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カテゴリ: 議会と選挙

左派は民主党以外に投票を

某巨大SNSに掲載したら、結構な反響があったのでこちらにも載せておきます。
今回は保守・改憲政党の民主党ではなく、自分の好きなところに入れることができる(一人区を除く)のは大変に嬉しいことなのですが、そうなると「どこに入れるか?」で皆さんすごく悩んでおられるようでした。

さて、ここからが本文なのですが、私たち左派有権者にとっての今回の参院選の「獲得目標」は

1)与党の議席を一つでも減らす
2)参院での与野党逆転を実現して国会から強行採決を減らす
3)9条改憲反対派の議席を3分の1以上確保する
4)もって安倍政権を打倒する

の4点に集約されると思います。

1)の達成はほぼ確実。2)の目標についても油断はできませんが、どうやら目処がつきつつあります。
そこで次に問題となるのが3)の目標です。

AMLで流れていた分析なのですが、ここにきて、従来の「野党の票が分散して自民が少数でも勝ってしまう」というのとは全く逆の問題で、「民主党に過度に票が集中しすぎる」という問題が出てきました。このままでは改憲反対派の議席がかえって減ってしまう可能性が高いです。今回は一人区以外の地方区において、左派は従来の「当選可能性がある野党候補への票の一本化」ではなく、民主党以外への票の分散化を提言します。

たとえば私の選挙区は定数2ですが、現在トップを民主党候補が走っています。2位が自民党で3位が共産党です。特に野党票がかつてなく民主に集中しており、共産党が従来以上に苦戦。このままでは民主・自民で議席をわけあうことになり、結局は順位が変わるだけで、議席の配分は以前のままということになります。ここでもし、1位の民主党候補への投票を、少し3位の共産党に振り分けることができれば、2議席を野党で独占することも可能となります。自民党が得票を減らしている今だからできることです。

もちろん民主党の支持者と共産党の支持者はあまり重なっていないでしょう。しかし、特定の政党を支持しているわけではない、私たち一般の左派(政権批判派)は、今まで野党の議席を増やして政権に打撃を与えたいという一心から、その可能性が最も高い民主党に投票してきた人が多いと思います。そして当選の見込みのない共産党の泡沫候補が、「票割り」の役割を演じて自民を助けるのを忸怩たる思いでみてきましたし、反安倍-反ファシズムの統一戦線の実現を熱望してきました。

が、今回はその投票行動を見直して、一人区以外の地域においては、民主党以外の野党候補(具体的には社民・共産・9条ネット・護憲派無所属など)に票をふりわけることを呼びかけます。ただし与野党逆転の鍵を握る一人区においては従来通り民主に表を集中させるのが得策です。逆に言えば、今回、民主党の利用方法は、一人区で全勝させてやればそれだけで与野党逆転はほぼ確実になる(目標2)のであり、それ以外では社共などの明確な反改憲派候補に投票するべきだ(目標3)ということです。

だいたい私たちは安倍政権を打倒するために、言葉は悪いけれども民主党を「利用」してきたわけです。政党というのはいずれにせよ国民が国政に民意を反映させるために「利用」することが存在意味なのですから、そのことは悪いことではありません。今回は地方区において民主党とその他の野党をあわせれば二人が当選できる=自民を一人減らすことができるのに、民主党が1、5人分とか2人分の票を独占するのはもったいないということです。

共産党支持者の皆さんは、今こそ本物の「確かな野党」の出番とばかり、この選挙での躍進を信じて疑わず、大変に意気軒昂なようですが、とんでもない!本文にも書きましたが、今のままでは民主党躍進の思わぬ副産物として、改憲反対派の議席がかえって減ってしまう可能性が高いと思っています。 「確かな野党」のスローガンは、与党が選挙制度のペテンのために民意を超えて強すぎる時には説得力がありました。しかし、与党の過半数割れが現実的な状況では、かえって「そんなもの別にいらない」ということになると思います。

私たち左派は民主に投票する時でも「所詮は保守政党だから将来的には信用できないが」という前提をつけてきたわけですけれども、その「将来」が現実のものとなり、いよいよ民主党(保守2大政党制そのもの)と闘わなくてはならない日も近づいていると感じます。

ただしその闘いは「左派の復活・再生」とセットの過程でなくてはなりません。つまり左派が民主党に頼る必要がなくなり、民主党も左派の票をあてにしなくても自公と闘えるくらいに強くなった未来での闘いでなくてはならないということです。 そうでなければ都知事選と同じく、反ファシズム勢力の内輪もめにしかなりません。

