集団的自衛権行使(安保法制)によって憲法9条をないがしろにし、戦争の準備を始めた安倍政権は、いま沖縄の辺野古、高江で米軍基地、ヘリパットを建設、さらに宮古島、石垣島、与那国島、奄美大島では自衛隊基地建設と自衛隊配備を強行しています。改憲を先取りするものです。
それらは、住民に十分な説明がされていないばかりか、工事や配備の実態はほとんど隠されたまま進められています。それを知らせようとする行為に対しても弾圧が行われています。
そうした南西諸島の今の実情を捉えた二つの映画を見て、実質改憲に向かっているこの政権をどのように拒んでいったら良いか考えたいと思います。
憲法を考える映画の会は、この4月末に「憲法映画祭2019」として第50回目の上映会を行いました。そしてこの後、どのようにこの「映画の会」を続けていくか、考えました。これから先、半年間、一年間の中で私たちが取り組んでいくべきことは、やはり「改憲をさせないこと」とくに「安倍政権の手によって、改憲案を国会に提出させない」ように力をそこに絞り込んでいこうと考えました。
今回は、安保法制を強行した安倍政権が、その「戦争できる国づくり」の中でどのような改憲を先取りした防衛政策を既に実行しているか、とくに沖縄南西諸島において米軍基地、自衛隊基地の建設と自衛隊配備を強行しているのかを見ていきます。
あわせて今の自衛隊、防衛政策の様々な面での問題を考えていきたいと考えます。それらは安倍首相の「加憲」によって、自衛隊が軍隊になることで、さらに戦争する国の危険を増していくものと思われます。
映画『沖縄から叫ぶ 戦争の時代』は、2018年2月の名護市長選挙から2018年9月の沖縄知事選までの沖縄の政治状況と市民の思いをとらえたドキュメンタリーです。
同時に宮古島、石垣島、与那国島、そして奄美大島での自衛隊(ミサイル)基地建設と配備に反対する市民の姿を描き、迫っている「戦争の時代」の危険を訴えています。そして市民の私たちは、これから何をしていったら良いかを問いかけている映画です。さらに、この映画を制作された湯本雅典さんから「今年に入ってからの沖縄の新しい動きをとらえた映像があるので、映画の後、それらを見てもらいながら、いまの動きについてお話ししましょう」というお話をいただいています。
映画『宮古島からのSOS』では、まず、集落の聖地である「御獄(うたき)」と呼ばれる森を壊して建設される陸上自衛隊のミサイル基地とそれに反対する住民の姿が描かれています。
沖縄戦の記憶から島民たちが戦争にどのような思いをしているか、自衛隊配備を見つめているか、さらにこの一連の「南西諸島防衛強化」の軍事政策が何を目的に、どのような危険をはらんだものかを解き明かしていきます。
私たちはこの二つの映画を見て、沖縄だけでなく全国的に強行されている防衛政策、自衛隊のいまの問題点を洗い出して行きたいと思います。
それらが改憲の準備や先取りであることを見据え、これからの自分たちの行動を考えていきます。