11月の東京集会に都合で参加できませんでしたので、大阪で開催された武建一さんの講演集会『コロナ禍、貧困、格差ー生きづらい世の中を本当の労働組合運動で変えよう 1.23 関西集会』に参加してきました。
一部で知られているように、武さんの属する関西生コン労組は、公安警察から目を付けられて強弾圧にさらされ、それに便乗した卑劣な大資本とレイシスト系右翼から総攻撃を受ける中、深刻な内部の意見対立が生じていることが明らかになりました(下記リンク参照)。
衝撃!連帯労組・関生支部57回大会 緊急報告
月刊『コモンズ』サイトより
関生支部第57回定期大会 解任された武委員長挨拶の全文
関西生コン支部武委員長解任問題についての見解
私は左翼だった時代の経験からも、少数派である武さんの方針どおりに主要な組合員が一致団結して行動すれば、今回の弾圧を跳ね返してより強くなることができるだろうと確信はします。ただ、綱領やイデオロギー、あるいは自民党のように利権などで結びついた政治団体でもない、世界標準でみればごく普通の産業別労働組合である関西生コン労組やその組合員に、そこまでの強さを求めるのは酷であろうと思います。いくら世界から見れば非常識であろうと「日本の常識」にどっぷりつかって育ってきた武さんより若い世代は特に。私もその一人ですし…。
何より一番に非難されるべきは、この日本に「当たり前の労働運動」の存在を許さない、島国のガラパゴス的な労働組合運動しか許さない(公安刑事が取り調べでその旨を述べている)、しかもそれを労働法の趣旨を踏みにじって暴力で強制してくる国家のあり方です。まるで敗戦直後の再来です。そのことを絶対に忘れてはなりません。
社会運動って、弾圧にさらされると、その対応をめぐって対立が生じるのはよくあることで、まして普通の労働者である関西生コン労組なら仕方のない面もあります。ただ、「戦争」もそうですが、弾圧や権力は遠すぎて強大すぎて、何かしら嵐や台風などの自然現象を前に対応を言い争っている山人みたいになってはいけません。弾圧や戦争は特定個人や人間集団の悪意です。わかりやすく目の前にいる等身大の人間同士でその意見対立に意識をとらわれてしまいがちですが、それは本質ではない。
意見対立は、内部の礼節ある民主主義で適切に対応するべきであり、敵を見失ってはいけません。外部の人間である私は、そういう観点から(お前はもう来るな(怒))と言われるまで、敵の眼前で味方の背中を刺すようなことだけはしたくないと思います。
ただ一つ言うことがあるとすれば、中島みゆきさんの歌詞の一節でしょうか。
『お前が消えて喜ぶ者に お前のオールをまかせるな!』
(以下、写真クリックで全体表示します)
この日の関西集会に先立つ11月28日には東京集会が開催されました。関西集会での動画があがっていないようですので、東京集会での武建一さんの講演を以下に貼っておきます。
続いて昭和女子大学の名誉教授で労働法学者の木下武男さんの講演がありました。木下さんは都合で来られないとのことで、東京集会で行われた講演ビデオの上映という形になりました(以下に貼っておきます)。
木下さんは「そもそも労働組合とはなにか?社会的にどういう役割を担っているのか?」というところから、関西生コン労組が世界的にみれば、ごく普通で当たり前の労働組合運動をしていること、それが日本では稀有なことなどをわかりやすく語られました。
東京からは、関西生コン弾圧を許さない東京の会から、川柳作家の乱鬼龍さんが発言されました。乱さんには集会が終わってから「世直し餅」をいただきました。