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映画講座-シオニズムとパレスチナ-シネマハウス大塚/大塚

シネマハウス大塚特別企画
『四方田犬彦連続映画講座-シオニズムとパレスチナ-』

貴重な体験をお約束する特別企画。映画誌・比較文学研究家 四方田犬彦のとっておきの映画講座。

2004年、イスラエル・テルアヴィヴ大学に客員教授として赴任した四方田は、現地のスピルバーグ・ユダヤフィルム・アーカイヴなどで、数多くのイスラエル映画、パレスチナ映画を研究した。その豊富な映像体験を元に、音と映像をめぐる考察、その研究成果を問う。

シオニズムとは何か、それを映画はどのように表現してきたか。また、シオニストに対抗するパレスチナの抵抗運動はどう表現されてきたか。四方田犬彦が所蔵する資料映像をもとに6回にわたる連続講座が始まる

[講座スケジュール]
 2021年 09月17日(金)、10月01日(金)、10月22日(金)、
     11月05日(金)、11月26日(金)、12月10日(金)
 開始時間】 毎回18時から

[会 場]
 シネマハウス大塚
 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨4-7-4-101
 JR「大塚駅」北口より徒歩7分
 https://cinemahouseotsuka.com/access/

[入場料]
 講座参加券・各回1300円均一(税込)
 6回通し券がお得です。
 予約・問い合わせ info@cinemahouseotsuka.com

[講座内容]
「1948年のイスラエル建国は、イスラエル人を劇映画の主人公にし、パレスチナ人をドキュメンタリーの主人公とした。」(ジャン・リュック=ゴダール)
 シオニズムは挫折した。
 国家イスラエル成立後70年以上に及ぶ臨戦状態は、ユダヤ人国家建設という植民地主義的ユートピアの夢が、根本的に誤りであったことを告げている。
 パレスチナ人抵抗勢力との戦闘は日に日に熾烈と化し、憎悪と無感動が状況を支配するに到った。
 本講座は20世紀前半のプロパガンダ映画からパレスチナ難民のい自己像確立まで、一世紀にわたるパレスチナの表象史を辿り、映像の政治学を論じる。

第1回 9月17日(金)『シオニズムのプロパガンダ映画』
 20世紀前半にはシオニストの手によって、入植を喧伝するプロパガンダ映画が次々と制作された。
 筆者がエルサレムのスピルバーグ・ユダヤフィルム・アーカイヴに日参し、探求してきた映像史料の検討を中心とし、同時代のナチスや満州国と比較する。

第2回 10月1日(金)『パレスチナの抵抗は他者によっていかに描かれたか』
 世界は1968年以降のパレスチナ解放闘争に注目した。
 ゴダール、若松孝二と足立正生、山口淑子(李香蘭)といった映画人が次々と難民キャンプを訪れ、ドキュメンタリー映像を作成した。
 そのイデオロギー的意味は何だったのか。

第3回 10月22日(金)『パレスチナは大厄難をどう描いたか』
 1948年の国家イスラエル建設は、パレスチナ側からは「ナクバ」(大厄難)と呼ばれる。
 この歴史的事件をイスラエル側とパレスチナ側の監督たちがどう描いてきたか、また描くことができなかったか。それをアウシュビッツの表象不可能性と比較することは可能だろうか。

第4回 11月5日(金)『パレスチナのカリスマ映画人 バクリ』
 バクリはイスラエル国籍のパレスチナ人で、ガザを舞台に黒澤明の『どですかでん』の翻案で主演した。ジェニンで大虐殺が起きると、密かに彼の地に潜入し、証言ドキュメンタリーを監督した。
 彼は現在、イスラエル国内で困難な場所に立たされている。

第5回 11月26日(金)『世界を放浪するパレスチナ人 スレイマン』
 スレイマンはイスラエル国籍のパレスチナ人で、『D.I.』や『天国にちがいない』の監督。彼は世界中を転々とし、つねに故郷を離れたところからパレスチナを見つめ、映画を撮っている。彼はゴダールの圧倒的影響から出発し、「テロリズム」という言葉のもつ政治性を批判的に論じる。

第6回 12月10日(金)『ベイルートの眼差し サアブ』
 数多くのパレスチナ難民を引き受け、イスラエルイスラエル軍による度重なる爆撃と占領、破壊、市街戦を体験してきたベイルート。
 ジョスリーン・サアブは40年にわたりドキュメンタリーと劇映画の両方の側から、この苦悶の首都の物語を証言してきた。

講師:四方田犬彦(よもた・いぬひこ)さん
 映画誌・比較文学研究家。エッセイスト。詩人。2004年にテルアヴィヴ大学に客員教授として赴き、イスラエルとパレスチナ西岸を往還しつつ、現地での映画研究に携わる。
 関係著作に『見ることの塩』『パレスチナ・ナウ』が、翻訳に『パゾリーニ詩集』など多数。

<四方田さんの著書> その他の著書