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懐古的資料

警視庁水上署の靴泥棒事件 個人の履物を住居から「すべて」持ち去る

 昭和天皇が重態に陥った1988年の暮れも押しつまった12月10日早朝のことです。警視庁水上署は当時私の所属していた政治党派の事務所18ヵ所を朝の7時から急襲し、「家宅捜索」を名目としてそこにあった履物すべてを根こそぎ持ちかえるという、唖然とするような嫌がらせを行ないました。
 女性用のハイヒールから登山の渓流登りに使う地下足袋やわらじまで、その数なんと732足!文字通り根こそぎでした。うち、2ヵ所は長時間におよぶ猛烈な抗議の末に一人一足づつの靴を残させることができましたが、のこる16ヵ所では残された履物は便所のスリッパのみという有様でした。

 「事務所」といっても会議などで集まる他は、メンバー数人が通常に生活しているアパートなどの「住居」というのが普段の実態です。また、「事務所」の住人以外に毎夜なんだかんだで何人かが泊まっていましたので、この日、彼らは会社への出勤はおろか、一歩も外に出られない状況になってしまいました。仕方なく10時頃に靴屋が開くのを待ち、一人が便所のスリッパで外出して全員の靴を新しく買ってこなくてはならないはめになりました。必ずしも近所に靴屋があるわけでもないので、大変だったろうと思います。

 いったいぜんたい、令状にさえ書いておけば、個人の生活必需品をすべて持ち去るなんてことが許されるものでしょうか。この調子で「冷蔵庫・タンス・ふとん・テレビ」だの「食料品一切」だの「衣類」だの強奪されたのではたまったものではありません。給料日を狙って「一万円札」なんて令状さえも考えられます。

 たしかに「靴」に目をつけた公安の「嫌がらせのエキスパート」ぶりには舌をまきます。現場で足跡を見つけたとか言っておけば通りやすいし、靴は個人の生活に絶対に必要なものであり、これを全部もっていかれたら確かにショックです。なおかつ最低でも数ヶ月は戻ってこないとなれば、どうしたって何足かはお金をはたいて新しく買わないわけにはいきません。
 実際この場合も公安警察は「現場で足跡を見つけた」からと「押収」の理由を説明していましたが、本文にある通り、だとしても何でハイヒールからわらじまで無差別に持っていく必要があったのか説明ができません。

 そもそもこの弾圧は、どの党派からも「犯行声明」が出なかった「7・4ゲリラ」(成田空港建設工事車両が時限発火装置で炎上した事件)を、私達の犯行であると証拠もなく適当に決め付けて行なわれた一連の弾圧の一部でした。
 たしかに当時の私達は「ゲリラ闘争」も行なっていましたが、そのつど機関紙上で自分達が行なったものであることを認めると共に「何故こんなことをしたのか」を必ずくわしく説明していました。しかしその同じ機関紙上で、少なくとも「7・4ゲリラ」に関しては「我々とは全く無関係である」と繰り返し表明されていました。

 さて、これら靴泥棒事件をはじめとする一連の「7・4ゲリラ」弾圧に対し、当時の私達は街頭でその不当性を訴え、弾圧の実行犯である警視庁や水上署の前でも街頭宣伝・抗議活動を行ないました。これに対しては水上署が機動隊の広報車を繰り出してピタリと横付けし、こちらのスピーカーの音量を上回る大音量でサイレンを鳴らしたり、「こいつらは極左だ」「近寄るな!」「話を聞くな!」などと大音響で叫び続け、自分たちの靴泥棒事件を民衆に知らせまいとすることまでやりました(もちろん私達の街頭宣伝は正式の許可を得た合法的なものです)。

 いったいこれが「政治的に中立の立場から違法行為を取り締まる」「法治国家の番人」たる警察官のやることでしょうか?さらには自分達のやった靴泥棒を宣伝されそうになると、慌ててこちらの宣伝カーの屋根に飛び乗り、スピーカーのコードを引きちぎって音が出ないようにしたばかりか、集団で宣伝カーを蹴り回してボコボコにしたのです。そんなに知られたくないなら、最初からやらなければいいのに!

