第66回ベルリン国際映画祭金熊賞(グランプリ)受賞
第89回アカデミー賞外国語映画賞イタリア代表
ランペドゥーサ島――アフリカ大陸にもっとも近いイタリア最南端の小さな島。12歳の少年サムエレが生まれたこの島には、彼が知らないもうひとつの顔がある。それは、アフリカや中東から命がけで地中海をわたり、ヨーロッパを目指す多くの難民・移民の玄関口としての顔―。
今、世界中で紛争や迫害によって国を追われた難民や国内避難民の数は7,000万人を超え、過去最多となりました。このうち難民が2,590万人、難民の2人に1人が18歳未満の子どもです。
日本に目を向けると、2018年に日本で難民認定申請をした人は10,493人、難民として認定されたのは42人です。日本の難民認定者数は、極端に少ないのが現状です。
本作品は、命がけで地中海を渡って欧州を目指すアフリカや中東からの難民たちと、難民たちの玄関口である島の人たちの日常を綴っています。緊迫する難民救助の様子と対照的な島民の暮らしが並行して描かれ、主人公の少年も難民と出会うことはありません。
難民危機の最前線ですら、間近にある難民の死と自分たちの日常が切り離されている—そうした現状を突きつける、衝撃のドキュメンタリーです。
トークには、日本の難民支援の現場で活躍されている、赤阪むつみさん(難民支援協会)をお招きします。また、当日会場では、紛争地の様子や、命からがら母国を逃れ、難民キャンプで生活せざるを得ない難民の人たちの状況をVRで体験できるコーナーも設置。その他にも、難民のパネル展示や署名活動なども行います。
多くの方のご参加をお待ちしています。
トークゲスト:赤阪むつみさん
日本国際ボランティアセンター、ラオス事務所でコミュニティフォーレスト保全活動に4年あまり従事。帰国後、育児をしながら、教師をしながらシュタイナー学校の学校作りに関わる。2014年から難民支援協会の定住支援部コミュニティ事業での単身女性やシングルマザー支援を主に担当を経て、現在は渉外チームマネージャー、2018年からは難民研究フォーラム事務局長も兼務している。