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カテゴリ: 反戦反安保

テロ特措法:アフガンではなくイラク戦争に補給していた

 9月1日未明に放送された「朝まで生テレビ」で江田けんじ議員(無所属)が、自衛隊がテロ特措法を根拠として行っている米英軍艦への燃料給油は、その85%がイラク戦争に対して行われていることを暴露し、波紋をよんでいました(左の映像)。

 いつもはかまびすしい「論客」たちも静まりかえり、江田氏が示した米軍のWebにはアクセスが殺到し、番組の放送が終わるまでにダウン。現在のところ問題のページは削除されています。

 さらに後半では自衛隊自身が、テロ特措法の元で、自分たちも米英のイラク侵攻に”同盟軍”として「参加」しているという認識をもっていたことを示す資料も示されました(ただしこちらはずっと以前に共産党も指摘していたもの)。

 思えばヒゲの隊長こと佐藤氏の発言も、単純な「軍律違反」というより、自衛隊-防衛省のこういう認識が背景にある根深いもので、そういう意味では二重の意味で「言ってはいけないこと」を安いヒロイズムと自己陶酔で簡単に口をすべらしてしまった軽い人なのかなと思います。

 いずれにせよ、このことによって、テロ特措法延長や自衛隊イラク派兵で与党が主張してきた二つの前提、「テロ特措法は(主要国が概ね肯定している)アフガン戦争への支援でありイラク戦争とは関係ない」、「イラク戦争での自衛隊の活動は人道復興目的に限られている」ということが、両方とも崩れ去りました

 同日昼の「サンデー・プロジェクト」で田原総一朗氏に事実を確認された自民党の石原政調会長は「法的な問題はない」と完全に開き直る戦術に出ています。では、今までの主張はなんだったんでしょうか?隠している事実をすべて公開した上で、議論を最初からやり直す必要があります。

(以下、テープ起こし)

【司会(田原総一郎)】
 あのー、江田さん、もう一度さっき……

【江田けんじ】
 ええ

【司会】
 大事なことを実はおっしゃったんだけど

【江田】
 (うなづく)

【司会】
 補給していると、燃料を。しかしその補給の内容がどうだっていうのか。

【江田】
 いやこれがねぇ、もう驚いたんですよ。

 そのねぇ、私も耳には、噂では、してたんですけれども……
 あの(資料を用意しながら)実は、その補給の、さっき「情報公開」ってのがありましたけどねぇ、これはあのー、自衛隊、防衛庁が発表した資料でもですねぇ、それぞれカナダだフランスだドイツだってやってるんですけどね(江田氏の持つ資料が映る)、アメリカとイギリスだけにはですね、アメリカ、イギリスの補給艦に補給してるんです

【司会】
 えっ?

【江田】
 要は、自衛カン[発言ママ]の補給船がですね、アメリカとイギリスだけにはですね、アメリカ、イギリスの補給艦に補給してるんです。

【司会】
 補給艦? どういうことですかそれは。

【江田】
 補給艦が補給艦に補給してるんです。これは自衛隊の資料でも明らかになってますね。
 それで私も調べてみようと思って、あのー、これなんですよね……

【司会】
 アメリカの?

【江田】
 ホームページ。要するに「第五艦隊」のホームページですよ。(資料を示す)

【司会】
 第五艦隊、はい。

【江田】
 第五艦隊の、アメリカの、海軍の。

 で、そこに驚くべきことが書いてあって。これ「オペレーション・イラク・フリーダム」、要するに「イラクの自由作戦」で、その、「有志連合」が何をやっているかという項目がありましてね(資料をめくる)、で、そこにスペインだカナダだっていうっていうふうになった中にですね、こう書いてあるんですよ。

 「日本の政府はこれまでに、8,862万9,675ガロンの貢献をしてくれた」と、書いてあるんですよね。これね、「8,862万なにがしガロン」ってのはキロリットルに直すと「30万キロリットル以上」ですね。