 と、いうわけで以下は記事本文です。なお、記事本文およびこのエントリーの内容や、当時の公安情報にはいっさいお答えできませんので、あらかじめご了承ください。また、無責任な「噂話」を書き込まれた場合は申し訳ありませんが即消しさせていただきます。

732足の履物を根こそぎ強奪

 12月10日早朝、警視庁公安一課は、首都圏に存在するわが地区党事務所18ヵ所に一斉家宅捜索を行い、総数732足もの履物類を根こそぎ「押収」するという前代未聞の泥棒行為を働いた。またこの時、乗用車一台も「押収」され、この他にも9日から10日にかけて、5名の同志の実家にガサ入れが強行されている。(中略)この暴挙は、天皇ヒロヒトのXデーが目前に切迫する中で、闘う革命党-革命勢力の一挙的「壊滅」を狙う日帝公安警察のXデー弾圧の激化を物語るものであり、同時に、かかるデタラメ極まりない弾圧は破産が必至であることをも白日の下にさらけ出すものとなっている。

ハイヒールから登山靴、わらじまで無差別に押収

 10日朝7時前後から10時半頃まで、18カ所の地区事務所で行われた捜索・抑収は、その内答においても未だかつて聞いたことも見たこともない、デタラメ極まりないシロモノであった。

 「建造物等以外放火」を「容疑」とし、「被疑者不詳」「捜索対象物-靴類」と記載された捜索差押令状をふりかざして各事務所に乱入した「水上署派遣公安一謙」のデカ共は、事務所内に存在していた履物の全てを、種類も大きさも問わず持ち去らんとしたのである。

 たとえばその種類は、日常使用している皮靴・運動靴はもちろんのこと、女性用ハイヒール、長靴、地下タビ、安全靴から登山靴、渓流シューズ、さらにはワラジにまで及び、なんとある事務所では、足の不自由な仲間の義足まで「靴類だ」といって抑収せんとした。またその大きさも、22cmの女性サンダルから28cmの登山靴に至るまで、全く無差別のものとなっている。18ヵ所のうち、同志の抗議によりまがりなりにも各人1足ずつの履物が確保されたのは2~3ヵ所、これ以外の全ての事務所において、残された履物は「便所のスリッパ」のみという有様であったのである。

 「これでは出勤も通学もできないではないか」「われわれに生活するなというのか!」とこの暴挙に抗議する仲間に対してデカ共は、「令状にあるのだから全部持っていく」「外へ出たいならハダシで出ろ」と暴言をほしいままにし、ある事務所では、この暴挙の現場を撮影せんとした仲間を数人がかりで地面におさえつけ、殴る蹴るの暴行を加えた上フイルムを抜きとるという許すことのできない犯罪を兇行している。

 この「靴泥棒」ガサによって、当日事務所に泊り込んでいた労働者・学生のほとんど全ては文字通り「足」を奪われて外へ出ることさえもできず、欠勤・休校をやむなくされた。かつまた、同志達の全員が新しい靴を購入する以外なかった。これを生活権・生存権の侵害と呼ばずして何と言えぱいいのか!

 また、捜索・押収の過程で、同志の激しい抗議に追いつめられた私服刑事が「確かに財産権の侵害だから早く返すようにする」と吐露した言葉がはしなくも示すように、東京簡裁の判事がたいした考えもなく安易に発行した一片の令状をもって、現に生き、働いている労働者や学生の貴重な「財産」であり、何よりも生活していく上で欠かすことのできない日常生活の必需品を一切合財奪い去るなどということが許されてよいはず
がない。

