2月11日は「信教の自由を守る日」です
かつて、2月11日は「紀元節」と呼ばれていました。これは戦前の明治憲法体制下の1873年、日本国が成立した日として、この日が祝日に定められたものです。
ただしそれは何かの歴史的な出来事に由来するものではなく、国家神道の神話に基づいたものでした。正確には奈良時代の『日本書紀』に記されていた、日本の初代天皇(神武)が即位したとされる日を当てただけの、非常に宗教的でかつ天皇主義的なイデオロギーに基づいたものです。それを祝うことが、あらゆる思想信条や信仰をもつ人々、あらゆる民族に強要されたのです。
もちろんそんな祝日は、第二次世界大戦後の民主化のなかで一旦は廃止されました。ところがその後も天皇主義勢力は根絶されることなく、そのような勢力の動きにより、”建国記念日”を制定する法案が幾度となく提出され、何度も退けられたものの、1966年、最終的に紀元節を「建国記念の日」として復活させてしまったのです。
戦前から戦中、天皇制によって信仰が弾圧されてきた宗教界、とりわけキリスト教界はその痛苦な歴史を踏まえ、カトリックやプロテスタントなどの垣根を超えた諸教会が一致して、この日を「信教の自由を守る日」としました。
いまでも毎年2月11日には、日本国憲法によって保証されている「思想・良心の自由」「信教の自由」が守られるよう、日本各地で催しや祈り、集会などが開催されています。