6.22 官邸包囲に4万人!「紫陽花革命」に参加して

◆なにがおこっているのか理解しない政治家たち

 6月22日の【大飯原発再稼働決定をただちに撤回せよ!首相官邸前抗議行動】に参加してきました(→画像報告動画報告)。

 午後6時の開始時点(警察発表の時点)ですでに1万数千人という、官邸前行動としては空前の規模に達していましたが、さらに午後8時の終了直前には歩道のみならず車道3車線まで開放され、そこにぎゅうぎゅう詰めの人たちが六本木通りを超えて内閣府を完全に一周して再び官邸前の通りに出るまでぐるりと続き、さらに内閣府の向かい側の歩道にまで人があふれかえるような状態で、実数で3万人を軽く超えていることは明白でした。主催者発表では、途中で帰った人も含めた延べ参加者数は4万5千人だったそうです。

 この行動は、首都圏の市民らでつくる「首都圏反原発連合」が呼びかけ、毎週金曜日に実施しているものです(→呼びかけ文)。最初は元からの活動家ら300人程度ではじまったそうですが、野田政権の大飯原発再稼動の方針が明らかになるにつれ、主にツイッターなどで拡散されて一般の人々の参加が増えはじめ、やがては1000人→2700人→4000人と、回を追うごとに劇的に参加者が増加していきました。そしていよいよ再稼動が決定されるかもしれないという15日には1万人以上が参加しました。

 「再稼動決定」を取材するために官邸にいたマスコミにとっては、目の前で繰り広げられている大規模な抗議行動は絶好の被写体であったはずです。にもかかわらず、彼らは市民に背を向けたまま政治家達だけを映し続け、この大規模行動を報道したマスメディアはほとんど皆無でした。そのあまりと言えばあまりの不自然さがネットで話題となり、「ニュースにならないことがニュース」というようなありさまでした。こういう批判に押されて、この日の4万人行動は各社とも少しは報道したようですが、どれも「まあ、ご参考までに軽く読み飛ばしておいてください」程度のベタ記事扱いです。

 何がおこっているかを理解しないマスコミもそうですが、新旧の政治家たちも、いかにして次回の選挙をのりきるかしか考えていない。戦後かつて、今ほど個別の課題における「民意」というものが軽んじられ、無視された時代はないでしょう。その強烈な不満や危機感や怒りがこれだけの人を集めたわけで、同時にファシズム台頭の温床にもなっている、またはなりうるということを思わざるを得ません。

◆列の後尾まで響き渡る「再稼動反対!」の声

 さて、私が到着したのは午後6時20分すぎでした。地下鉄の出口から地上に出ますと、すでに歩道は人で埋まっており、「再稼動反対!」のコールが響き渡っていました。警察が封鎖しているため、官邸前の歩道を通ることはできません。抗議行動の人たちは、警察の指示に従って官邸を望む反対側の歩道の、しかもその半分ちょっとの幅のスペースに押し込まれ、そのため長蛇の列になっています。私も警官によってどんどん後ろに回され、官邸を背にして遠ざかりながら、列の最後尾をめざします。とにかくものすごい人!とんでもないことになっている!と感じました。

 すでにこの段階で列は国会、内閣府を超えて六本木通りに達し、なおも内閣府をぐるりと囲んで最後尾がどこかわからない状況でしたが、ちょうど六本木通りの交差点で知り合いのマイミクさんらと会い、そこで立ち止まってしばしの談笑になりました。そのあいだも「再稼動反対!」の声は響き続けていまます。

 前回は参加していませんでしたが、動画などで見ますと、やはりそういうコールは先頭部分だけでおこなわれており、やむをえないことなんでしょうが、後ろにいくほど静かになっていく印象でした。ところが今回は、どこまで歩いていってもみんなが声をあげ続けている。マイクもプラカードも何もない手ぶらの人々が、誰かしらが音頭をとって、みんなが「再稼動反対!」とコールし続けています。そのため、巨万の群集の抗議の声が官邸の中まで響き渡り、野田首相らが顔をこわばらせていたことが、その日のニュース映像で確認できます。また、参加者の顔ぶれを見れば、明らかにそれが「組織動員」などでもなければ、ふだんから活動しているような人たちでもない、そこらを普通に歩いているような人たちが大挙して集まってきているということがすぐにわかりました。そしてみんな怒っていたし、感動しているようでした。

◆どこまでも集まってくる市民たち

つまり、こういうこと

 そのうち、列の最後尾が内閣府を一周して、また官邸前にまで達してしまったようです。そのまま列を伸ばしても監視しきれないようで、参加者に歩道いっぱいに広がるように警察から指示がありました。同時に車道をつぶして仮歩道ができましたが、そこを歩いているのも、ほとんどが最後尾をさがして歩いている参加者の人たちです。そろそろ午後7時に近くなっていましたが、なおも参加者はすごい勢いで増え続けていました。

 私もみんなと一緒に「再稼動反対!」のコールを続けていると、ふいにぎゅうぎゅうの参加者の波がぐらりと動いて、車道にあふれ出すや、そのまま官邸の方向にむけて歩き出しました。私は「えっ?」と思って何がおこったのかわかりませんでしたが、それでも官邸にむけて拳をつきあげ「再稼動反対!」を叫びながら、群集と共に車道を歩きはじめます。ちょっと興奮してしまいました(笑)。実はこのとき、警察が参加者の増加に歩道だけでは対応しきれず、ついに片道4車線道路の車道を、一度に2車線も開放せざるを得なくなったのです。さらに時間がたつにつれて3車線、最終的には3車線半くらいまで開放され、それでも人があふれて、内閣府の向かい側の歩道いっぱいにまで人があふれました。向かいの歩道は警察が規制していたはずなのですが、もう警察も見てみぬふりをするしか仕方ない。