 ましてや、今回のガサの場合、誰彼が「犯人」として具体的に特定されているわけでさえなく(被疑者名は「不詳」)戦旗派の活動家であるというただそれだけの理由で、不特定多数の労働者・学生が全く無差別にこうした重大な基本的人権の侵犯行為の一対象Lとされたのである。

 日帝ブルジョア国家の警察国家化・反共憲兵国家化の決定的なメルクマールとして、この12・10弾圧はとらえられ、粉砕されねばならない。「共産党のシンパ」と目されただけで、何の証拠がなくとも特高警察に逮捕・拷間された戦前型の治安弾圧支配をヒロヒトXデー切迫下で今再び現出させるようなことをわれわれは日本革命的左翼の衿持にかけて許してはならないのである。

 所属・階級氏 名押収品
01.警視庁公安一課・警部補酒井湖平履物72足
02.同課・巡査部長久保田力履物34足
03.同課・巡査部長鈴木善博履物25足
04.同課・巡査部長豊崎正文履物39足
05.同課・巡査部長酒井健一履物23足
06.同課・巡査部長小田明文履物33足
07.同課・巡査部長池安成吾履物13足
08.同課・巡査部長高野一郎履物97足
09.千葉県警警備二課・警部宮崎一履物32足
 同課・警部補星野文男乗用車1台及備品
10.警視庁公安一課・巡査部長佐藤政志履物58足
11.同課・巡査部長白岩隆之履物81足
12.同課・警部補木村昭一履物37足
13.同課・警部補鈴木勝二履物41足
14.同課・巡査部長井野勝夫履物30足
15.同課・巡査部長星野希一郎履物29足
16.同課・巡査部長竹村守可履物30足
17.同課・警部補望月毅之履物31足
18.同課・警部補佐藤秀二履物27足

7・4デッチ上げの破産に焦り深める

 しかしながらこの12・10履物類大量押収攻撃は、決して日帝公安警察の強さを示すものではなく、われわれ戦旗派と闘う人民によるXデー攻撃粉砕・フレームアツプ弾圧粉砕の闘いに押しまくられ窮地に立った警視庁公安一課の危機と焦りの表現に他ならないことをもわれわれは見すえておかねばならない。
 そのことは、今回の捜索-押収の支離滅裂さ・デタラメぶりの中にくっきりとうきぼりにされている。

 もしも仮に、「7・4ゲリラ」の現場に何らかの「足跡」が残されており、それとの関連を立証するために靴類の押収が必要であったと仮定しよう。それならばなぜ、ここまで種々雑多で大きさも形も異なる履物類の大量押収を行う必要があるのか?足の大きさが22cmの女性サンダルと、28cmの登山靴との間は、「足跡」の大きさを比較するならば優に10cmの以上の違いがある。また、深い切れ込みの入ったビブラム底の登山靴と、地下足袋と、女性ハイヒールの「足跡」を見誤るなど到底考えられないことである。

 つまりここから推論できることは、エン罪事件デッチ上げを常套手段とするデカ共が、押収していった靴類の中から任意のものを選び、これから「足跡」を作り上げるのでない限り、「足跡」などというもの自体が現実には存在しないという明白な事実だ。

 また、捜索に当った私服は、「警察犬に臭いをかがせる」などとホザイていたが、こんなものも全くのデタラメである。警察犬の「臭気鑑定能カ」が公判廷で何ら信を措かれえないことは今や法律家にとっては常識だ。ことに、何らかの「遺留品」があったとしても、「7・4ゲリラ」から夏をはさんで既に5カ月以上を経た現在、すっかり化学変化をおこして変質してしまっているであろう「遺留品」の臭気を、700足以上の履物類の中からかぎあてるなどという器用なマネがいかに警察犬といえども不可能なことは、これもまた常識の類である。

 そもそも、工事現場においてある大型工事用車輌へのゲリラを、重さ3?以上もある登山靴をはいたり、高さ7~8cmはあるハイヒールをはいてやることなどありえないということは、小学生でもわかる事実ではないか。今回の捜索・押収のデタラメ性はこの一事からだけいってもはっきりと証明されているのである。

