【緊急開催】オンラインオープン講座
COVID-19時代を生きる―グローバル・クライシスと市民社会
新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大は、健康への脅威だけでなく、経済そして雇用や生活、生業への打撃となっています。
一方、COVID19は、これまでの経済や社会のあり方の問題を明確に映し出しています。感染リスクにさらされ、あるいは支援から排除されるのは貧困層や社会的に周辺化された人々です。途上国では医薬品や清潔な水へのアクセスすら不十分な中でパンデミックに対応していかなければなりません。
新自由主義のもと各国で医療などの公共サービスが縮小・民営化されてきたことも感染をさらに拡大させてきました。その他、食料、教育、人権、市民社会スペース、民主的な統治など、多くの課題がCOVID19の拡大とともに顕在化しています。
これらを多くの方々と共有し、意見交換するためにPARCはオンラインオープン講座を開催します。毎回、様々なテーマ、視点で企画していきますので、ぜひご参加ください。
●各回とも、単発の講座となりますので各回にお申込ください
(連続講座ではありません)
●参加費:無料
(先着順、定員400名、複数機器による接続は極力ご遠慮ください)
●使用システム:オンラインミーティングツール「Zoom」
https://zoom.us/jp-jp/meetings.html
※Zoomの使用にあたっては、パスワード・待機室機能などを使い、プライバシーと安全性に配慮して行います
●下記、お申し込みフォームよりPARC事務局へお申し込みください。オンライン講座へのアクセス方法を開催の二日前までにお申込者にお知らせいたします。
それ以降のお申し込みの場合はアクセス方法のご案内が講座開始直前になる場合がありますのであらかじめご了承ください。なお、各回とも開始時間の2時間前で申し込み受付を締め切らせていただきます。お早めにお申し込みくださいますようお願いいたします。
■申し込みフォーム:http://www.parc-jp.org/guidance/form06.html
【5月29日(金)】19:30~21:00
藤原辰史(京都大学人文科学研究所准教授)
中山智香子(東京外国語大学教授/PARC理事)
内田聖子(PARC共同代表)
COVID-19の感染拡大を受け、多くの人が「元の生活や社会には戻れない」と感じ、復興・再開に向けた希望をどこに見出すのかを思案しています。
政府のいう「経済のV字回復」や、世界各所で起こる「ショック・ドクトリン」、さらには「国家」の役割を全面的に強調するナショナリズム――それらは既存の経済・社会体制や秩序への回帰にすぎないばかりか、さらなる分断と民主主義の後退をもたらす危険もあります。
COVID-19が映し出した多くの問題を直視し、誰もが尊厳を持ち安心して生きられる世界を足元から構想していくためには何が必要か。
この回では、パンデミックの歴史から現在のCOVID-19をめぐる事象を検証する気鋭の研究者・藤原辰史さんと、経済史の中で新自由主義の源流を鋭く分析されてきた中山智香子さん、PARCの内田聖子が、目指すべき未来の姿とそこへ向かう方途について議論します。
発言者の著書
動画アーカイブ→https://youtu.be/Bhj1Mde–4g
【5月1日】19:00~20:30
鈴木宣弘(東京大学教授)/【発表資料PDF】
内田聖子(PARC共同代表)/【発表資料PDF】
COVID-19の感染拡大によってグローバルな貿易システムは混乱しています。
食料については、自国の食料確保のため輸出規制をする国がある一方、人の移動が制限されたため先進国の農業は外国人労働者がおらず苦境となっています。
WTOやG20は各国に輸出禁止を控えるよう要請し、そればかりかこの機にさらに自由貿易を進めるよう呼び掛けています。
こうした「ショック・ドクトリン」的な言説を徹底批判します。
日本でもCOVID19の影響で農家・畜産家は苦しい状況ですが、それ以前にTPPや日EU経済連携協定、日米貿易協定によって農家は大打撃を受けています。
この状況からどうやって転換していくかを議論します。
日米貿易協定の第2ラウンドの動きやRCEP、WTOなど貿易交渉の最新情報もお伝えします。
発言者の著書
動画アーカイブ→https://youtu.be/sN8xGpxVC5g
【5月6日(水)】14:00~15:30
白石 孝(日韓市民交流を進める希望連帯 代表/PARC理事)
/【発表資料PDF】
姜 乃榮(カン・ネヨン)(地域ファシリテーター/慶熙大學フマニタスカレッジ 講師)
/【発表資料PDF】
韓国ではCOVID19に対して徹底した検査を含む早期の防疫措置をとり、現在の感染者数は激減。欧米諸国、日本と比べてもその成果は際立っています。
政府の措置に連動して自治体や市民団体、地域コミュニティはどのような取り組みを行ってきたのでしょうか。
ソウル市では市行政と市民団体が「コロナ対策市民会議」を組織し、定期的に住民の要望や提案を共有・議論している他、貧困層への支援や医療従事者へのサポートも住民主体で行われています。
この回は、ソウル在住の市民運動家のカンネヨンさんに最新情報をうかがいます。またソウル市のパク・ウォンスン市長との親交も深い白石孝さんも交えて議論します。
日韓:居住貧困実践交流シンポジウム ――女性の居住貧困問題を中心に(宇都宮けんじブログ)
発言者の著書
【5月12日(火)】19:00~20:30
波多江秀枝(FoE Japan)
田中 滋(PARC事務局長/理事)
COVID19の拡散を防止する名目で世界各国で厳格な行動制限がかけられています。フィリピンでは広域で「Enhanced Community Quarantine(強化されたコミュニティ隔離)」措置が取られ、市民の行動は極めて制限されています。
そんな中、かねてより強権的な行動が目立っていたドゥテルテ政権は市民社会への攻勢を強めています。警察による環境活動家や、食糧配給など人道支援活動家の不当逮捕、暴行に加えてコロナ拡散防止の名目で殺害されるケースも報告されています。
パンデミックと強権的な政府が結びつくことで、何が起きているのか?現地からの情報をお伝えします。
「銃とブルドーザー」に抗う人びととともに−波多江秀枝インタビュー(FoE Japan)
発言者の著書
【5月22日(金)】19:00~20:30
下郷さとみ(ジャーナリスト)
稲場雅紀(アフリカ日本協議会 国際保健ディレクター/PARC理事)
中国から欧州、米国へと広がったCOVID-19は、その後ブラジルやアフリカなど途上国、新興国へも影響を及ぼしています。
ブラジルではスラムの貧困層がハイリスクにさらされる中、これまでの民衆運動の経験を背景に、野党連合が貧困層救済のための緊急ベーシックインカム法を成立させました。
一方、飢餓や感染症、紛争などそもそも困難な状況にあるアフリカ諸国では、COVID-19の対策が引き起こす食料危機や生計崩壊が懸念されます。
先進国とは異なるこれらの状況から、命の格差の問題、グローバル・ヘルスの必要性、そして各国における民主主義について考えます。
発言者の著書