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イラク民主化運動(CONDI)について

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イラク人自身の手によるイラク民主化運動、CONDI(イラク民主化国民潮流)のスポークスマンであるアブデル=アミール・アル・リカービさんの日本人へのメッセージが、数日前よりネットなどを介して急速な勢いで広まっています。

CONDIとは、1991年に反フセインの22のイラク政党、政治団体により設立された、イラク人の自主的な民主化運動の組織です。リカービさんはその設立に参加し、同時にスポークスマンとなられました。1995年にはフセイン政権の弾圧を逃れてパリに亡命した「亡命イラク人」ですが、CIAからの資金提供を受けて活動していたアラウイ首相などのような、外国勢力のエージェントではないようです。

イラク戦争勃発直前の2003年3月、戦争回避のための「名誉ある撤退」を求めたフセインが、リカービさんを首班とする連立政権構想を打ち出したこともあります。しかし、シーア派やクルド、トルコマンなどの少数民族が連立構想から排除されていたため、「これでは国民的和解が達成できない」として、リカービさんは首班受諾を拒否しました。

現在、イラクではアメリカから「主権委譲」されたアラウイ首相の傀儡政権が存在し、イラクに存在するその他の様々な政治組織を「国民会議選挙」の枠組みへ参加させようとしています。そして米軍は、これに従わない(つまり占領そのものに反対している)部分を、「武装勢力」「テロリスト」の名の元に軍事制圧して選挙までに壊滅し、または抵抗をあきらめさせようとしていますが、この試みは成功していません。

CONDIはこういうアメリカの手法を批判し、外国の占領勢力によって作られる「国民会議」ではなく、イラク人自身の手による国民的基盤を持った政治的枠組としての、「憲法制定国民会議」の開催を呼びかけ、準備しています。日本ではあまり報道されていませんが、多くの国際会議にも代表を送って注目されているようです。傀儡政府の国民会議は占領に賛成し、CONDIの提唱する憲法制定国民会議は占領に反対するものです。

リカービさんは2003年12月に来日、小泉首相と会見して自衛隊のイラク派兵に反対の意見を伝え、自衛隊が占領軍であるとの認識を示しています。
ところが、「週刊ポスト」は、リカービさんが日本政府から巨額の資金提供を受け「イラクに送られた自衛隊の安全に責任をもつ」と約束したという「官邸筋からの情報」を掲載しました。この「官邸筋からの情報」はイラク本国でも報道され、そのためリカービさんの名誉は著しく傷つけられました。リカービさんは、この中傷に対して「週刊ポスト」を相手取り、記事の訂正と謝罪、損害賠償を求めて提訴しておられます。

その後、2004年4月に発生した高遠菜穂子さん、今井正明さん、郡山総一郎さんの「イラク人質事件」では、CONDIとリカービさんが、日本の市民運動とイラク現地の抵抗運動を仲介、ネットワークを結び、「人質」となった3人の解放を実現させています。

現在では「人質」の解放は、リカービさんらを介した市民運動の力によるもので、日本政府や外務省の介入は事態を複雑にし、役に立たないばかりか、かえって「人質」の生命を危険にさらすだけのものだったこと、また政府・外務省がこれらの事実を隠し、「人質」事件について、国内向けに積極的な情報操作(=嘘)を行っていたことなどが徐々に明らかになっています。

私達は、まがりなりにも外務省は「人質」解放のために、少しくらいは何か役にたつこともしているのだろうと思い込まされていたわけで、(自衛隊派兵に反対していた人も含めて)みごとに騙されていたわけです。上記の小泉首相との会談をめぐるリカービさんへの名誉毀損も含めて、これらの経過を詳細に分析した本も出版されています。是非ともご一読をおすすめします。
「日本政府よ、嘘をつくな!…」(グローバル・ウォッチ編集:作品社:2004.5)

7月にリカービさんは再度来日。イラクの現状と闘いを、講演会などを通じて日本の人々に広くうったえ、また、「週刊ポスト」の裁判にも出廷しました。

旗旗では、今後もリカービさんとCONDIの動きに注目し、紹介していきたいと思います。
外国勢力によって作られた「国民会議」に対し、CONDIの「憲法制定国民会議」がそれとの並立に成功した場合は、「憲法制定国民会議」を正当なイラクの代表として認めるべきであろうと思います。

こちらにリカービさんのメッセージを転載しています。この私が書いた解説も含めて、再転載も可です。どんどん広めてください。

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