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人間の尊厳(人権)

住民票削除:大阪市が「説明会は9日に開催」と回答

 大阪市より、先に労働者が2日に提出していた申し入れ書(文末に再掲)の回答を、9日(金)に行うという返事が届いたそうです。これは同時に大阪市が約束した「来週中に30人規模で話し合いに応じる」という約束に相応するものかと思われます。

 ただし、場所は大阪市役所や西成区役所などではなく、大阪南港を指定してきたそうです。こりゃまたえらく遠いとろこに!ちょっと釜ヶ崎の労働者が集まるには不便な場所ですが、労働者たちはこれを受け入れ、当日はバスを用意して皆で参加するそうです。

 まあこれで、話し合いの席に参加できない労働者も、表で結果を待つなどということが困難になったわけで、以下のビラにも書いてありますが、大阪市はよっぽど市民の目につく場所(特に市役所)に労働者が集まるのを恐れているようです。

 この「話し合い」がどのような形になるかはまだ余談を許しませんが、一方的な「削除の通告」では、ますます問題がこじれて泥沼化していくでしょう。大阪市が今までの尊大で無礼な態度をあらため、双方が納得する中身のある解決がはかられるよう、祈るような気持ちです。今までの市の「前科」を見れば、ともかく油断はできません。強い気持ちで臨まないといけないだろうと思います。私は祈ることしかできないのですが…。

 なお、自分の目で釜ヶ崎がどんなものか見たいという方は、事前に釜ヶ崎解放会館(大阪市西成区萩之茶屋2-5-23 電話・06-6631-7460 Fax・06-6631-7490)などに連絡をして、この朝のビラまきにもいっしょに参加させてもらってもいいかと思います。もちろん、先方にも都合がありますので、参加できる保障はありませんが、センター(職安)に仕事を求めて集まってくる日雇い・野宿労働者や、仕事にあぶれて仲間をさがす労働者たちの息吹にふれることができると思います。

 労働者たちはビラをよく受け取ってくれますし、本当に熱心に読んで意見も聞かせてくれます。実はここが「日本一政治意識の高い地域」という声もあります。ただし、日雇い労働者は年間通して朝の5時頃から仕事や求職などの活動をはじめますので、ビラまきも当然に朝の4時くらいからになります。

以下、そんな釜ヶ崎で労働者にまかれたビラを転載します。
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大阪市が「申し入れ書」に回答。23日の住民票削除はゆるさんぞ!
9日(金)、港区民センターへ行こう!(ひる2時、バス出ます)

釜ヶ崎風景

 釜ヶ崎労働者の皆さん、お早うございます。
 先週3月2日(野営闘争の最終日)に、私たちは大阪市に「申し入れ書」を叩きつけました。大阪市が同じ2日に、「住民票を削除するのは、3週間延期する」とフザけかた事を言ったからです。

 その内容は、1)延期するのが3週間て、その理由は何やねん2)3週間たったら、具体的に何する気なんや?3)飯場に長期滞在したり、長期間入院している労働者に対して、今回の住民票消除の件をどうやって伝えるんや?─という3点です。

 この「申し入れ書」に対して、大阪市が、「今週9日(金)に回答する」と言ってきました。しかし、皆さん。大阪市が指定してきた場所は、市役所じゃありません。港区民センターです。釜ヶ崎労働者が市役所に集まることを、よっぽど怖がってるわけです。

 労働者の皆さん!9日は、ひる2時にセンターからバスを出します。交渉は港区民センターで、午後3時~5時で予定されています。大阪市がちゃんと責任ある立場の人間が出てくるか、釜ヶ崎労働者のことをナメた回答をしないかどうか、みんなで港区民センターに押しかけましょう!

●大阪市が住民票削除しようとするのは、3月23日

 今月30日から大阪市議会選挙が始まります(4月8日投票)。大阪市は、それまでに住民票を消すつもりです。23日が住民票削除をする日になるでしょう。

 市役所前でのビラまき・署名集め、そして第2次野営闘争も準備しています。またこのビラで、労働者の皆さんにお知らせしていきますので、ご注目をお願いします。
 釜ヶ崎労働者の皆さん!これからも、ともにたたかいましょう!

2007年3月7日
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(再掲)労働者が2日に提出した申し入れ書の全文

申し入れ書
大阪市長 関淳一殿

2007年3月2日

本日、大阪市は、釜ヶ崎解放会館や「ふるさとの家」などに住民登録している、日雇・野宿労働者の住民票の消除を行う事を、3週間延期すると言明した。しかしながら、3週間後、住民票を消除するかしないかという点については、ただ単に「対応する」と言うあいまいな言葉で、大阪市は態度を明確にしていない。
ともかく、この3週間という期間の設定は、あくまでも、この4月に行なわれる選挙の前に住民票を消除したいと言う、大阪市の強い意志を感じざるを得ない。
よって、以下の3点について申し入れる。

1)住民票削除の延期期間を、3週間とした理由を明らかにされたい。
2)3週間後の対応の具体的内容について明らかにされたい。
3)飯場に長期滞在したり、長期間入院している労働者に対して、今回の住民票消除の件をどの様に伝えるのか、明らかにされたい。

釜ヶ崎労働者の住民票強制消除に反対する有志一同
連絡先:釜ヶ崎解放会館TEL:06-6631-7460
FAX:06-6631-7490

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