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運命の日の朝におこったこと 長居公園強制排除 じろりろぽんさんの日記より

大阪市の職員による暴力

 以下にご紹介するのは、5日の長居公園におられた”じろりろぽん”さんの日記です。じろりろぽんさんは、ネット上の某所で、友人だけに公開の日記を書いておられます。この日記が状況をよく伝えており、同時にご本人の心情も、日記と言うより、ほとんど美しい詩のように綴られていることに感動しました。

 本来は非公開ですが、じろりろぽんさんにお願いして、特別に公開の許可をいただきました。私が先に書いた「速報版」とあわせて読んでいただければ、当日の長居公園でいったい何がおこったのか、事の本質がよくわかると思います。

 じろりろぽんさんの日記とあわせて紹介させていただいた写真は、同じく当日の長居におられた”あんず”さんが撮影されたものです。現場の雰囲気を伝える良い写真ばかりでしたので、こちらもあんずさんに無理を言って転載の許可をいただきました。また、あんずさんもご自分のブログで、これらの写真と共に、当日の体験記を書いておられます。こちらはもちろん公開されていますので、是非ご覧ください。

”じろりろぽん”さんの日記

2月5日

 長居公園から帰ってきました。
 腹が立つし悲しいし悔しいです。

 「座っているところ」を「剥ぎ取られ」「引っ張られ」
 「押され」 「公務の妨害をしないように!
 危ないから関係ない人はどいてください!」
 と同じことを拡声器で言い続けられる。
 すごい威圧感。
 たった6人のホームレスとその家を強制排除するのに
 (支援者は200人くらいと報道されていた)
 560人のガードマンと職員。

 明らかに何もしていないところを暴力的に排除
 されている、というのが内側から見てるとよくわかる。
 報道ではきっと、「支援者が暴れた」みたいに
 なっているだろうなあ。「どっちもどっち」じゃないよ。
 すごい暴力だよ。
 話し合いなんて一つもしていないよ。

 テレビは、
 職員が足引っ掛けて転ばしたり、一人を何人かで持ち上げたり
 引っ張ったり引きずったりしているところ、映しているかな?
 囲まれると怖いよ。

 ずううううーーーーーーーーーっっっと、
 「話し合いをしてください」と行ってるのに無視して
 最後まで話し合いをしましょうと言ったけど無視したよ。
 行政代執行を知らせるときも紙一枚持ってきて
 話しかけても一言も喋らなかったらしいよ。

 お芝居は三回くらい粘って公演したけど
 その間中「公務の妨害をしない!」とか拡声器で
 言って妨害するんだ。

 僕はそれでも自分の家に帰ってくるけど、
 おうちなくなったら明日からどこへ行くんだろう?
 仕事もないし家もない。
 それでも畑を作ったりソフトボール大会したり
 自分達でがんばってきたんだよ。
 Rちゃん「ここは私の居場所でした。みんなで畑を作りました」って言って泣いてたよ。

 大阪市は560人体制だよ。
 2000万円かけてるって報道で言ってた。
 それだけあれば仕事の斡旋できるんじゃないかと
 思うんだけどなあ?

 10時のニュースで日テレが
 「公園はまたいつもの日常に戻りました」
 と繰り返し報道していたのに異常に腹が立つ。
 「いつもの日常」じゃないのに!!
 こうやって、誰かが死んでも家がなくなっても
 それが「いらない人」だったら、
 「いつもの日常」なんだよ。
 僕が死んでもいつもの日常だよ。
 もし、生きている間に僕が騒いだら、死んだ方が
 「いつもの日常」を取り戻せるよ。

 自分の居場所を取られることに逆らうだけで、
 「暴動」で、「平安を乱す」ことなんだよ!
 わかる!?

 僕はそういう「いつもの日常」には耐えられない。
 耐えられないよ。

 また6時からニュースあるだろうから
 それまで寝ようと思っているけどちょっと興奮しているあ。

 ここで、11時ごろの様子が日テレの動画で見れます。
 http://www.news24.jp/76775.html

 アナウンスの中の「ホームレス側の激しい怒号で始まった」は、嘘。芝居の台詞で始まった。

 あ、これも日テレ動画。日テレ速いな。
 http://www.news24.jp/76782.html

 次は16時55分関西テレビ「スーパーニュース・アンカー」と 18時16分日テレ「ニュース・スクランブル」

2月6日

 自分の視点で長居公園でどんなことがあったか
 伝えたいと思います。

 芝居の舞台は隠してあって、
 当日初めてブルーシートと組んであった木組みを外して、開けて、
 その上に立って芝居をする。

 初め漫談をする人がいた。
 初舞台でガードマンに囲まれて漫談。
 勇気がある。

 というか二日前まで風邪引いていた人で、
 練習たくさんして声も枯れていて、
 しかも拡声器での「退去してください!」の妨害の中。
 騒然とする中、台詞が聴こえない。

 「こんにちはーーーー!!!!
  あれ?挨拶が返ってこないぞ!!
  あそこにいるこわーーーい顔の人たちは、
  挨拶をすることもしらないのかな?

