大変遅くなりましたが大木民夫さんのご冥福をお祈り申し上げます。「攻殻機動隊」の荒巻課長など、渋い脇役が印象的でした。さて遅くなりましたが先月まで放映されていたアニメのレビューをしていきます。
「カードキャプターさくら クリアカード編」
言わずと知れたCLAMP原作の「カードキャプターさくら」が約20年ぶりに再アニメ化されました。スタッフも当時のままの方が多く、旧作を知る身としてはとてもうれしい作品です。ただ、旧作を知らないとキャラクターや世界観がわからないかもしれません。わからない人は旧作も合わせて観て下さい。
「3月のライオン」
前クールの続きです。攻める者と守る者、勝者と敗者、いじめる者といじめられる者、それぞれの立場で背負う想いが交錯します。ひなたに襲いかかるいじめについての話は、いじめの根本的解決がいかに難しいかを物語っています。いじめをした子供に有形無形の制裁を加えれば済む問題でもない、一つ一つ存在する問題を解決していくしかないのです。
「ダーリン・イン・ザ・フランキス」
「キルラキル」「リトルウィッチアカデミア」のTRIGGERが手掛けるロボットアニメです。TRIGGERによる甘酸っぱい青春ロボットアニメです。フランクスがなぜ不安定な思春期の少年少女しか操縦できないのか、叫竜とは何なのか、他にもたくさんの謎がありますが、おそらくこれから明らかになっていくのでしょう。観ていくのがとても楽しみなアニメです。まだまだ続くので観ていきます。
「おそ松さん」
前クールからの続きです。1期に引き続きすべてを笑いの種にしていく作風ですが、ネタの破天荒さは後述の「ポプテピピック」に食われたところがあります。最終話で原作者まで笑いのネタにするあたりはさすがと思いました。
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
今期の京都アニメーション枠です。戦争の道具として扱われ、人間の機微というものをおよそ理解できない孤独な少女が手紙の代筆を通じてそれを理解していくアニメです。作画が美麗なのは良いのですが、仕事を通して主人公の成長を読み取るのが難しいと感じました。最初は無神経ともとれる行動をしていたのが、どういうわけか勝手に人間らしい感情を取り戻していくように見えてしまいました。
「だがしかし2」
2016年に放映されていたアニメの二期目です。時間が30分から15分に縮小しましたが、そこまで違和感を感じずにゆるく見られました。3期目も制作されるのでしょうか。
「たくのみ」
裏サンデーで連載されている4コマ漫画が原作のアニメです。女性専用のシェアハウスで酒を飲む内容を15分アニメということもありゆるく観られます。酒を買う店が酒屋ではなくコンビニやスーパー、アテも凝ったものでないところはこの作品のコンセプトによるものでしょう。ただ主人公の抱いている東京間があまりにも田舎者丸出しで苦笑もしくは失笑させられます。お酒はほどほどに、楽しく飲むのがいいですね。お酒の席のマナーもそのためにあるのです。
「タイムボカン 逆襲の三悪人」
前クールの続きです。ほぼ皆口裕子さんの声を聴くために観ています。「著作権的に問題ないのか?」と言いたくなるネタが相変わらず出てきます。こちらも後述の「ポプテピピック」に食われたところがあります。
「ポプテピピック」
まんがライフWINに連載されているウェブ漫画が原作のアニメです。自他ともに認める「クソアニメ」で、良くも悪くももはやアニメとして評価不能です。ネタのきわどさ、わかりにくさはずば抜けており、他のギャグ系作品の評価を全て攫ってしまったのではないかと感じるレベルです。他にも声優以外ほとんど同じ内容の前後2部構成、ベテラン声優の無駄遣い、突然の実写、唐突なフランス語セリフなど話題に事欠きません。
「覇穹 封神演義」
