左翼はフェミニズムの問題意識に学びつつも、それをどう批判的に超えようとしたか。
この頃中核派から分派した通称「試練派」(後に「第四インター・ボルシェビキ派」に改称したが現存していない)の『単婚と家族』(宮崎杏子著)という本の水準が非常に高く、各地区で購入して尊敬をもって読まれていた。また、ベストセラーだった『シンデレラコンプレックス』(コレット・ダウリング著)の指摘が、活動家にとっても極めてシビアな(つまりめっちゃ思い当たる)内容を含んでいたことなどから当初はこれらの文献を素材にして党内論争が組織され、一時期はかなり活発に展開された。
ここでは、この論争全体の経過を解説した「解題」と、「目次」を電子化して紹介しておきます。ちなみに表紙の写真はソウル梨花女子大学で民主化闘争を投石で闘う女子大生達(87/05/26撮影)。
『第二の性』をこえる女性解放闘争の方向 :須美 玲子
『理戦』17号「女性解放闘争の方向」を読んで :水野 あき
水野さんへの反批判 :須美 玲子
須美玲子「女性解放」論文によせて :立原 みづほ
レーニン主義党から逃亡するアダチグループ :須美 玲子
●書評『シンデレラ・コンプレックス』
一歩一歩イストへの道を歩んでいく :関原 令子
政治組織指導をやり抜く女性革命をめざして :桑田 康子
世界史という大空に翔びたっていくために :高峰 ともえ
女性の依存性を克服し地区党建設をやり抜く :夏沢 圭子
革命家としての「自立精神」獲得をめざして :仁科 ゆう
子持ち活動家として新たな飛躍をかちとる :川村 ひとみ
自己との対決を恐れず前進していきたい :浅井 桐子
武装せる人民の進撃に応えたたかい抜く :遠藤 敦子
世界にクワをうち込む女性革命家をめざして :原 路枝
●書評『私にも話させて』ドミティーラ著
中米女性革命家に学び前衛としての飛躍勝ち取る :添野 さゆり
第三世界人民の主体的階級的成熟に学ぶ :浅井 桐子
<研究ノート>女性解放と単婚家族の止揚 :須美 玲子
戦旗派女性解放論の構築 :森下 香
家族の止揚を価値法則の止揚と統一的に論じる必然 :高峰 ともえ
須美論文は戦旗派女性解放論のコアたりうるか :野平 拓馬
プロレタリア女性存在の対象化こそ女性解放論の課題 :仁科 ゆう