 ただ単に戦旗派活動家に経済的・精神的被害を与え、もつて革命党破壊1「過激派壊減」攻撃のテコとすることのみを目的とした今回のガサ・大量押収品の中に、どのような「証拠品」も存在しえないことは、理の当然といわねばならないのだ。

(中略)だが権カがいかなるフレームアップストーリーをデッチ上げようともその破産は必至である。
  再度言おう。われわれは「7・4ゲリラ」とは何の関係もない。警視庁公安一課岡田昭彦よ!お前らが732足もの履物を根こそぎ押収したこと自体に、何の物証も有さず、ただ見込みのみで違法捜査を行っていることは明白ではないか。反共憲兵国家化を進める竹下と警察庁長官金沢昭雄の「テロ・ゲリラ根絶のためなら手段を選ぶな」なる指示に従っているだけだなどという言い訳をわれわれは断じて許さない。理不尽きわまる攻撃に対しては、わが同盟は悪魔のような執念をもって断固たる階級的報復戦を貫徹する。

(機関紙『戦旗』620号より)

732足を全て奪還

 1月5日午後、東京水上署は戦旗社あてに「12月10日に押収した靴38足を返還する」という通告を行ってきた。10日に押収された靴類の総数732足のうち、694足は、既に14日の段階で返還されており、残りの38足も返還されることにより、われわれは12・10押収物全部の奪還をかちとることができたのである。

準抗告に追いつめられやむなく返還

 首都圏18ヵ所の事務所に早朝から押し入り、三時問余にわたる家宅捜索の結果、根こそぎ靴類を押収しておきながら、1カ月もたたない内に全部を返してくるという事態は一体全体何を意昧するのか。

 それはまず第一に、前代未聞の「靴泥棒」攻撃に対するわれわれの的確な反撃によってもたらされた反弾圧闘争の勝利だということである。
 10日朝に行われたこの暴挙に対し、われわれは同日夜、記者会見を行って緊急声明を発表、Xデー状況下での人権侵害・治安弾圧の拡大を許さない世論の喚起を訴えた。同時に、水上署や警視庁に対する連日の抗議情宣を展開し、4日後には大半の靴の返還をかちとった。さらに、12月29日には、捜索差し押さえの無効と押収物の返還を.要求する準抗告を、東京・千葉・埼玉等の各地裁に提訴している。これが学習ノート類の返還を命じた千葉地裁決定(9・14-21弾圧)の二の舞となり、権カ犯罪が「身内」であるはずの裁判所によってすら処断されることをおそれた公安一課、水上署は、年明け早々の5日に全押収物を返還する以外なかったのである。

 第二に、12・10ガサが「犯罪捜査」の名に値いするようなものでは一切ない、政治的な治安弾圧に他ならないことが浮きぼりにされたことである。
 われわれが当初から主張してきたように、仮に「現場足跡」や「遺留品」捜査のための捜索-差押えであるとするならば、種類も大きさも文字通り千差万別の732足もの靴類を押収する必要など全くない。そもそも複数の人間が居住している事務所にある靴類を根こそぎ押収したところで、「どの靴が誰のものか」ということを特定することさえ不可能なのだ。
 これら一連の事態によって12・10弾圧がただただ戦旗派に所属するメンバーに物質的・精神的な打撃を与え、「過激派壊減作戦」=88年『警察白書』路線を物質化するためのイヤガラセにほかならないことが一点のくもりもなく明らかにされたのだ。