 で、これとですね、防衛庁が発表しているこれまでのアメリカ艦船への補給が、「38万キロリットル」なんですよ。ということはどういうことか。

 「38万キロリットル」自衛隊の補給船が米国の補給船に補給した油は、ですね、その8割以上は、イラクの戦争のために使われている、ってことがわかったわけです。

【司会】
 つまりアフガン戦争じゃないんだ。

【江田】
 アフガン戦争じゃないんです。

【司会】
 アフガン戦争に補給するんじゃなくて、実は、アフガン戦争に補給すると見せかけながら、実はほとんどがイラク戦争への補給になってるんだ

姜尚中ら@外野席】
 イラクとアフガンはね、はっきりと分けられな……がやがやがやがや

【司会】
 ちょっと待って。江田さんの発言は重大な発言で、日本人のほとんどが、アフガン戦争のための補給だと思ってるのが、実はイラク戦争の補給であった、と

【江田】
 そうです。

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【姜尚中】
 今の現状でですね、海上掃海はほとんど意味がないですよ。

【発言者不明】
 人道復興支援……[聞き取れず]

【司会】
 いや意味は……

【その他大勢】
 がやがやがやがや、意味がないことはない……

【江田】
 もう一回事実関係をちょっと。森本先生に反論するとねぇ、2003年にね、そのー、アメリカ軍の横須賀基地ありますね、そこの機関紙に「シーホーク」ってのがあるんです。

 でその「シーホーク」の一面にね、えー、この、イージス艦の「きりしま」と護衛艦の「はるさめ」と補給艦の「ときわ」の写真が載っててですね、広報してるんですね。(唇を噛んでうつむく森本敏氏の顔がアップになる)

 (江田氏が資料を音読)「イラクの自由作戦を支援するためインド洋に配備され、5月20日、母港の横須賀に戻ってきたと指摘」。「イラクの自由作戦における同盟軍の海上作戦を成功させる手段であったというふうに強調している」、と。

 でそのときにですね、それに乗って帰ってきた海上自衛隊の曹長[←漢字が違うかも]がですね、えー、「ときわ」は……「ときわ」ってのは補給船ですね……「(『ときわ』)は同盟軍の艦船に230回以上の給油を行い、600人以上が、『イラクの自由作戦』に参加した。『きりしま』、『はるさめ』が持つ高度な通信能力は」……「きりしま」ってのはイージス艦です……「『イラクの自由作戦』の期間中、同盟軍の艦船を大いに助け、高い有用性を証明したと述べた」、と報じているんですよ。(資料の音読ここまで)

 で、これはねえ…(失笑)、今みたいな言い訳(森本氏を指す)じゃあ通らない。(苦虫を噛みつぶす森本氏のアップ)

 それから「キティーホーク」にも補給してて、「キティーホーク」ってのはイラク南部を空爆した空母ですから、当初。
 これはもう明らかになってますからね。「キティホーク」にも給油してるわけです。

 ですからね、イラク戦争に「人道復興支援」だから許される、みたいなね、全然崩れちゃうんですよ。

【司会】
 そういうことがぁ、当然防衛庁は知っていて……

【江田】
 もちろん知ってます。
【司会】
 国民を騙したって……(語尾不明瞭)。

【江田】
  (うなづく)

【姜尚中】
 「騙した…」(失笑)

【発言者不明】
 答弁とは完全に矛盾する。

—————————————

 この後、森本氏より「陸上部隊にはイラク、アフガンの区別はあっても、空域、海域には区別がないのだ」との説明があった。
 自民・民主の議員は、この段階ではともに「持ち帰って調査してみる」との返答。

――テープおこし:
tnfuk [today’s news from uk+]様
http://nofrills.seesaa.net/article/53522653.html
――YouTube動画:
テロ特措法:アフガンではなくイラク戦争への補給
http://www.youtube.com/watch?v=HKviUdWOUaU
↑消される前に各自で保存を!
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参考

