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選挙前談話本配布、門川市長 証人尋問 11日京都地裁
(京都新聞・2010年11月09日)
京都市教育委員会が2008年2月の市長選前、門川大作市長の教育長時代のインタビュー記事などが載った市販本を公費で購入して関係者に配った問題の住民訴訟で、京都地裁は11日午後、門川市長と発行元のPHP研究所元社長の江口克彦参院議員(みんなの党)を証人尋問する予定だ。これまで12回の口頭弁論で、門川氏のインタビューは実際に行われていなかったことが判明した。執筆者は不明なままで、証言が注目される。
■インタビューなし、誰が執筆?
出版や購入が選挙目的か否かが争われている。本は07年12月27日に発行された。出版は当時社長だった江口氏が門川氏に持ちかけたことも訴訟で明らかになった。
原告側は本を「門川氏の実績宣伝」と訴える。理由は▽発行が立候補表明の11日後▽関係者の証言で07年初めに出版の頓挫話があったのに、立候補に合わせて再び出版が動きだした-などを挙げる。江口氏が「門川大作を京都市長にする九人の会」の会長代行だったのも根拠の一つにする。
訴訟記録によると、出版が計画されたのは04年秋。市側は「配布は市教委の広報活動で、選挙とは無関係。立候補前から購入するとの認識があった」と争う。
執筆者などスタッフを明らかにするよう求めた地裁の調査に対し、PHP社は50代のフリーライター=神奈川県在住=が原稿作成者とした。このライターは証人尋問で取材や執筆を否定し、「文章点検はした」と証言した。門川氏のインタビュー記事について市教委は「インタビューは行われなかった。PHP社がそれまでの取材内容をまとめた」と主張する。
証拠資料では、当初の著者は門川氏と市教委幹部職員の2人だった。だが07年11月、市教委側の提案で「PHP研究所編」に変更された。この点を原告側は「公選法などの観点から変更せざるを得なくなった」と指摘する。一方、市側は「2人が著者と予定され、変更されたことは知らない」としている。
【門川氏談話本購入費をめぐる返還訴訟】 市民団体メンバーが門川氏を含む当時の市教委幹部4人に購入費など約200万円の返還を求めている。市教委は門川氏の立候補表明前後、インタビューを収録した「教育再生への挑戦」計1400冊を書店に発注し、PTA関係者や小中学校などに配った。