 第三に、森田同志の無実奪還、水沢同志・A君の完黙貫徹の闘いに続く、この12・10弾圧完全粉砕の闘いによって、公安一課、水上署の7・4フレームアツプ拡大の攻撃は頓挫を強いられ、大破産の憂き目にあっているということだ。
  9・14-21ガサによって大量の肉筆文書類や印鑑を押収し、森田同志や作美同志を「私文書偽造同行使」でデッチ上げ逮捕した公安一課は「夢よもう一度」とばかりに今回の大量靴押収をもってさらなるフレームアップの拡大をもくろんだ。しかし、アリバイも確認せずに「筆跡の一致」なるデッチ上げをもって森田同志を見込逮捕したものの、完全無実で釈放せざるをえないという11・5弾圧の破産同様に、「足跡」「遺留品」デッチ上げを策した12・10ガサが総破産することにより、7・4フレームアップの筋書自体が今や破産を強いられるに至っているのである。

 われわれは、こうした闘争の成果をひきつぎ、Xデー治安弾圧そのものとしてかけられてきた7・4フレームアップ攻撃を全面的にうち破り、建党建軍闘争のさらなる前進を刻印していくのでなければならない。

(『戦旗』号外より)

宣伝カー破壊し、広報車で中傷繰り返す、警視庁・水上署の街宣妨害許すな

 この間われわれは、11・5、29-30弾圧によって不当逮捕され、警視庁と東京水上署に勾留されている同志への激励と、不当弾圧への抗議のための街頭宣伝行動を継続して行ってきた。
 これに対し公安一課・水上署は、「これが法治国家の警察官のやることか!」と見る者全てをあぜんとさせるような街宣行動妨害=言論抑圧の暴挙を次々と強行してきた。われわれは・満腔の怒りをもってこれらの暴挙を暴露・糾弾し全ての人々に、ここまで進行している日本の警察国家化の現状と対決する闘いへの参加・協カをよびかけるものである。

警視庁刑事がバックミラーを破壊

 街宣妨害の発端は、11月12日、警視庁前での「バックミラーもぎ取り」から開始された。徐行しながらマイクで宣伝行動に入った街宣カーを、免許証・道路使用許可証の提示を理由に無理矢理とめさせた公安一課の私服と警備の制服警官は、車止めを置いて進行の自由を奪った上、10数名で車をとり囲み、「うるさい」などと叫びながら警棒まで持ち出して車体や窓ガラスを乱打した。
 のみならず、なんと突然後方から飛び出してきた私服の一人は.いきなり右前部バックミラーを叩き折ったのである。

ドアを蹴りつけ、コードひきちぎる

 われわれはこの場において何の「違法行為」を働いていたわけでもない。「表現の自由」という、現行日本国憲法によってすら保障されている人間の自然権・基本的人権を行使するために、わざわざ赤羽署を通じて東京都公安委員会に街頭宣伝のための道路使用許可を得るという煩雑な手続きを行った上で、現場では許可証・免許証を見せろという指示にもキチンと応じている。車体を乱打されたり、破壊されねばならないイワレは何一つありはしないのだ!

 しかももう一つの抗議対象である水上署では、街宣妨害はさらに悪質なものへと日々エスカレート、都合10数度に及ぶ破壌行為の結果、わが宣伝カーはいたるところに靴あとが歴然とみてとれるへこみや傷をつけられ、ナンバープレートはねじ曲げられ、ついに後部右ドアの開閉が不能になるまでの損傷をこうむったのである。

 水上署はさらに、われわれの街宣カーが水上署前に到着すると、警察広報車を繰り出して後尾にピッタリとつけ、わが宣伝カーを上回る音量でわめきたてたり、サイレンを鳴らしたりする妨害行動に出てきた。しかもその内容たるや「前の車に乗っているのは放火犯です」「極左の戦旗・共産同は危険な集団だから近付くな」「話を聞くな」「お前らはファシストだ」(?!)などという、驚くほど低劣な、しかし明確に政治的意図をもった誹謗中傷なのである。

 一体全体、このような行為が警察官の職務権限を規定した警職法のどこに規定してあるのか!人民の血税によって購入された広報車を一政治結社=「私人」への政治的な誹謗と中傷に用いるなどという、刑法上の犯罪で言えば「名誉毀損」以外の何ものでもない所業が許されるはずがないのだ。