共産党に限らず左派の人々は、むしろ現状に震えるくらいの危機感を持ってもいいくらいだと思います。

●2007参院選3人区情勢と2007参院選投票指針(太田光征さん作成)

複数の方から、3人区でどう投票したらよいかと質問を受けました。皆さん困っている様子です。
私が提案している「2007参院選投票指針」では、<民主党へは1人区だけ>としています。

7月20付け朝日新聞が公表した参院選情勢調査の結果を平和への結集ブログにまとめてありますが、3人区情勢について補足するとともに、3人区との関係で、指針の狙いを再度説明します。

■ 2007参院選――選挙戦情勢
http://kaze.fm/wordpress/?p=139
■ 2007参院選投票指針――有権者選挙共同で9条護憲派「3分の1」突破と与野党逆転が可能
http://kaze.fm/wordpress/?p=133

(1) 2007参院選3人区情勢(埼玉・千葉・神奈川・愛知・大阪選挙区)

埼玉、千葉、大阪の各3人区は、民主党候補がそれぞれ「堅調」「安定」「独走」の表現でトップに立ち、次いで自民候補などの順になっています。ここでも、野党候補の当選者数を最大化させる上で障害となる、民主党候補への票の集中現象が起きています。

民主党トップの票を他野党候補に回せば、野党2議席の確率が高くなるでしょう。

【詳しい情勢】

3人区で民主党候補に票を集中して民主党候補の当選がより確実になるのは、埼玉、千葉、神奈川、愛知選挙区の各1人、計4人しかいまん。大阪選挙区は民主党単独候補が情勢1位なので、民主党候補に票を集中させると野党もう1人の当選が危うくなります。

朝日新聞の情勢調査によれば、大阪選挙区を除く4選挙区では、各区で2人立つ民主党候補のうち、1人が情勢3位につけています。それら4氏のうち、千葉選挙区の加賀谷氏が「護憲派」である以外、埼玉の山根氏は「保守・準保守」、しかも日本の核武装に関する毎日新聞のアンケートに対して、「今後の国際情勢によっては検討すべき」と回答しており、神奈川選挙区の水戸氏、愛知選挙区の大塚氏もともに、「保守・準保守」です。分類は下記ブログ記事参照。

■ 私の視点 ―「07年参院選・民主党公認候補者《護憲派》《明白な改憲派》リスト」(東本高志氏作成)
http://kaze.fm/wordpress/?p=132

同調査によると、埼玉、神奈川、愛知選挙区の各区で2人立つ民主党候補のうち、護憲派候補は保守派候補よりも情勢上位につけています。また、下記の「原発アンケート」に回答している3人区の民主党候補者は、埼玉の行田氏、千葉の加賀谷氏、神奈川の牧山氏、愛知の谷岡氏のみで、いずれも護憲派です。

参院選.com 候補者公開アンケート
http://saninsen.com/

(2) 2007参院選投票指針

「2007参院選投票指針」は、1選挙区内の当選者数の収支にこだわらず、全国収支を重視し、自分が住む選挙区以外の有権者の投票行動に良い影響を及ぼすことを狙ったもので、また次期衆院選なども見据えた提案です。

この指針は、主として2種類のバーターから成ります。

■ 民主党支持者(民主党寄り無党派)―護憲派有権者間バーター(主に1人区)
■ 共産党支持者―社民党支持者間バーター(主に複数定数区)

29もある1人区での有権者選挙共同は特に重要で、有権者がバーター投票に応じたくなるような指針でなければなりません。3人区でも民主党候補を優先する必要がないとの提案は、次期衆院選なども視野に入れ、1人区に住む護憲派有権者のそうした動機付けを考慮、優先した結果です。

太田光征
Global Progressive Media Action
http://homepage3.nifty.com/antiwar/
(以上は転送・転載OKです)

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  • 民主党は農家への所得保障制度を臨時国会に提出する。この制度ではすべての農家に市場価格と生産価格の差額を私たちが納めた税金から支給する。農家は何の努力もせずに人件費や人員を増やすことによって収入を現在の何倍にもすることができる。そしてそれは国民の負担としてのしかかってくる。農家の自助努力を阻害するこの制度は参議院選挙において残念ながら農民票を獲得に成功した。
    民主党は日本を社会主義国として国力と低下させ、国民を貧民化する恐るべき政党である。