ブラジルの女たちは立ち上がる―「極右の大統領候補はイヤ!」
#MeToo運動から#EleNao(彼はイヤ!)運動へ
いのちが溢れていた。/美しかった。
Ele nao!(彼はイヤ!)を合言葉に女性たちが集結した全国同時多発大規模デモ Mulheres Unidas Contra Bolsonaro(ボウソナロに反対する女性たちの連帯)。
リオでは都心のシネランジア広場とその周囲を埋め尽くして何万人もの人々が集まった。そして大通りを行進して、最終地のキンゼ広場ではステージの上で様々なアピールや劇や音楽が披露されていた。多種多様になされたデモの呼びかけのひとつに、こんな一文を見かけた。「ファシズムは自由を奪い世界を暗黒へ追いやる。だから私たちはそれに抵抗して、音楽を奏で、唄おう、笑おう、踊ろう!」 いのちが溢れていた。美しかった。胸がいっぱい。
<下郷さとみさんのFaceBookより/写真も>
10月7日、ブラジル大統領選が実施されましたが、どの候補も得票の過半数には至らず、首位の極右候補・ボウソナロ(社会自由党)と、次点の左派候補・アダジ(労働者党)との間で同月28日に決戦投票が行われることになりました。
ボウソナロ候補は、女性やマイノリティに対する差別発言や人権と自由を否定する言動を繰り返すとともに、軍政時代のような強権と武力による統治を礼賛する政治理念を公表しています。ポピュリズムを追い風に伸びるボウソナロ人気に対して、「ファシズムの再来では」と危機感を抱いた女性たちの間から#Ele Nao運動(彼はイヤ!)が巻き起こりました。
ジャーナリストの下郷さんは、8月半ばから2ヶ月間に渡りブラジルでアマゾン先住民族コミュニティ、そしてリオのファベーラ(=スラム)などを取材してきました。「9月29日は歴史に刻まれるべき一日だった」と語る下郷さんの話を、現地撮影の画像・映像を見ながら伺います。
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[報告] 下郷さとみさん(ジャーナリスト)