 加えて12月6日や12日には、宣伝カーにとびのってスピーカーのコードを引きちぎるという蛮行を働いてまで街宣を妨害した。さらに呆れ果てたことには、10日には後部ドアに「戦旗・共産同」という落書きを書きつけ、12日には「放火魔・戦旗共産同」と書いたB4大の紙を用意して両面テープで貼りつけ、15日にはついに同じ文句を書いたマンガチックなプラカードまでが登場した。全く、これが「公僕」として法と人権を守ることを任務とするはずの警察官のやることであろうか?

街宣行動は民衆の当然の権利行使だ

 今回の街宣行動への妨害は、余りに特異な事件であり、「ゲリラ関連」の例外的事態だと見る人もあるかも知れない。「日本は法治国家」であり、「自分は『過激派』ではないから関係ない」という人もあるだろう。しかしそのような態度、見方は絶対に間違っている。「言論・表現の自由」が存在するかしないかは、法律に書いてあるかどうかで決まるのではなく、現実に街頭宣伝を行い、ビラや宣伝物を発行してみてはじめてわかることだ。「自由」は、これを抑圧しようとする部分との攻防の中で、はじめて人民のものとして確立されていくのだ。

 このような観点からみたとき、まさに日帝「天皇制」国家における「言論・表現の自由」は危機に瀕している。長崎市長本島等氏の「天皇の戦争責任」発言に対する自民党・右翼一体となっての脅迫・どう喝を見よ!天皇賛美にみちあふれ、反天皇制言論などはとりあげようともしないマスコミのXデー報道を見よ!さらに今回、われわれにかけられた街宣妨害は、右翼勢力やマスコミではなく、国家権力そのものが、その権力を行使して人民の言論・表現の自由を奪いとろうとXデー弾圧の最前線に出てきたことを物語っているのである。

 今こそ、「言論・表現の自由」を人民が自らのカを発揮して守り、育て、確立していくのでなければならない。力と知恵を寄せ合い、暗黒の支配を再現させないための共同した闘いを創出していこうではないか!Xデー弾圧粉砕!『88年警察白書』路線をうち破れ!共に闘わん!

(『戦旗』号外より)

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  • 正直に言って何をやっているんだか、と呆れています。オウム真理教事件も拉致事件もろくに調べず、逆効果にしかならない弾圧とは。

    僕はもう冷戦終結からずいぶんたちますし、公安側は「武力革命は標榜するな、カルトの手法を使った新入生勧誘はするな、ちゃんと市民として犯罪防止に協力する義務を果たし、これまでもし犯罪行為があるならちゃんと自首しろ。その代わり言論、思想は決して弾圧はしない。」、
    逆に運動側も「決して武力革命は標榜、実行しない、カルトの手法も使わず言論だけで運動する、犯罪行為はしないし防止に市民として協力する、そのかわり絶対言論、思想だけで弾圧はしないでくれ」と、互いに信頼することができればと思うのですが…あまりに不信が深すぎます。

  • Chic Stone様>
    >正直に言って何をやっているんだか、と呆れています
    まあ、20年近く前の記事なわけですし、このエントリー自体のカテゴリーも「懐古趣味」ですので、そのへんは前提にしてお読み下さい。
    しかし、こうして見てみると、温故知新と申しましょうか、当時も今も公安警察のやっていることはあんまし変わらないような気もしますね。
     