テロ特措法延長に反対54・6%民主、自信深める(サンケイiza)
 産経新聞社とFNNの合同世論調査で、テロ対策特別措置法の延長に反対が54・6%を占めた。延長反対を鮮明にしている民主党は「国民がわれわれと同じ思いを持っている。心強い」(松本剛明政調会長)と自信を深める。これに対し、政府・与党は危機感を強めている。
※同記事中においては「国民はイラク問題と混同して、アフガニスタン支援であるテロ特措法に反対しているのではないか。世論が背を向けるかもしれない」(民主党ベテラン)というコメントを紹介して「サンケイらしさ」を出しているが、せっかくのサンケイさんの特措法延長のための配慮も、これでは面目丸つぶれというもんである。

アフガン支援の「テロ特措法」で、海自の給油の大部分はイラク用米艦隊に?(日本がアブナイ!)
 しかし、石原氏は誰か専門家と打ち合わせて(屁理屈を用意して?)来たのか、かなり開き直った感じの説明を行なった。(ーー;)
 彼は、テロ特措法は「テロとの戦い」を支援するために作られたものだから、アフガニスタンにかかわらず、イラク戦争のために活動する米艦隊に給油しても構わないという趣旨の見解を述べたのだ……え~~~? それは、あまりにコジツケでしょ~~~?(゚Д゚)
 ……国会で法律が作られた時に、アフガニスタン攻撃だけを前提に審議されたのは明らかである。……もし、このイラク関係の艦隊への給油を「テロ特措法」で行なうのがOKなら、これからアメリカが「テロとの戦い」だと言って行なった攻撃をする時は、いつでも、この法律を用いて後方支援できることになってしまう。……きちんと国会で審議をして、対象地域や支援の内容などを吟味した上で、(特措法として個別に)規定を設けようというルール&その趣旨がないがしろにされてしまうことになる。

「自衛艦はイラク戦に参加」アフガンテロ対策のはずが…米海軍機関紙が報道(しんぶん赤旗)
 「ときわ」はオマーン湾で、イラク戦争に向かっていた米空母キティホークに、米給油艦を通して燃料提供を行っていますが、防衛庁は、アフガニスタンでの対テロ作戦を支援するテロ特措法にもとづくものだ、と弁明。
 石破茂防衛庁長官は、米軍に提供した燃料がどのように使われるかは「日米間の信頼関係」だと答弁していました。

自衛隊給油をイラク戦争に転用?…テロ特措法(江田けんじNET)
江田けんじさんの発言(長野智子ブログ)
自民・石原政調会長がテロ特措法をめぐり「イラクへの給油しょうがない」発言?(辻元清美のつじともWeb)

イラク戦争と日本―『朝生』テープ起こしとソース探索(today’s news from uk+)
じつはイラク戦争のための「テロ特措法」(つぶやき手帳)
〔英文資料〕海上自衛隊のインド洋給油はイラク戦争用が85パーセント(低気温のエクスタシー)
インド洋給油の8割以上が実はイラク行きだった(Mac-de-cocolog)
イラク戦争向けに給油していたらしい(Jin and Tonic)

海自の給油はイラク戦争向けが85パーセント(ネットゲリラは潜水艦戦である…)
遠藤農相が辞任+テロ特措法によるイラク用の給油は、最初から国民をだます気だったのかも(日本がアブナイ!)
いろんなニュース14(言ノ葉工房)
TV嫌いの私が朝ナマテレビをウン年ぶりに見ました。「イラクの自由作戦」を考えよう!(晴天とら日和)
迂回融資は犯罪なのに迂回給油は犯罪ではないのか(反戦な家づくり)

コメントを見る

  • 民主党の小沢一郎は原理主義者である。国連中心主義も小沢原理となっており、テロ特措法に反対する根拠となっている。
    小沢一郎の国連中心主義は、幼稚であり問題である。それは、
    国連は第二次世界大戦の戦勝国(米、ロ、中、英、仏)のために組織された機関でありこれらの国は常任理事国として拒否権を持つが、
    敗戦国の日本は拒否権を持たない。
    国連憲章には、未だに敵国条項(第107条)があり、日本は敵国と規定されている。
    国連は日本のためにあるのではなく、国連が日本の安全を守ることは、あり得ない。
    小沢一郎の素人外交政策は日本の国益を危うくする。