こちらも約20年ぶりの再アニメ化です。原作を読んだ身として大いに期待していましたが、がっかりを通り越して絶望しました。1話の時点で原作1.5巻分進んでおり、しかもカットが雑なためストーリーの流れが意味不明になっていました。原作ファンとしてあまりにもいたたまれなくなり、結局2話で観るのを止めてしまいました。タイムボカンは最初からギャグアニメとわかっていることもあり、皆口さんのために観られましたが、日笠さん(妲己)のためにこのアニメを観るのは無理です。
4月からは「ペルソナ5」や「シュタインズ・ゲート0」などを観る予定です。
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最近いそがしくてアニメ見てないですが、「さくら」はもう20年たつのかー。ここしばらく「名作」的な方向のものが少ないので、古いものやリバイバルに流れるのかなぁ。「マギ」の原作も終わってしまってから、漫画も読まなくなった。
「封神演義」も20年?こちらはもっと古い気がしてました。「たくのみ」って、まさかあれをアニメ化するとは思わなかったです。
草加様
コメント有難うございます。「さくら」も「封神演義」も原作が連載されていた時代からもう20年近く経ってしまったのです。子供だった私ももう大きなお友達です(笑)。今月から始まる「銀河英雄伝説」もそうですし、古いものが現代でアニメ化される流れが続きそうです。社会全体が古き良き時代への回顧に向かっているということでしょうか。もっとも、原作新シリーズが連載中の「さくら」はともかく、「封神演義」に関してはなぜ今頃アニメ化しようと思ったのかは謎ですが。
「マギ」は原作が終わってしまったのですね。私も「こち亀」と「トリコ」が終わってしばらく漫画から離れていましたが、最近になって復活し始めています。
更新日記を見てもお忙しそうですね。くれぐれもご自愛くださいませ。
今夜はこれにて失礼いたします。
「封神演義」は原作の中盤(のみ)をちゃんと描くという構成だとのこと
> 原作の中盤にあたる「仙界大戦」を中心にすることが明言されている。それにより
> 物語序盤から中盤(仙界大戦)に移るため、展開速度のペースを上げて物語自体も
> 大幅にカットする構成を取っている。
> そのため、原作と比較して矛盾している点が数多く存在する。(wikipedia)
私は「封神演義」に思い入れはないですが、原作ファンにしてみたら、きっと私が「うしおととら」のアニメ化に際して感じたストレスと同じものを感じるのでしょうね。でも、ちゃんと原作をアニメ化したら、どちらも「ジョジョ」並みの話数と一年以上の放映期間が必要になると思いますので、限られた話数の中で、スタッフとしても完結までもっていくための苦肉の策だったのでしょう。
変に全体を端折ってダイジェスト版みたいにしたり、半分オリジナルストーリで強引にまとめてしまうのとどちらがいいかという話でしょうね。
「うしおととら」の場合は、各エピソードがわりと独立していますので、半分以上のエピソードをごっそり削りつつも、残したエピソードについては原作通りに丁寧にアニメ化している印象でした。おかげでなんとか原作ファンもギリギリ納得できた(あのシーンやこのシーンをアニメで見られる日が来るとは!という意味で)。それも原作を脳内で補完しながら見てですけど。
草加様
返信ありがとうございます。
カットするにしても、話の流れにかかわるキャラクターが序盤で登場せず、しかもほとんど1話完結形式の話はないため、なぜその展開になったのかアニメを観ただけで分からない、原作既読でも大事な部分がカットされた怒りしか残らないものとなってしまいました。「ジョジョの奇妙な冒険」は有名なシーンをすべて押さえていたので問題ありませんでしたが、今回のアニメ化では序盤を乱雑にカットしすぎたために問題だらけとなりました。20年前のアニメは原作が連載中だったこともあり後半オリジナル展開でしたが、ここまで批判を浴びるものではなかったように記憶しています。アニメオリジナル展開にするか、それで駄作になるなら十分放映期間を取ってほしかったです。
「うしおととら」は原作もアニメも未鑑賞なので何とも言えませんが、大事な名シーンが余すことなくおさめられていたのであればそれなりに人気になるわけですね。また鑑賞してみたいです。