昨年3月にウィメンズマーチが熊本で初めて開催されたとき、新型コロナウイルス感染症は拡がりを見せ始めていました。当時は女性の派遣切りなどを懸念していましたが、その後の1年間で、ケア労働(家事、育児、介護など)時間の増加、DV被害の増加、女性の多いエッセンシャルワーカーやセックスワーカーの労働環境の悪化、収入の減少や失業、自殺の増加など、女性を取り巻く環境は厳しさを増しています。
また、熊本では技能実習生が出産した乳児を放置する事件が発生しました。表立って見えなくても、2020年6月現在、熊本県内には約8,800人の技能実習生が暮らしています(注1)。今や外国人労働者なしでは成り立たなくなった日本の経済のもとで、熊本でともに暮らす人間として、搾取や移住民の権利、リプロダクティブ・ライツ(性と生殖の権利)について改めて考える必要があります。
さかのぼってみれば、いつの時代にも見えないことに目を向け、小さな声を丁寧に聴いてきた人たちがいました。「ささいなこと」や「仕方がないこと」に声を上げ続けた女性たちがいるからこそ、社会は少しずつ変わってきました。3月8日(国際女性デー)は、声を上げ、女性の権利の回復に努めてきた女性たち一人ひとりを祝福する日でもあります。
しかし残念ながら、日本にはいまだにジェンダーに基づく著しい差別があります。それはジェンダーギャップ指数(2020年、153か国中121位)という形にも表れてます。熊本県だけを見ても、熊本県議員のうち女性議員率は4.1%にとどまっています。さらに、熊本県内には女性議員が1人もいない町村議会もあります(注2)。
このような数字は、ジェンダーに基づく差別は私たちの社会システムの一部と化してしまっている―つまり構造的である―ということを表しています。この構造を保持しているのは一体誰なのか。先の森喜朗氏(東京五輪・パラリンピック組織委員会前会長・元首相)の発言は、到底受け入れることができません。しかしながらもっとも問題なのは、彼をそのポストに置くことを周囲が容認していたという事実です。そして、この構造こそを変えていく必要があるということに私たちは気がついています。
私たちは、もう声を押し殺すことはできません。もうこれ以上、不平等や暴力、ジェンダーに基づく差別に苦しむ一人ひとりの存在を無視できないのです。「ささいなこと」に気がつき、声を上げ続け、この社会構造を一緒に変えていきましょう。
熊本では、3月7日(日)に熊本市内を歩く《ウィメンズマーチ熊本2021》を実施します。翌8日には東京と大阪でもマーチが予定されてます。熊本から日本各地、世界とつながる第一歩を踏み出し、一緒に歩きましょう。
※ウィメンズマーチ熊本は、LGBTQ+、出自、民族、人種、国籍、障害、年齢に対するいかなる差別も認めません。
ウィメンズマーチ熊本実行委員会
注1 出入国在留管理庁「在留外国人統計」2020年6月
注2 内閣府「市町村女性参画状況見える化マップ」
2021年3月7日(日)14:00 白川公園
Sunday, 7th March, 14:00 Shirakawa park
3号線南下→水道町→通町筋→下通→新市街→サクラマチ→熊本市役所前→通町筋→上通→白川公園
Start : Shirakawa park →South along Route 3. →Suidocho→Torichosuji→Shinshigai(Sunroad)→Sakuramachi→City hall→Torichosuji→Kamitori→Shirakawa Park
私たちはジェンダーに基づく差別や性暴力の終わりを求めます。
国際女性デーを祝福し一緒に熊本市内を歩きましょう!
We demand an end to gender based discrimination and sexual violence. Let’s walk and celebrate International women’s day in Kumamoto together!
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企画・開催 ウィメンズマーチ熊本実行委員会
主催 NPO法人熊本YWCA
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