    >互いに信頼することができればと思うのですが…
    今時は左翼側総体もChic Stoneさんの提唱される通り、一般に「違法行為」をしなくなりつつあります。本来ならそれに照応して公安側の「弾圧事例」も減ってしかるべきだと思うのですが、とりわけイラク戦以降、公安側は、よりいっそう「思想」を取締る傾向が強くなり、むしろ弾圧は「過激派」から市民運動へと拡大して増えてさえいるように思われます。
    もちろん、公安は決して「俺達は小泉内閣を支持しているから、それに反対する思想を警察力で取締るんだ!」とは口が裂けても言わないわけですが、立川のビラ撒き弾圧や、大阪の民事介入弾圧など、「微罪」とさえ言えないコジツケによって、事実上の思想犯として逮捕を濫用するという構造になっているわけです。
    この構造を黒目さんはいみじくも「本件なき別件逮捕」と表現されましたが、言い得て妙だと思います(http://black.ap.teacup.com/despera/30.html)
     
    今は運動側も「決して武力革命は標榜、実行しない」というか、少なくともゲリラなどの形で「実行」なんぞどこもしていないわけです。戦旗派にいたっては、「武力革命」どころか「共産主義」すら放棄して左翼やめちゃってるわけです。それでもやっぱり先日の民事介入弾圧みたいに逮捕されちゃう。
    取締対象を「過激派」と想定すれば、実際にはもう機動隊はもちろん、公安刑事の人数のほうが「過激派」よりも多いくらいの現状なわけですが、それでもまだ機動隊をわんさか引き連れて弾圧に来るわけで、いい加減税金の無駄使いもはなはだしいと思うわけです。
    ちょっと前まで「このままでは今に市民の思想信条そのものが取締られる言論弾圧の世の中がくるぞ」みたいな話をしてたわけですが、すでに私らは「そういう世の中」に住んでおるという自覚や覚悟が必要なんかもしれんと思う今日この頃です。
     
    追伸)Chic Stoneさんのサイトもちょくちょく見に行くわけですが、古いおじさん頭ではいまひとつサイトの趣旨がよーわからんので、「はじめての方へ」みたいなもんをつけといていただけるとありがたいです。
     

  • 憲法九条の実現のためには、かつて争った敵国同士でさえ信頼関係を構築しなければならないのにまして公安警察と市民団体に信頼関係が築けないとはこれはいかに…とも思われます。
    公安警察側が、何を考えてそういう、単なる言論弾圧としか思えないことをしているのか全く説明責任を果たさないのも問題ですね。
    それが本当にテロ防止、革命防止になると信念を持ってやっているなら、そう国民を説得する努力がなければ支持を失うと思うのです。
    言論、思想弾圧は決してお国のためにはならない、と僕は確信しています。
    .
    ご訪問ありがとうございます。
    「はじめての方へ」も言われて確かにないな、作ってみようかな、と思いましたが、簡単ではないです…ちょっと練ってみます。
    行き当たりばったりに拡大し、余裕がなくなったところは放り出してといい加減な運営ですし、一般の方には興味がもてるであろう「枕元の計算用紙」も趣旨など特にない、単なる思いついたことを書き連ねているだけですから…どういえばいいのか…

  • つーか、公安の方は「商売」であって、運動の側は商売にしたくてもできん、主義の問題なんであって、その間に「信頼関係」なんか生じるもんでしょうか?
    単純な話、例えばさ、俺の参加している運動は去年だったか、400人ぐらいでデモしました。で、その集合場所のまわりを、それに倍する機動隊が取り囲んで、周囲の住民が「何事だ?」つって見に来るぐらいの騒ぎやったんよね。別に火炎瓶投げるわけでも棒振り回してもの壊すわけでもなんでもないデモにだよ。
    で、この400人以上の機動隊と公安警察の給料は、一体、なんのために支払われているんだ、って話なんじゃないかと。
    「カゲキ派」がいなけりゃ、こいつらの仕事は消滅しちゃうわけでさ、で、別にカゲキでもなんでもない俺らみたいなバッタもんのサヨクのデモに、無駄に人員出す事で、こいつらは自分たちの雇用を確保してるだけとちゃうんけ、と。

    まあ、自分の雇用を確保しようとするのは、当たり前といや当たり前なんですが、その仕事の内容が、人権抑圧であるわけで、その抑圧される側としてはたまったもんではないのであります。