  最近は、女子が強いっていうけれど、
  私は、そんな中でも負けない、
  だって、わたしは、まーーーんだーーーんし!!!
  お題をちょうだーーーーいい!!
 
  何?長居公園?(←ここはお題を叫んだ人によって代わる。すごい。アドリブだ。)
  長居公園はねーーーー!!!
  私の居場所だったのーーーー!!!!
  ここで、みんなと一緒に畑を作ったり、
  夜中までお酒を飲んだりした!!!」

 と声を張り上げて台詞を喋るRちゃん。

 がんばってる。

 三回目くらいにならないとその冗談の意味がわからなかったけど。そのしょうもなさが切ないです。

 はりきって舞台の枠組みに乗っかって動作が大きい Nくんの演技も、
 「アスファルトを掘り返して世界中を畑にするんだ!」
 と棒で掘り返して
 「はがすぞ!掘り返すぞ!」という台詞を繰り返す役者も、
 チューリップをちぎって
 「愛してる?愛してなーーーい。愛してる?
  愛してなーーーい」と言う、長居公園に住んでいた
 おっちゃんも、愛しかったです。

 台詞の邪魔をする職員が、ほんっと、うっとうしい。
 このお芝居をちゃんと伝えられないであろう、報道も。

 みんな知らない大事なことは、
 このお芝居は、毎年餅つきのときにやるお芝居で、
 このために作ったんじゃなくって、前々から
 「この長居公園に住む状況をわかってもらえるように」
 考えて作ったものなんだよ!!
 イキナリ芝居を始めたんじゃないんだよ!!
 このために作ったんじゃないんだよーーーーー!!

 と、いうことです。

 それを、今回、強制撤去されるときに、
 まさに演じる、ということ。
 それも、笑顔でね。
 笑いを取りながら。

 スクラム組んでいるときに
 バラバラっと飴やパンが振ってきたのは面白かったです。
 イライラした職員の前でパン食べていられることが。
 カッとなって立ち上がりそうな人に
 「座って!みんな!落ち着いて!これでも食べて!!」
 という声。
 Nくん、自分とても怒っているだろうのにね。

 明日からどうすればよいのか。。。

 今後も行動はあるということで着目してほしいと
 いうことと、

 とりあえず2月16日に長居公園で13時~ソフトボール大会があるらしいので、行ける人には行ってほしいと
 いうことだと思います。

 もちろん、今日も泊まっている人もいます。
 寒いと思う。

 報道で
 「一般市民にきいてみました!
  『正直、ほっとしています』『子どもの教育のために
  よくないです』『公園は公共のものだからね』」
 という人の意見を故意に流すのが、正直めちゃくちゃ腹が立ちます。
 今回、周辺住民の署名も沢山集まっていて、そのことを
 ちゃんと報道してくれない。

 近くの学校からのハートの貼り絵で「がんばってね」「許せない」などのコメントがついた紙も剥がされたよ?
 そういうところを報道してほしい。

 むしろ意外なくらい、 住民・市民の応援があったのに。

 「市に寄せられた苦情」を市は強調しているけど、
 それは今まで何年もあって「30件」のみ。しかも、その中には職員のものもある。
 署名は5000超えました。
 何?迷惑って?誰が言った???

 報道はしっかりしてほしい、ほんっと。
 報道規制があって、
 「ここまで下がって!!!報道は危ないから入らないで!!!」
 と言われた後で、暴力振るうんだよ!!!
 本当だよ!!!
 僕は何回も見てきて知っているけど、
 報道されていることしか見れない人はわからないから。
 本当にムカつく。
 見ていないところで、「ニヤニヤ笑いながら(!)」押したり引っ張ったり持ち上げたり引きずったりする。
 怖い。囲まれる。

 私自身は、救援対策カードも書いてないし
 今回はおとなしく巻き込まれないで外で見ている方針だったのですが、一番中にいました。
 スクラムは、一番外側が危なくて、
 一番内側が安全なので。
 それでも、密集って怖くて、流されるし潰れそうになる。
 ちょっと離れると、マスクをした(!)職員に
 「はいはい、退去してくださいねーーー!!」と言われながら 、押されて、一人ずつ外に出されようとする。
 一見、温和そうなすごい暴力で、こういうの一番怖かったです。

 途中、何時間もあったので、
 トイレに抜ける人もいたけど、二度と戻ってこなかった。
 一度、外(公園内だけど)に出たら、
 フェンスの中に入って来れない。

 フェンス張って、強制退去終わったら、またフェンスを外す。
 このすごい労力にどれだけ市はお金を使っていることか!! ムダ極まりないですね。

 あと、許さない。
 あのトラック運送会社。
 仕事だからって言いなりはないだろう。

 何回も言った。
 「こんな仕事拒否しろ!ストライキだ!!」
 いや、そうもいかないだろうことは千も承知でね。
 「子どもに今日帰って、どんな仕事したか言えるのか!?」
 とか。

 「弱いものいじめはいけない」というのは嘘ですね。
 こういうのを見て、
 「あ、ホームレスはゴミ。」って思わない教育が
 出来ると思うのかね?

