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会員日記

[旅とか]島旅雑記 その3(泣けたよ)

by 中野由紀子

つづき
浜辺には人が集まり始めていた。
灯篭流しを見守るために、みんな波打ち際に腰を下ろしてる。
道路近くには新盆を迎えた御霊、先祖代々の御霊を無事に彼岸へと
見送るための祭壇が設けられた。

島の人びとが氏名を書いた灯篭を持ち寄ってくる。
灯篭は波打ち際のござの上に並べられる。まだあたりは明るいけれど、
じきに陽が落ちて、三艘の船に分けて乗せられた灯篭は沖へと運ばれた。
沖には灯篭が点々と水面に浮かべられた。
船に間に合わずに遅れて持ってきた灯篭は、直接海に流します。

(ノ゚ο゚)きれい…… ……

祭壇では信仰深きお母さんたちによるご詠歌が演奏され、
お坊さんの読経とともにお焼香の列ができる。
お盆で帰ってきていた魂が無事にあちらへ帰れますよう、
また来年、お会いしましょうと約束するんだそうな。

浜辺には篝火(かがりび)が焚かれ、
さっきまでの賑やかな海水浴場とは思えない幻想的な雰囲気が漂います。
私は無宗教だけれども、こういう雰囲気が、案外好きです。
思わず、父のことや清志郎さんのことが浮かんで、
よっちゃんにも他の人にも気付かれないように
静かに泣きました。(´;ω;`)

沖を見やると、遥かかなたに一列に並んだぼんやりと小さな明かりが、
とても温かく灯っていました。
さようなら、また来年ね。

いよいよ白石踊りの始まりです。
歌い手は数人が交代しながら。どこの街にも村にも島にも、こぶしの回る歌の上手な人がいるもんですねえ。
今夜は盆踊りも兼ねているので、本踊りのようなきちんとした装束は少なく、誰でもが参加できるラフなものでしたが、しなやかな独特の踊りは初めて見るものでした。とても魅力的です。

おばちゃんの話では、昔はもっとみんなの信仰が深くて、それはそれは美しいものだったそうです。
たとえば、あの人は旦那さんが亡くなったんだねえとか、
あの人の家では今年が新盆だねとか、踊り方でわかるようになってたんだって。めずらしい。

踊りは明け方まで続いていました。
私とよっちゃんは一度帰って、持ってきた花火を浜辺でしました。
いい夏休みだったね。

* * * * *

次の朝、帰り支度をし、使わせていただいた部屋の掃除を済ませた。
涼しかった昨日とはうって変わって今日は本当に暑い!
帰りの船までは身体を休めよう。
いい島といい人と出会えたことをかみしめていた。

島に咲くブーゲンビリア

そんな時、超冷え性のよっちゃんが水着に着替えとる!

「ゆきちゃん、泳ぐよ!」
ええぇぇぇぇえ~、今からかよ!
気温が上がったら急に動き出したよっちゃんは、帰り際になってから
「カヤックに乗りたい」などと言い始めるのだった。
今度は私が浜辺でちーんと見守る中、アクティブにカヤックを漕ぎまくるよっちゃんであった。

* * * * *

おばちゃんにお礼を言って、「またご縁があったらね~」と見送ってもらって帰路に着いた。

笠岡の街に着いてちょっとお茶で休憩。
駅前の広場には「白石踊り」の大きなからくり時計があった。

もうすぐ7時だから動くぞ。ベンチに腰を下ろしてその時を待った。
そこにさっきまで地下通路で演奏してたギターを抱えた高校生三人組が来た。
まさか、ここでやるのか?

高「負けるかな~、いや、負けない!」

ええ!白石踊りにぶつける気かよ!旅人に配慮しろよ。
7時ちょうどに美しい調べとともにからくりが踊る。だのに、高校生も熱唱してる。
は~ 
最後にこんなかよ。
まあ、今年の夏休みは格別によかったんでいいにするか。
白石踊りのビデオも買ってきたしね♪

さて、みなさんはどんなお盆、夏休みだったでしょうか。
夏の疲れが出ませんように。

(。v_v。) あなたの街のお神楽・お祭り情報を、常時、募集してますよ。

end ( ´・ω・`)ノ~バイバイ

ゆきちゃんに拍手を贈る

中野 由紀子

こんにちは。ユキちゃんでーす。\(^^@)/ 無神経なセクハラ野郎が大嫌い。大人になってからはじめて左翼を知った。誰か私専用のメットを作ってほしい。かわいいのがいいです。

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  • はじめまして♪
    『白石島・キャンプ』で検索してこちらにたどり着き、島旅雑記を楽しく拝読させて戴きました。

    仕事や仲間とのツーリングでは何度も笠岡付近まで行ってるのですが、
    中学生の頃読んだ『…彼女の島』へは未だに渡ったことがありません。
    年が明けて暖かい季節が来たら、
    バイクで白石島へ渡り、ソロキャンプでノンビリした時間を楽しんで来ようかと…