生きるために、別れるしかなかった
知られざる“脱北”の真実を描いた驚愕の大ヒット作
2002年に北朝鮮難民(いわゆる脱北者)たちが在北京のスペイン大使館へ駆け込んだ事件をモデルに、実際の北朝鮮難民たちの証言や世界各地のニュース映像などをもとに、北朝鮮難民たちのリアルな現実を描いた映画。出演者やスタッフの中にも北朝鮮難民がいるため、4年間の制作過程はすべて非公開で秘密裡に進められたという。
主人公は北朝鮮で暮らすごく普通の父親だ。彼は妻の薬と家族の食料を求めて脱北せざるを得なかった。だが母親は亡くなり、一人残された11歳の息子は彼を探しに旅立つ。映画は二人の残酷で悲しいすれ違い(クロッシング)を描く。
いわゆる脱北者はまぎれもなく難民だし、私たちはもっと彼らの置かれてきた現状を知る必要があると思う。そして彼らのために、同じ人間として何ができるかを考えたい。
同時に、難民を「政治難民」だの「経済難民」だのに色分けすることの無意味さを思う。この映画でもわかるように、両者にはっきりした境界などないし、難民であることに何の変わりもない。生きることは犯罪ではないのだ。ましてや朝鮮半島の現状には、私たち日本人にも責任があるのだから。
( 一年ほど前に登録した動画ですが、ついに日本公開となりましたので、あらためてあげておきます。)