 自分等行政がゴミ扱いしているじゃん!!!!
 「襲撃」する「少年」の文句がどの口で言えるか!!??

 ここ界隈では常識だろうけど、
 世間的には常識ではないだろうことなので
 書くのですが、
 「粘り強く説得しました」は嘘ですよね。
 何回も「話し合いをしよう」と言ったのは「ホームレス側」。
 一言も答えなかったのは、市職員。
 どこにも「粘り強い説得」なんていう事実はなかった。
 「粘り強く説得をしています」と対外的に言っているのみ。
 これは本当。
 話しかけても無言だし、「強制撤去」は
 書面をテントに放り込んだのみ。
 なんの人間性のかけらも無い。
 というか話し合いする気、全くなし。
 こういうのも、報道だけではわからない事実。

 こういう対応をされてごらん???
 どれだけムカつくか。

 どうしても私はこっち側に立ちたい。

 「いや、やるならキッチリしないと。」
 「行政もつらいんだよ。」
 「統一の見解を取らないと。」
 「これも仕事だから。」

 という側にはできるかぎり立ちたくない。

 それは、ある。
 仕事ってあると思う。
 でも、それでもできることはあるでしょう。
 それをしないで、「仕事」って言うのは
 明らかにいい訳じゃないか!

 人間ってもっと人道的なことがわかると思いたい。
 そういう希望は持ちたい。

 私もできるだけがんばろうと思います。

 鬱だし、日記を公開していませんが。

その他の体験記

強制排除される人々(未定稿@京都)
長居公園、行政代執行(モジモジ君の日記。みたいな)
長居から戻って(Arisanのノート)
長居公園行政代執行の当日(シャノワールカフェ別館あるいは黒猫房主の寄り道)
「怒号が飛び交った」について(モジモジ君の日記。みたいな)
帰るとこねぇや(勝つ時だって、あるだろう)
大阪市の長居公園での行政代執行(A&U大阪)

◇(参考)写真で見る長居公園行政代執行抗議行動(アッテンボローの雑記帳)
◇(参考)長居公園行政代執行抗議行動の写真(アッテンボローの雑記帳)
◇(参考)写真報告・野宿者強制排除反対!関生支部が支援闘争 (KU会通信)

長居公園(壊れる前に…)
六時半 ・七時半 ・八時 ・八時十分 ・八時二十分
八時半 ・八時四十五分 ・九時 ・九時半 ・九時四十五分
九時五十分 ・十時十五分 ・十時五十分 ・十一時 ・十一時二十分 
十一時四十分 ・十一時四十五分 ・十二時
長居公園、2007年2月5日

様子(釜パト活動日誌)
職員 ・開演 ・代執行開始 ・テント
舞台 ・撤去 ・現在 ・抗議
作業 ・排除 ・排除2 ・代執行 ・明日

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  • 草加さんお疲れさまでした。速報版のリアルな報告と「じろりろぽん」さんの文章を読ませていただき、いろいろ考えさせられています。大阪市の当日とった行動についてはもちろん、その後の「10万円ふだっくってヤルゾ」発言など、思い出すだに脳内が沸騰します。でも、怒りということで言えば当事者のかたがたは傍観者の私などよりもっと深いものが当然あったであろうし、そうであるにもかかわらず、当日野宿者のかたがたが非暴力不服従という行動のかたちを貫かれたことには本当に頭が下がります。「じろりろぽん」さんのお話の中にある芝居にしてもそうですが、当日の闘いのかたちは、(経緯を考えればこの間のと言ったほうが正確かもしれませんが、)当該の方たちの、それ自体が困難な闘いともいえる「日常生活に根ざす」なかから生み出されてきた「闘い」の形であろうし、そこで作られてきた支援や地域住民のひとたちとの関係性の厚みが無ければ生まれなかったのでしょうね。そういう意味で、そこには6名の方以外で当日までに撤去に応じられたかたがたのそれまでの「営み」や思いも目には見えないけれど含まっていたのであろうという気がします。結果は口惜しいの一言ですが、参集していたみなさんは、その人間性の質において、倫理性において大阪市を圧倒しつくしていたのではないでしょうか。
    今後どのような方針をとられるかわかりませんが、とりあえず具体的に出来ることとして知り合いなどに状況を話してカンパなど送ることを今は考えています。

    *「じろりろぽん」さんの文を読んで少し。今のボロボロの私には到底望めない「しなやかさ」を感じて、もう少し素直にならなきゃいかんのかな、でもいまさら無理だなやっぱ、などなど、いったりきたり。久しぶりに似合わない自己反省などというものをちょっとだけしてみました。本題とはずれ申しわけないですが、紹介してくれた草加さんと「じろりろぽん」さんに感謝。