投稿者: 司 宮二
オランド氏、仏大統領に サルコジ氏破る 17年ぶり左派政権
(東京2012年5月7日)
フランス大統領選は6日、決選投票が実施され、即日開票の結果、社会党のフランソワ・オランド前第一書記(57)が、二期目を目指した保守系与党・国民運動連合のニコラ・サルコジ大統領(57)を破り当選を決めた。1958年の第五共和制発足後、社会党の大統領はミッテラン氏以来、17年ぶり二人目。現職大統領が敗れるのは31年ぶりとなった。任期は2017年までの5年間。
欧州債務危機の下、失業対策や経済政策が争点となり、オランド氏は、公務員の増員や富裕層への課税強化などを打ち出した。サルコジ氏はドイツのメルケル首相とともに危機克服に向け、欧州で主導的な役割を果たしたが、国内経済の低迷が厳しく判断された。
昨年から、危機に見舞われたギリシャ、イタリア、スペインで政権が次々に交代した流れは、大国フランスでも止まらなかった。
(中略)開票率91%でオランド氏は51.6%を得票し、サルコジ氏は48.4%だった。投票率は81%に達した。(後略)
仏大統領選、オランド氏勝利 緊縮以外の選択示唆
(日経2012/5/7)
(前略)欧州債務危機が続く中で、オランド氏は財政規律だけを重視する傾向に疑問を呈し、欧州連合(EU)の財政規律を強化する新条約見直しや欧州中央銀行(ECB)の役割変更を提唱、成長や雇用を重んじるよう訴えた。6日夜には「財政緊縮だけが選択肢ではない。欧州の成長・雇用を促進する」と述べた。
アフガニスタンの仏軍駐留を2012年内に撤退するとも公約しており、欧州や世界との関係が注目される。内政では、高止まりする失業率改善や生活向上に重きを置き、ガソリンなど燃料価格の3カ月間凍結や教育分野で6万人を雇用するなどの政策を主張。こうした政策が国民の支持を得た半面、財政出動色が強い公約が少なくない。(後略)
選挙期間中のオランド氏の発言
(村野瀬玲奈の秘書課広報室より)
▼これから始まる闘いの中で、何が私の真の敵かということです。私の敵には名前がありません。顔もありません。政党もありません。立候補することも決してありません。代議士として当選することもありません。しかし、私の敵は確かにこの世を支配しているのです。その敵とは、金融の世界です。(2012年1月22日)
▼平等のために私たちは行動しなければなりません。なぜなら、10年来、平等はあらゆるところで後退しているからです。…1パーセントの特権的フランス人は、社会のそれ以外の部分から離れています。…私はこれらの特権の終焉の大統領になります。なぜなら、この時期の間、限りなく裕福になる者がいるかたわらで非正規雇用が広がり、貧困がすすみ、800万人の人々が貧困ライン以下の生活をしていることを認めることができないからです。その貧困者にはあまりにも多くの子どもたちもいます。(2012年1月22日)
▼正義のフランス。そこでは、カネは本来あるべき場所、つまり、主人ではなくて下僕の地位に戻されるでしょう。(2012年1月22日)
▼私は、私が自分の国について持っている意思をヨーロッパへのそれと切り離すことはありませんし、社会主義者として、左派の者として持っている私の理想をヨーロッパから切り離すことはそれ以上にありえません。…私は、現職大統領(サルコジ)とその首相および政府によって署名されている欧州協約の再交渉を行ないます。(2012年4月25日)