衝突を伝えるニュース報道↑
去る5月20日、北大西洋条約機構(NATO)サミットが開かれている米シカゴでは、NATOが主導するアフガニスタンの国際治安支援部隊(ISAF)の駐留に反対する市民約3000人(警察発表)が、首脳会議の会場前までのデモ行進を行いました。ところが、警官隊(機動隊)がほとんどのデモ隊の会場への接近を阻止してこれと衝突。報道によると逮捕者は60人を超え、多数のけが人も出たようです。
日本ではほとんど小さくしか報道されないことが常ですが、イラク戦争以来、拡大してきたアメリカの反戦ムーブメント。その後、「We are the 99%」をスローガンにした「Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)運動」が登場したわけですが、その二つの潮流の合流もみられるようになってきているそうです。今回はそれを象徴する行動ともなりました。
弾圧の現場を鳥瞰する動画↑
デモにはアフガン問題のほか、地球温暖化防止や労働者の権利向上を訴えるグループなど、様々な主張の市民が参加。駆け付けたシカゴ在住のジョン・ビーチャムさん(44)は「米国とNATOのアフガニスタンからの即時撤退、イラン、シリアへの不干渉、雇用と教育への資金活用を要求するためにここへ来た」と胸にたまった思いを吐き出しました。
また、50名以上のイラク戦争退役軍人らが「メダルを返却する」集会を開催。スピーチで、氏名、出身地、過去の軍隊所属名を明らかにした上で軍の受賞メダルをNATOサミット会場の方向に投げ捨てました。メダルは国の為に戦った誇りとしての象徴のはずですが、彼等はそのメダルは「嘘の象徴だ」として、怒った表情でメダルを叩きつけたのです。
オバマ大統領の首席補佐官だったエマニュエル・シカゴ市長は、これらの抗議行動を前にして、政権の威信を賭けた重弾圧体制を敷き、およそ考えられない以下のような弾圧が次々と行われました。つか、アメリカのデモ隊は、日本のデモ隊がそうしたように、自衛のためのヘルメットをかぶったほうがいいと思う。でないと60年安保の樺美智子さんみたいに死人がでるぞ。
別のデモ隊も機動隊に警棒で乱打される↓
一人を取り囲んで意識をなくすまで滅多打ちにする↓
(幸い一命はとりとめたそうだ)
パトカーが故意にデモ隊に突っ込んでそのまま逃走する↓
<デモと弾圧の写真>
<参考リンク>
◇NATOサミットのデモで、メダルを投げ捨てた米退役軍人ら(議論百出)
◇オキュパイ・アメリカ?-NATO サミットに抗議するアメリカ人たち(国際関係学逍遥)
◇シカゴNATO首脳会議で「平和を願うアフガニスタン人」と米軍帰還兵が反戦デモ(Democracy Now!)
◇シカゴでNATO首脳会議に抗議行動(もうすぐ北風が強くなる)
◇NATO史上最大のサミット シカゴで(ボイスオブロシア)