イギリスの住民のみなさんと5月28日に提出します!
内閣総理大臣 安倍晋三様
経済産業大臣 世耕弘成様
財務大臣 麻生太郎様
外務大臣 河野太郎様
CC:
国際協力銀行 代表取締役総裁 近藤 章様
日本貿易保険 代表取締役社長 板東 一彦様
日立製作所 取締役 代表執行役 執行役社長兼CEO 東原敏昭様
三菱東京UFJ銀行 取締役頭取執行役員 三毛兼承様
みずほ銀行 取締役頭取 藤原弘治様
三井住友銀行 代表取締役 髙島誠様
日立製作所の完全子会社であるホライズン・ニュークリア・パワーが進めるイギリス・ウェールズ地方でのウィルヴァ・ニューイッド原発建設プロジェクトに対し、政府100パーセント出資の日本貿易保険(NEXI)による融資保証[1]、国際協力銀行(JBIC)を通じた融資を行うことが報じられています[2]。私たちはこれに強く反対します。
提出一次締切:2018年3月末 二次締切:4月末 三次締切:5月末
日立製作所の中西会長は、同事業が民間事業として推進することは困難であるとの見解を示し、「政府がコミットしないとできないということが、英国政府・日本政府・日立の共通理解」と語っています[3]。
確かに、事故以外にも、安全対策費や建設費のコスト増加、規制強化への対応、住民の反対運動、放射性廃棄物の処理など、原発事業のリスクは膨大なものがあります。
しかし、それならば、事業撤退の経営判断をすべきではないでしょうか。
事業の利益は事業者と銀行へ、リスクは公的資金でカバーということは、モラルハザードにほかなりません。
巨額にのぼる事業費を公的資金で支援することにより、そのリスクが国民に転嫁されることになることも指摘されています。
原発輸出を公的資金で支援する場合、政府が事業の安全性を確認するとしています[4]。しかし、この確認は形だけで、条約の加盟の有無や規制体制などをイエス・ノー方式でチェックするにとどまり、事業の安全性を確認するものではありません。また、政府が何をどう確認したかは私たち国民が知ることはできません。公開されるは、事後的な「議事要旨」のみだからです。
一方、融資・付保の主体であるJBIC/NEXIは、安全確認は国がやるのだから自分では行わないとしています。JBIC・NEXIは自らが行う融資や付保が、海外において環境破壊や人権侵害を起こしてはならないという観点から、「環境社会配慮ガイドライン」を策定し、この一環として、原子力以外の事業については、安全配慮等確認も行ってきました。
原子力事業については、2017年新たな指針が策定されました。しかしこの指針の範囲は「情報公開」に限定するものになっており、このままでは、国もJBIC/NEXIなどの融資・付保を行う公的金融機関も、安全性を確認しないまま、危険な原発事業へ公的な融資・付保が行われ、原発輸出が推進されることになります。
東京電力福島第一原発事故はいまだ収束せず、事故原因やその後の経緯も不明なことが多いのが実情です。原発事故の廃炉・除染・賠償にかかる費用は、政府の試算でも21.5兆円とふくれあがりました。原発事故により多くの人がふるさとを失い、厳しい状況に置かれています。世論は脱原発の意見が強く、原発輸出にも反対の声が過半数を超えています[5]。
世界的には、再生可能エネルギーが飛躍的に伸び、コストも下がってきています。省エネの技術も進んできています。
多くの国々が脱原発に向けて、舵をきりました。ベトナムは、「原発は経済的に競争力がない」ことを主たる理由として、日本からの原発の導入を断りました。
そのような中で、日本は、原発輸出の後押しのために、公的資金を費やすのでしょうか。これは、倫理的にも、経済的にも間違った選択です。さらに、原発輸出に関する国民的議論や国会での議論もないまま、一部の企業の利益のために公的資金を投入することはゆるされません。
日本政府が推進すべきものは、福島原発事故を引き起こした深い反省と教訓にもとづく、脱原発と持続可能なエネルギーのための社会システムや技術ではないでしょうか。
私たちは、原発輸出に公的資金を投入しないことを強く求めます。
[1] 三菱UFJ銀行など民間大手銀行による融資貸し倒れリスクに対応するための保険が検討されている。署名呼びかけ団体連絡先: 国際環境NGO FoE Japan
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