中央アメリカにあるコスタリカは、軍隊がない国として有名です。1980年代、隣国のニカラグア、エルサルバドル、グアテマラで悲惨な内戦が行われていた時、仲介者として戦争終結に奔走しました。
しかし2003年にアメリカがイラク戦争を起こした時、コスタリカ政府はこの戦争を支持しました。
これに対して一人の大学生が「証拠がないのに大量破壊兵器があると決めつけてイラクに攻め込んだアメリカを支持する政府の行為は、憲法違反だ」と提訴しました。イラク戦争を支持した政府を個人が訴えるという裁判は、世界中から注目されました。
結果は大学生の勝利でした。裁判所はイラク戦争支持は憲法違反であるとの判決を下しました。これにより、コスタリカ政府はイラク戦争支持を取り消しました。この歴史的な判決を勝ち取ったロベルト・サモラさんは今、弁護士として働いています。
そのサモラさんが、6月10日、山口市で講演会を開きます。コスタリカの事情を知ることで、憲法9条の真価と活かし方を考えます。ぜひご参加下さい。
2019年6月8日から14日までコスタリカのロベルト・サモラ弁護士を招き、各地で集会を行います。
戦争に巻き込まれる可能性をはらんだ安保法制法を強行採決で成立させ、軍備を増強させている政権に不安を感じながらも、ほかに選択肢がないとどこかであきらめている人が多い今、私たちは、やっぱり、戦争などない平和な国、誠実に、公平に生きる優しい国でありたい。
そのために自分が主権者として頑張ろうと思える希望と勇気がほしい。
そんな思いで、参議院選挙前、憲法改正の危険もいわれるこの時期に中米の「軍隊をすてた国」コスタリカからロベルト・サモラさんをお呼びすることにしました。
コスタリカも、もちろんいいことばかりではありません。
でも、武力で外交を行わず、交渉による積極的な平和外交をすすめています。
子どもたちを主権者にするために民主主義について指導し、国を挙げて子ども模擬選挙を実施し、GDPの8%を教育費にまわすと憲法に書込んでいます(2015年に6%から8%に上昇させました)。
国会議員の40%を別の性の議員とする法律を作り、連続再選禁止としています。
1989年には、国民が自分の権利侵害を訴えられる憲法裁判所を設けました。
自然を守るために国は開発された土地を買い戻して自然を甦らせ、自然エネルギーほぼ100%を実現し、CO2の排出規制目標にも邁進しています。
そんなコスタリカの姿に学びながら、私たちの道を取り戻したいです。