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議会・選挙・民主主義

違法公金支出訴訟 門川京都市長と江口参院議員(みんなの党)への尋問報告

読者投稿@ゲスト(匿名)さん

転載】京都地裁、門川市長の尋問報告「チョイさんの日記」より

 11日午後、京都地裁大法廷で、門川市長と江口克彦氏(当時PHP研究所社長・現参議院議員)の尋問が行われました。傍聴券は先着順で75枚、すぐにいっぱいになり、遅れて来られたかなりの方が法廷に入れなかったようです。

◆門川京都市長への尋問

 午後1時半、まず門川市長の尋問から始まりました。
 京都市の代理人・南部弁護士の主尋問の後、原告側から出口弁護士、中村弁護士、大河原弁護士、そして最後に私も短時間ですが、原告として反対尋問を行いました。

 門川は、結局、「何も知らなかった、本の配布は市教委の広報活動で、選挙とは関係がない。」としか言わなかったのですが、ほぼ2時間の尋問で、いろいろ面白い事実が出てきました。

 まず、門川の市長選立候補に至る経過が、かなり明らかになりました。桝本前市長の退陣表明の後、門川は、各方面からの出馬の打診に対して、「与党3会派そろっての出馬要請でなければ、出馬を検討しない。」と3党に要求していたと認めました。当時、彼は現職の教育長という立場にありながら、議会や各政党と出馬への協議をすすめ、3党一致して自分を推薦せよと露骨な工作をしていたのです。

 また、「全国の教育長を代表して安倍内閣の教育再生会議の委員として忙しかった。」、「京都の教育改革が全国から評価されていた。」などと自慢話については饒舌なのですが、問題になっている本のことになると、ほとんど、「知らない」「一つひとつのことについて、教育長が知っているわけではない」「記憶にない」と、逃げの一手に終始しました。

 この本の購入・配布についても、「自分は指示していない」と責任を回避するばかりです。前回の口頭弁論で証言した当時の市教委の担当者が、門川も出席していた部長級以上の市教委職員が集まる「幹部会」で、生田が報告して本件書籍の購入配布が決定し、門川もそれを承諾していたと認めているではないかと追及されても、「生田の報告は記憶にない。自分は入り口の近くに座っていて、しょっちょう出たり入ったりしていたので、そのときの幹部会の全てを知らない。」と答弁し、傍聴席の失笑を買う始末です。

 また、福西(市教委の当時の担当者)が見せたという江口との会談メモについても、被告準備書面では「門川も閲覧している。」と認めているのに、門川が「よほど重要なものでない限りは、目を通しても記憶に残らない。」と答えたのには、本当にあきれました。こんな無責任な男が、教育長から市長になったのですから、もう、恥ずかしい限りです。

 そして最後に私が尋問。「やっと直接、お話する機会が持てて喜んでいます。」と挨拶する。「心の教育」はいらない!市民会議として、いったい何度、教育長との話し合いを申し入れただろう。しかし、彼は、いっさい姿を見せず、ほとんどを担当の係長に対応させるだけだった。いくつもの住民訴訟を提訴してきたが、やっと、今日、門川への尋問が実現したのだ。

 私が尋問したのは、やはり市長選の直前に、市教委が市立の小・中学校の児童生徒10万5千人の保護者向けに、門川教育長の挨拶文を掲載した「家庭教育新聞」号外を配布した事実についてでした。これも露骨な選挙運動ですが、新聞報道によると、当初は12月初めに配る予定だったのが、門川の立候補の動きを受けて作り直し(門川の名前を消して、単に「前教育長」とし、さらに門川の写真も外した)て配布したというのです。

 それでも、選挙前の配布は適切ではなかったと各新聞等で批判を浴び、市教委の課長らも、「告示前に配布したのは、配慮が足りなかった。」「誤解を与えたことは反省している。」などと、コメントを出さざるを得なかったのです。

 昨日の法廷では、私は、12月初めなら、まだ門川が在職中でしたから、「家庭教育新聞」の配布・作りなおしの経過を門川に尋ねたのですが、彼は、これについても「知らない」というのみです。また、課長らが謝罪したことについても「知らない」と逃げるだけでした。

 そもそも、門川が知らなかったはずはありませんが、「家庭教育新聞」については、門川の名前や写真を消して配布したこと、さらにそれでも批判を浴びると、課長らが「配慮が足りなかった」「反省している」と謝罪せざるを得なかったことは、本件書籍配布についても、市教委は、その違法性を認識していたことを示しているでしょう。

(ただ、私の門川への尋問は、時間がなく、大急ぎの尋問となってしまったため、中途半端なものに終わってしまいました。本当は、もう一つ、どうしても門川に突きつけたかった質問(支出負担行為書の日付の虚偽記載問題)があったのですが、それが出来ず、今も、悔いが残っています。)

 このように、門川に対して、たっぷり2時間の尋問が続きました。特に後半になってくると、門川は声も小さくなり、中村弁護士が尋問の冒頭、「お久しぶりです。」といって、傍聴席が笑いにつつまれたときも、門川の青ざめた顔の表情は硬いままで変わりませんでした。

◆江口参院議員への尋問

 続いて、この本を出版したPHP研究所の社長だった江口克彦氏(現参議院議員・みんなの党)の尋問に移りました。
 この江口氏の尋問は、実にけっさくなものでした。(担当は中村弁護士と塩見弁護士) 

 彼は、最初は、「今日は時間がいっぱいあるから、私は何でもお話しますよ。何でも聞いてください。」と、一見、余裕があるかのような態度でした。しかし、続いて尋問した塩見弁護士さん(丸刈りの弁護士さん)が、核心に触れる質問をすると、「君は、弁護士ですか?」と食ってかかり、さらに、「あなたは…」と質問されると、「あなたとは、なんだ!」と逆上してしまったのです。

 さすがに、裁判長から、「ここでは、『あなた』でいいのです。」と諭され、しぶしぶ黙りこんだのですが、後半はもうすっかり態度が変わって、京都市側の南部弁護士の質問に対しても、もうまるで喧嘩腰の態度をとるなど、実に見苦しいものでした。
 なるほど、政治家になるとこんなに横柄で傍若無人な人間になってしまうのか、というよりは、こういうタイプの人間でないと政治家になれないのだなと、よく分かりました。

 江口の尋問では、やはり、本件書籍については、当初、門川と生田を著者として企画が始まったことが確認されました。この点については、被告は今も否定し、門川も否定する証言をしたのですが、それが虚偽であることがはっきりしたのです。

 また、本件書籍は、PHP研究所が直接京都市に納品したにもかかわらず、書類上、10ほどの書店から、各100~300冊に分けて購入したかのような操作が行われました。江口は、「ランキングのベストセラーに載せるため」だと認めたのですが、「京都市が直接購入していたら 2割引だった。」というのですから、京都市は、その分、公金を損失したことになります。

 弁護士さんに追及されると、「2割を損したのではない。京都の書店も京都の市民だから、京都市民に還元したことになる。」と答弁し、傍聴席の失笑を買いました。

 こうして2人の尋問が終わりました。我々からは、さらに事実を解明するために、PHP研究所と市教委の実務担当者をそれぞれ2人ずつ証人申請しました。
 その採否は、12月21日(火)の第14回口頭弁論で決定されます。ぜひ、傍聴においでください。

 この住民訴訟も、ヤマバを超えました。
 ともかく、現職市長と国会議員を法廷に呼び出した裁判長の判断に敬意を表したいと思います。

 傍聴においでいただいた大勢の皆さん、ありがとうございました。そして、満員のため入れなかった皆さん、申しわけありませんでした。

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