゃと思うくらいに叫び続けていました。別に突き飛ばされたりということはないし、こちらも混乱させるつもりはないんで、言葉使いも丁寧だし、最初のうちこそ少しは協力して詰めていたんですが、あんまりにも詰めろ詰めろと言うもんで、前の人とぶつかりそうになったり、後ろの人の手や足があたったりして、隊列がグチャグチャになってしまいました。そんな状態なのにまだ、「もっと詰めてください!」とか耳元で言われるもんで、だんだんとイライラしてきます。
するとその警官はちょっとだけ顔をこわばらせて黙りこみ、まあ、それもそうだと思ってくれたのか、それからは私の周りの警官はあんまり「詰めろ」とは言わなくなって、ちょっと楽になった。そのかわりに今度は「もうすこし歩道によって下さい」と言うようになったけど。時々、指揮者と思われる警官が、もうぎゅうぎゅうなのに「もっと詰めさせろー!」とか無茶(つか無責任)なことを叫びながら通っていくので、何か言わないといけないらしい。なんか板ばさみっぽくてかわいそうなので、私ももうそれ以上は何も言わなかったけど。
今年も、デモの中で一人の青年労働者が逮捕されたそうです。毎年ノルマみたいに必ず誰か一人を情報収集のために適当に逮捕するのが恒例みたいになっています。悲しい日本の公安さんです。
参加されたすべての皆さん、ご苦労様でした。みんなみんな、明日は(も)幸せでありますように。
◇集会公式サイト
◇すでに彼らは私を超えていた(なのなの勢力)
◇全国労働者総決起集会に世界中から参加(こくがブログ-泉佐野市会議員・国賀祥司)
◇11・7全国労働者総決起集会(すぎなみ未来BOX-杉並区議会議員・北島邦彦)
◇11・7全国労働者総決起集会にたなびく星野救援の旗(沖縄民権の会)
◇全国労働者総決起集会(ミュウタントのブログ)
◇戦争と大恐慌に対決する労働者・学生の国際連帯!11・7集会に5900人!!(3・14法大弾圧を許さない法大生の会)
◇11・7全国労働者集会 5900人の固い国際的団結(週刊『前進』)
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お疲れさまでした。
写真で見たところ、「キモインコ」が昨年よりもグレードアップされてる模様ですね。衣装がちょっと立派になってる。
あのやきそばの屋台がなかったんですか!(あれしか楽しみがないのに...)
>今年の集会では去年に増して、何かの党派色はまったくなく、普通に「左の左」に属する人間なら誰でも違和感なく参加できる集会だと思いました。こういうのが年に一回恒例であるのもいいんじゃないかと思います。
>また、今では個人的には明確に「反中核派」の立場に立っているような人も参加しているようですし
>この集会に集まってくる人々の「思い」は、すでに党派の思惑とは別のところで自立して一人歩きしはじめており、もしここに一党派の主張を強力に貫徹しようとすれば、かえって人々は離反して空中分解するのではないか、そのことは中核派もわかっているんだろうと思いました。
ほー。いい感じになってきましたね。こういうふうにならないかなぁと思っていたのでうれしいです。
キモインコと目を合わせると募金箱を下げてものすごい勢いでヤツが近づいてきますが(こえーー!)、今年は大丈夫でしたか?
昨年と同じようにタクシーで帰っていったのでしょうか。うーむ
お疲れ様でした。
キモインコ初めて知りました。
ていうか裁判員制度いらない大運動とかいうのも初耳でした。
大運動になってないぞ…(笑
私が田舎者だから知らないだけかもしれませんが…。
Yukikoさん>
キモインコではなく「裁判員いらなインコ」(強調)の衣装はそんなには変わっていないようでしたよ。けど、綺麗だったから、新調したか、もしくは洗濯したのかもね。
> こういうふうにならないかなぁと思っていたのでうれしいです
Yukikoさんでなくても、いまどき党が大衆運動に自派の利害や方針を押し付けるなんて、誰が見てもはやりません。
ちょっと前に、中核派が中くらいの規模で分裂(分派の発生)したのですが、その時はまあ、まがりなりにもお互い「円満」に分かれたのね。だからその後も大衆運動の中では両派が同席していました。でも、そのうちに中核派さんは、あちこちで大衆運動を分裂させて、分派組との同席を拒否し、分派組を孤立させる作戦に出た。でも、そのことはすごく評判が悪くて、中核派の支持者からさえ不満が批判が寄せられているみたい。
ことほどさように、もう党が強くて大衆は翻弄されるだけって時代でもないみたい。もちろん党は大衆に方針を提起して、先頭にたって引っ張っていくべきだと思う。大衆に迎合してちゃいけないけど、大衆と党は上下関係ではなく、平等だということを忘れてはいけないと思う。
RRさん>
そこのことは私もよく知らないんですよ。
ただ、全国あちこちの裁判員裁判の公判では、裁判所の前で反対アピールとかしていますから全国的な運動みたいだし、資料なんかもわりとしっかり発行しているようなので、「大運動」かどうかは知りませんが、そこそこ大きな運動なんじゃないかなあ。
ただあれですよ、マスコミにまったくとりあげられてないから。ローカルニュースくらいなら、「反対する団体が抗議する中で云々」程度の表現で、一行くらいは言及するのかもしれませんが。
いくらネットがあるとか言ってみても、マスコミに取り上げられないと、運動してる現場にでも遭遇しない限り、知らない人には存在しないも同然になってしまいます。
このあたりの不満は、最近は右派の人も口にするので、RRさんにもわかってもらえるのではないだろうか?そういうことを言い出したら、右派よりもむしろ左派のほうが、マスコミに対する不満は5万倍くらいあります。そういう不満点に気がつくくらいに、右派の運動が大きくなってきたと言えるのかもしれませんね。