投稿者: 司 宮二
秘密法案、今国会を断念
=「知る権利侵害」批判受け-政府・民主
(時事通信2012/03/19)
政府・民主党は19日、国家機密を漏えいした公務員らに対する罰則強化を柱とする秘密保全法案の今国会提出を見送る方針を固めた。与野党や言論・法曹界が「国民の知る権利が侵害される」と強く反対。これに加え、法制化を提言した政府の有識者会議の発言メモ破棄も判明し、手続きが不透明との指摘も出ていることから、仕切り直しが必要と判断した。
同法案の今国会提出について、民主党国対幹部は19日、「難しい」と言明。法案の事前審査に当たる党の政策調査会関係者も「見通しが立たない。党内議論も十分な時間を要する」と述べた。
(中略)
政府は昨年10月、「情報保全に関する検討委員会」(委員長・藤村長官)で、秘密保全法案を今国会に提出する方針を確認、法案化に着手した。これに対し、日本新聞協会は昨年11月、「国民の『知る権利』や取材・報道の自由を阻害しかねない」と法制化に反対する意見書をまとめ、藤村長官に提出。日本弁護士連合会も22日に都内で反対集会を開き、民主党の辻恵衆院議員ら複数の議員が参加を予定している。
また、政府の「秘密保全法制の在り方に関する有識者会議」が議事録を作成せず、出席者の発言メモも事務局である内閣情報調査室が破棄していたことが発覚。社民党の福島瑞穂党首は「公文書管理法に反する可能性もあり、法制定を進めることは許されない」と批判していた。