【4・15反対同盟団結お花見会における萩原進事務局次長の挨拶】
……いわゆる旬の野菜っていうのはそこにあるんですよ。それを無理してハウス栽培とか、促成栽培とか、抑制栽培とか、そういうものをもってして、その、食料をごまかそうとしているのが今のやり方なんです。
われわれがジャガイモを植えた時点で、もう何日かすれば九州のほうでは新ジャガができる。沖縄にいけばもう最適な気候になっているわけです。ですから、無理してそういう形で化学肥料あるいは企業の言いなりになって、資材のかかる石油製品のものを使わなくともですね、そういう形で、日本列島というのはできる地形になっているんです。ですから、そういう中で食料というものを考えていけばいいわけです。
それはTPPにも通じることで、今政府がやろうとしているのは、広大な面積において、そしてその中で、効率主義的にやっていけばいいんだというようなやり方を導入しようとしているわけです。それはあくまで机上の計算であってね。それを日本の農業の形態にあてはめようなんてのは、そんなやり方ってのは、絶対的にダメです。
ですから、自分たちはやっぱり、その地域にみあった、そして家族を主軸とした、そしてやりがいのある、そういう魅力ある農業を育てていこう、そしてそういう人たちと一緒になってやっていくと、そういうやり方の農業を追求したい。
そういうやり方を昔からやってきたわけですよ。それをいっぺんに変えようとしている。その一つの大きな転機が飛行場建設だった。市東さんの土地の問題にしたって、100年近い、一世紀近い耕作をしてきたわけですよ、もう本来であれば市東さんの土地なんですよ。それを一方的に奪い去ろうなんてね、そういう形でやってくるなんて、もうとんでもない話です。
ですから、そういう土地の問題だけでもこれは一時間は話したいんだけれども、そういう形で、土地そのものを商品化して、そしてそれを効率主義的に展開していこうというやり方が今の農業政策であるし、これに対して農地こそ、土地こそ、侵したら元にもどらないんだと、ですから耕す者に権利があるんだと、そういうことを今、本当に胸をはって言える時代にはいったんじゃないか。
本当にそういう意味でね、ほんとに今、めちゃめちゃなやり方しているでしょ、再稼動を今度は認めるって形で、なんとかして再稼動ありきで、認めるって形で今進めようとしているわけですよ。そうじゃないでしょやっぱ。今までの責任を明らかにしない、そして責任をとらない、こういう中でね、それをやっていこうなんてとんでもない話ですよ。3月集会でも言いましたけども、ガレキ処理にしたって、そういうガレキを作ったのは誰なんだと。
あの福島の集会で高校生が、経済を言う前に、人間の命のほうが大切なんだと、そして、この状況を作ったのは天災じゃない、人災なんだとはっきり言ったわけでしょ。年寄りはやっぱり、戦時中の問題を引きながら市民政策で、これで支えあわなくちゃならんと、農民は、自分たちは悪くないんだと、こういうことを実際におこしちゃダメだし、そしてこの責任を絶対にとらせるんだ!という形で発言した。そのことをわれわれはどうとらえて、どう実践していくかという問題ですよ。
そういう中ではね、これは絶対的に天災じゃない、人災なんだと、このことをはっきりさせ、認めさせるべきだと、そしてそういうことの中から、責任をとらしていくと、そして、ガレキにしたって、それを作ったのは誰なんだと、それをまた作ろうとするのが再稼動ですよ。決して「原子力をなくそう」とは言わないわけですよ、「こういう時だから、それを全国に一律化していこう」という。
こんな言い方はないでしょう。われわれはそういう責任を絶対にとらせる、そういうやり方をしていこうじゃないか。あらゆる現場であらゆる地域で、ガレキ処理の問題で住民説明会なんていらないだろうと、だったらそれに対して反撃を開始しようじゃないか。そういう中から今の政治、社会の問題を提起し、知らしめていく、このままじゃだめだということをはっきりさせていく。
TPPの問題にしたって、日本の圧倒的多数はね、まだまだ実態を知らないんですよ。そのことをわれわれは本当にほじくりかえし、そして満天下に示していくと。そして、今の、「がんばれ日本」じゃなくて、日本はもう、われわれがつくるんだというところに展開していく。今日のこの英気をそこにもっていきたい。
まあ………(無言で宙を指差して)、そこに謙太郎いますよ。そして幸司オヤジもいます。それからあの高台には、本当にわれわれの指導者であった戸村(一作)さんが、「あの飛行機を撃ち落せ」と、そういう発言をなされたここ第一(公園)でね、われわれが誰はばかることなく、他から見たら「なんの団体だろうか?」と、そういう中でね、大胆に花見を今日できたのはね、本当に嬉しいと思う。
彼らが作ってきた“葵の御紋”をね、われわれが踏み潰すんじゃなくて、それをもっともっと、二つも三つも全国に作っていく、そういう闘いをしたいと思います。よろしくお願いします。
(2012年4月15日談 三里塚第一公園にて 文責:草加)
◇萩原進著「農地収奪を阻む―三里塚農民怒りの43年」(編集工房朔刊)
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