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反原発

国会周辺で「イットクフェス2018」があった


by 味岡 修

 連休中ということもあって「経産省前は静かだろう」と想像していた。テントひろばへの通い路でのことだ。いつもの通り、ひととおり新聞を読み終えて霞が関についた。こちらまでは届いてはこないが、国会周辺ではギンナンの異臭が漂う季節になった。

 経産省前は静かだったが、その国会周辺では「イットクフェス2018」が開かれていた。経産省前での座り込みの最中と、座り込みが終ってからと、僕は、「イットクフェス2018」に二度参加した。といっても、何箇所かのライブ会場でロックやフォークに耳を傾けただけだった。

 「言っとくけど、俺の自由はヤツラにゃやらねえ!ロック・フェスティバル」というライブだった。国会周辺を舞台とする様々のライブ演奏があった。

 僕らが、10何年か前に国会前で座り込みを開始したころは、異議申し立てや抗議の声を挙げる人はあまり見かけなかった。「寂しいものだった」といえるかも知れない。僕は座り込みをしながら銀杏の木と対話をしていた。「何時の日か、この国会周辺で人々が声を上げ、抗議する日がやってくるだろうか」と。

 そのころから見れば、国会周辺の光景は変った。ロックに耳を傾けながら自然にそんなことを思い浮かべていた。改造後の安倍内閣に対する人々の無関心ぶり(冷めた視線というべきか)の中、秘かに憲法改正の準備もしていると伝えられるが、果たして国会周辺は再び人々で満ち溢れるか。そんな中で、このイットクフェスもやれたらいいなと思う。

 かつて、大きな闘争では様々の歌があった。砂川闘争での「赤トンボ」は知られている。1968年の大学バリケードの中ではグループサウンズの歌声があった。これからはロックだろう。今日は国会周辺でロックの歌声が響き渡る。さて、明日は。(三上 治)



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味岡 修(三上 治)

文筆家。1941年三重県生まれ。60年中央大学入学、安保闘争に参加。学生時代より吉本隆明氏宅に出入りし思想的影響を受ける。62年、社会主義学生同盟全国委員長。66年中央大学中退、第二次ブントに加わり、叛旗派のリーダーとなる。1975年叛旗派を辞め、執筆活動に転じる。現在は思想批評誌『流砂』の共同責任編集者(栗本慎一郎氏と)を務めながら、『九条改憲阻止の会』、『経産省前テントひろば』などの活動に関わる。