ことしのレイバー映画祭は豪華ラインナップ。労働映画の幻の名作『地の塩』をはじめ、本邦初公開の米国ドキュメンタリー映画『ユニオンタイム』まで見応え十分です。また「沖縄・非正規・派遣・運輸・外国人」など日本の現実を切りとった新作映像は、マスコミが伝えない「もう一つのニッポン」をあぶりだします。さあ、ことしも元気をもらいにレイバー映画祭に集まろう!
■ 日時:2018年9月1日(土)10.00〜16.50(開場9.30)
■ 会場:東京・田町交通ビル6階ホール
東京都港区芝浦3-2-22(地図)
JR田町駅「芝浦口」徒歩3分
■ プログラム
・終了後、ビル裏の公園にて二次会
・各作品上映後に制作者・関係者のミニトークあり
・プログラムは変更することがあります。HPでご確認ください。
・全作品をご覧になれます。出入り自由。
■ 参加費:
一般当日 1700円、前売・予約 1500円
失業者・障害者(一律)1000円
学生・20歳以下 無料
↓予約受付を開始しました。
http://labornetjp.jimdo.com
■ 主催・問合せ・予約 レイバーネット日本
TEL03-3530-8588 FAX03-3530-8578
ネット予約 http://labornetjp.jimdo.com
レイバーネットHP http://www.labornetjp.org
*映画祭を応援してください。基金カンパを歓迎します。またチラシ配布の協力者も求めています。→labornetjp@nifty.com
<作品紹介>
●『地の塩』<米国・1954年・ハーバート・ビーバマン監督・92分>
わたしは常々この映画を労働者のバイブルだと言ってきました。1954年米国の赤狩り時代の幻の名作ですが、なぜバイブルか? それはマッカーシズム(共産主義者攻撃)に抵抗し映画界から放り出されたハリウッドの映画人が、ハリウッドに対抗する本物の映画をつくろうとしたことです。それに当時のニューメキシコの亜鉛鉱山会社とたたかった労働者が協力して、自分たちの映画をつくろうと、さまざまな妨害をはねのけて完成にこぎつけたことです。これは、わたしたちレイバーネットの映画運動がめざしていることとも重なります。特にこの映画の主人公、希望のない日々を呪っていた鉱山労働者の妻エスペランサがストライキのなかで目覚めていく姿が素晴らしく、まさに<女性が立ち上がるとき>を鮮明に浮かび上がらせています。夫が彼女をひっぱたこうとして「そんな古い手を使わないで」と言うときのキリリとした彼女の表情が忘れられません。(木下昌明)
*1954年カルロビ・バリ映画祭グランプリ。日本初公開は1977年。
●『辺野古500人大行動』 制作 : 見雪恵美 2018年/25分
沖縄の人々の民意を踏みにじって強行されている辺野古の新基地建設。もう我慢できない!市民の力で工事を止めようと2018年4月23日〜28日の6日間、ゲート前座り込み大行動が取り組まれた。沖縄から全国から海外から人々はやってきた。カメラは機動隊との攻防だけではなく、沖縄の人々の心の叫びを生の声で伝えている。★初公開★
●『非正規に尊厳を!-メトロレディーブルース総集編』 制作 : ビデオプレス 2018年/55分
東京メトロ売店で働く非正規の女性たちが、正社員との格差是正を求めて組合を作ったのは2009年。この映画は、初めてのストライキから、会社との交渉、裁判提訴、地裁判決とつづく2013年から2017年にわたる5年間を記録している。「不当判決」にも負けず、新たなたたかいに挑むメトロレディーたちの怒りと感動のドキュメンタリー。★新作★
●『わたしは黙らない〜派遣労働者 渡辺照子のたたかい』 制作 : 依 草太 2018年/25分
派遣労働者として3か月更新を繰り返しながら約17年働いてきた渡辺照子さんは、2017年10月に突然、雇い止めを言い渡される。そんな渡辺さんの姿を追った。派遣労働という間接雇用の在り方はどうなのか。壊れたコピー機を取り換えるのとは訳が違う。声を上げられない人々の思いも背負って闘う渡辺照子さんの姿から今の日本社会が見えてくる。★初公開★
●『関西の生コン業界でいまなにがおきているか』 制作 : 全日建連帯労組 2018年/13分
「企業ゴロ」「タカリのプロ集団」「反日の団体」などの罵詈雑言。今年1月からレイシスト(差別者)集団による、全日建連帯労組関西生コン支部へのデマ攻撃が続く。レイシストを「傭兵」として利用するのは、生コンの業者団体・大阪広域生コンクリート協同組合だ。なぜ、このような事態になっているかを解明する。
●『技能実習生はもうコリゴリ〜ベトナム人の声』 制作 : 山村淳平 2018年/24分
日本政府は「技能実習生制度は国際貢献」とうたっています。ところが、その名がしめすとおりの技能実習ではありません。途上国への技術移転でも、ありません。技能実習生は労働者として扱われ、低賃金・暴力・セクハラなどの過酷な労働環境におかれています。しかも、労災事故が多発し、突然死や自殺などがおきています。多くの被害者をうみだす技能実習生制度は、本国で商品化され、安価な労働力として日本に輸出する形態をとっています。技能実習生のうち、もっとも多いのはベトナム人です。送りだし機関の実態をさぐり、元技能実習生の声をきき、そして日本で亡くなった技能実習生の遺族にあうため、今年(2018年)3月にベトナムの現地へと向かいました。★初公開★
●『ユニオンタイム〜米国精肉工場のたたかい』 制作 : 米国「声なき声プロジェクト」マーサー・バー監督 2016年/86分
米国ノースカロライナ州にあるスミスフィールド精肉工場。1993年に開業して以来、肉を加工する労働者は低賃金のうえ、過密なライン作業を強いられ指を破損する事故が多発した。その多くはラテン系やアフリカ系労働者たちだ。「職場環境を改善するにはユニオンをつくるしかない」と組合づくりを開始。会社の妨害が続いたが、16年をかけて5千人の組合組織化に成功した。このドキュメンタリーはその壮絶で感動的なたたかいの記録である。★日本初公開★