  • 以前にこちら(http://hatahata.mods.jp/archives/2004/10/post_74.html)でも書いたことなんですが、確かに「あちらさんはこれで金もうてる」というのは大きいんですよねー。
    向こうは大盾でガツンとか殴ってもそれで金もらえる。こちらも同じように「何すんねん!」とか言って殴り返したら逮捕されて職を失う。この差は大きい。
    しかし最近になって気がついたのだが、こちらは運動やめても生活には困らない。というか、むしろ金が貯まる(笑)。ところがあちらは弾圧の必要がなくなったら生活できないわけだ。この差も大きいよなー。
    まあ、運動やってる時は、ここまで左翼運動が退潮し、公安が仕事を持て余して「予算確保」のためにもしょーもない悪さばかりするなんて、あんまし考えてなかったからね。「もっともっと忙しくしてやるぞ」てなもんでね。
    もう弾圧なんぞやめて、公安部門なんて廃止し、単純に暴力団なんかを含めた「組織犯罪の取締り」でええやないかと思うんですけどね。滅亡寸前の「過激派」とマフィア化する「暴力団」のどちらが「日本社会にとっての脅威」かなんて、一目瞭然でしょうが。なんで暴力団担当より過激派担当のほうが人数や予算が多いわけ?公安って、どう理屈をつけても所詮は「政治警察」でしょ?
     
    Chic Stoneさま>
    まあ「行き当たりばったりに面白いもの集めました。あちこちクリックしてみてください」ならそんでもいいかと(そうではないかなーと思ってましたから)。あとはそれに自己紹介とサイトマップをセットでリンクしておけば充分かな?
     
    「僕は虫はできるだけ殺さない主義で、蚊には血を吸わせてやる」とかいうのは共感できました。「蜘蛛恐怖症」も同じ。子供の頃は人間の顔くらいの大きさの「屋敷蜘蛛」ちゅうやつがよく家の中に出たのですが、壁にかけてあった餅焼き網の後ろに、それとまったく同じ大きさの屋敷蜘蛛がぴったり貼りついているのを見てからもう駄目。夜毎にあいつが顔の上に落ちてくる幻覚にうなされました。しかもあいつはあんなにでかいのに、すごく足が速いんだ!その姿がまた無気味でもう。ヒェー!
    女郎蜘蛛もそれなりにでかくて、しかもあの模様とかじっと見てるとなぜだか背筋がゾーっとします。やはり子供の頃は家の軒などにこいつが巣をはると、叩き落したいのに、怖くてできない。そんなことはないとわかっているのだが、叩くといきなり「ブワー」とか空中を飛んで顔に貼りつき、鼻とをかぶられそうな気がしたもんです。
     
    一方で私は特にゴキブリを殺すのが嫌で嫌でしょうがない。蛇とともにむしろ不憫で哀れみさえ感じるのですが、店に出たら死活問題ですので、業者にも頼んで定期的に薬を撒いています。こうしておけば殺すまでもなく、入ってこれないでしょうから。だいたいがゴキブリが増えるのは、それがエサとする食べ物の管理や掃除ができていないからで、ちゃんとしてればゴッキー(我が家ではこう呼ぶ)なんてそうそう見かけるもんではない。
     
    でもねー、家に出たらそうもいかんのです。うちは私以外は女所帯なわけで、ゴッキーが出たら大騒動。女達は悲鳴をあげて逃げ回る。そんで私が呼ばれるわけ。数少ない「オヤジの出番」なわけで、ここで仕留め損ねて逃がすとすごい権威が下がるわけ(笑)。部屋のどこかにさっきのゴッキーがいると思うと落ち着かないらしくてね。おかげで私は丸めた新聞紙でゴッキーを叩かせたら右に出るものはいないよ。あらかじめ動く(逃げる)方向も見越して、ほぼ95%くらいの確率で確実に仕留めております。
     
    って、何でこんな話に(爆)