「野宿者に関する苦情」はヤラセ（嘘）だった：長居公園強制排除のペテン

フランスでの抗議行動

　大阪市による長居公園での野宿労働者への強制排除予定日も、あさってに迫ってきましたが、ここにきて次々と抗議の声明や、中止を求める要望があがってきています。

　すでに早くから、法学者、弁護士、司法書士、大学研究者達、行政書士などからも、排除中止をもとめる要望が出されていました。事態が切迫するにつれ、各種の労組、市民団体からも声明や要望が大阪市に届けられています（下記「参考リンク」参照）。またホームレスを社会問題として研究している学者からも、排除する要件を法的に満たしていないという懸念が表明されています。

　さらに、日本国内だけではなく、現地時間で２月２日には、遠くフランスの地においても日本大使館への抗議行動が行われました。この行動には貧困者の人権を支援している団体など１６団体が賛同者として名を連ねています。当日は日本大使館と共に、パリにある大阪市の出先機関にも抗議が行われた模様です。大使館には中止を求める声明と署名が提出されました。（右の写真は昨年のうつぼ公園強制排除への抗議行動のものです）

　さらに３日には、ブラジルにおいても、現地の市民団体により、日本大使館への抗議行動が行われるということです。

　このように排除に対する抗議や懸念が澎湃と巻き起こる中、大阪市は排除を正当化する最大の理屈として、「野宿者に関する苦情・要望」をあげていました。ではいったいそのような「野宿者への苦情」がどのくらいあるというのでしょうか？野宿者の当事者団体が情報公開請求したところ、同じ人が何回も行ったものもカウントして、５年で３０件あることがわかりました。

５年で３０件？「長居プールの所長や長居植物園の所長」も入れて？大阪市には５年で３０件の苦情もちこんだら、機動隊つかってそれを実現してくれるのか？いったい、どこの誰が排除を望んでいるのか？（ですぺら）

　さらに大阪市があげるこの数少ない「苦情」にさえも、重大な「ヤラセ」が含まれていることが明らかになりました。大阪市南部公園事務所の石橋係長が、「近所回り」をして「苦情」を出すように説得していたことが明らかになったというのです。

　この説得に負けて「苦情」を出してしまった人は、排除が強行されようとする現実を前にして「責任をとります」と言っておられるそうです。でも、本当に悪いのはこの人ではない！責任をとって辞職しなくてはならないのは石橋係長だ！！

　今のところ明らかになったのはこの１件だけですが、最初から大阪市幹部による自作自演が２件あり、さらに石橋係長の執拗な「近所回り」の実態から、残りの５年で２７件の中にも、かなりのヤラセ（嘘苦情）が含まれていることは明々白々です。これでは「嘘つきタウンミーティング」事件の小泉さんも裸足で逃げ出すというもんです。

　こんなヤラセや自作自演を含めた「５年で３０件」が排除の理由になるなら、排除中止を求める、周辺住民を含めた５４００筆もの市民署名や、次々とあがる抗議の声には、大阪市はいったいどのように対処してくれるのでしょう？

　もう大阪市は道義的にはボロボロ。後は醜悪な開き直りと「力」に頼るのみだとでも言うのでしょうか。

　すでに沢山の人々が抗議のファックスやメールを送信されています。
　あなたもその一人になってください。嘘コキ大阪市にいますぐ抗議のメールを！

◇關淳一市長へのメール送信フォーム
◇ゆとりとみどり振興局（公園管理）へのメール送信フォーム
◇大阪市広報課へのメール送信フォーム

　５日当日は可能なら現地へ！「釜ヶ崎パトロールの会」などに事前連絡の上、前日の深夜から入るのがベター。当日参加の場合は午前８時までに公園へ。公園内での抗議のほかに、公園外で一部始終を遠くから監視して下さる方も歓迎。