私たちは年に2回の全国集会を催して心神喪失者等医療観察法とそれにまつわる様々な問題について取り上げてきました。医療観察法が施行されて以来、全国集会での報告と議論を通じて認識を深め息の長い運動を継続してきました。
今回は心神喪失者等医療観察法参与員として医療観察法の審判に直接関わってこられた経験のある加藤房子さんを講師としてお招きし、医療観察法について思っていること、感じていることそして現状の問題点などを率直に語っていただこうと思います。
「地域移行・地域定着支援などの精神障害者施策の推進」に使われるはずの214億円の予算の大半が、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に関する医療提供体制の整備の推進」に使われています(189億)。既に医療観察法病棟は当初予定の720床を大きく上回っているのに、北海道で医療観察法病棟が刑務所敷地内に新設されることになりました。そして極端に医療観察法に偏った予算配分の中で地域移行は遅々として進んでいない現状があります。
その医療観察法で現実に何がどのように行われているのか、問題があるとしたらどんなところなのかを含め、今一度心神喪失者等医療観察法の実態を知り考えるために企画しました。