◆解散の風景さえ感動的だった

 ちょうど私のいた周辺で、太鼓や横笛などを持参した若者たちが即席の(?)ドラム隊となって力強い演奏をはじめました。私も含めて周辺の人たちが手拍子や「再稼動反対!」のコールで応えます。新しく車道が開放されるたびに警官が「前に詰めて!」と必死に叫んでいました。それでもあとからあとから参加者はひきもきらず、終了直前の時間になっても、新しい人波が駅の出口方向からいくらでもあふれてきます。すごい!本当にすごい光景です!感動して涙が出そうになりました。普段なら腹立たしい警察の警備の声も、この日ばかりはむしろ心地よいくらいです。はいはい、詰めますよ。なんぼでも。

 午後8時をまわり、先頭の呼びかけの皆様より伝令(というのかな)の皆さんが巡回して、参加者に解散の要請がありました。もちろんこんな大人数が一度に解散できるはずもなく(むしろやったら周辺大混乱)、官邸に近い先頭部分より順次解散しながら、後方が前につめていく感じで解散しました。その間も「再稼動反対!」のコールはやまず、ほとんど歩道から3車線いっぱいにまで広がった超巨大なデモのような様相になりました。国会議事堂を背景にしてそれを見ながら、まさか生きている間にまたこんな光景が見られるとは!みんな怒っているのだなあ!としみじみ。それでも大きな混乱も小さな混乱も何もなく、順調に解散していきました。

◆妨害のウヨクさえもはやお笑い要員

 ツイッターなどでは、なんでもこの日、「在特会」が妨害行動を予告しており、とりわけ子供や女性を内側にして守ろうという呼びかけがなされていまして、私も若干は緊張していました。でも、私が開始30分後くらいに行った段階では、すでに彼らの存在は影も形もありませんでした。ひょっとしたらどっかにいたのかもしれませんが、大海の中のけし粒みたいなもんですから、参加者のほとんどは気がつきさえしなかったでしょう。

 どうも彼らの「作戦」では、抗議行動開始よりも一時間前に、いつも抗議行動が使っている官邸前の歩道を先に占拠してしまい、そこから警官隊に守られながら、抗議に来た市民に激しい罵声を浴びせ、再稼動反対の言論を弾圧・妨害するということだったらしい。いかにも街宣右翼が考えそうな「戦術」だけど、まあ、抗議の人々が数百人かせめて千人くらいだったら、それなりに「対峙した」演出にはなったろうが、ここまで人の波が巨大だと、単なるお笑い集団にしかなりようがありません。

 なんか動画とかで見ますと、横断幕は今までのものとは違い、それとなく「市民運動っぽい」ものにしていますので、写真だけなら「普通の原発賛成派」に見えなくもないということに成功しています。それはまあ、頑張ったね(笑)。ところが動画で見ると正体は一目瞭然。あからさまにゴロツキ「ウヨク」丸出しの男が警官隊に守られながら、参加者にすごんで脅迫を繰り返し、相手にされないとわかると、次は少しは意味のわかる言葉が話せそうな女性が出てきて、自分たちへの「反論」を懇願する。あほかいな!人の言論活動を弾圧にきたんだろうが、おまいらは!なんでそんな言論妨害に突撃してきたならず者に、その被害者のほうが貴重な活動を中止してまで「討論会」をしてやらなならんのか。他人に甘えるのもたいがいにしたまえ!

◆次回は6月29日に集まろう!

 つーことで、次回は6月29日の18時から20時の予定でこの行動は続きます。今回の参加者からは、マスコミが全く報道しないのに、ツイッターなどネットを介して参加者が倍増し続ける様子をさして、「紫陽花(アジサイ)革命」という言葉まで生まれています。年配の方々からは「60年安保」の経験と比較する言葉も出てきました。60年安保も、本当に人々が進行する事態に気がつき、いっせいに立ち上がりはじめたのは、実は警官を国会に導入して行った、衆院での強行採決の後でした。そのまま世論の前に参院での採決は不可能となり自然承認され、安保は阻止できなかったわけですが、それでも支配者たちに民衆への恐怖を植え付け、それは長く日本の政治を規定し続けました。

 それから長い年月が過ぎたせいで、今、私たちは支配者になめられきっているのでしょう。私たちは決して諦めないということ、民意をあからさまに無視し、なんにせよ次の選挙でどう上手に立ち回って「風」を受けるかしか考えていない、そんな政治家たちに、いったい今、何がおこっているのかを、今回をさらに倍する行動で思い知らそうではありませんか。

  1. noga

    それでも日本人は、原発の再稼働を選んだ。
    一億総ざんげへの道。動き出したら止まらない。
    この道は、いつか来た道。ああ、そうだよ、民族の歴史は繰り返す。

    意思のあるところに方法はある。(Where there’s a will, there’s a way).
    意思のないところに解決法はない。
    意思は未来時制の内容であり、日本語には時制がない。
    それで、日本人には意思がなく、解決法が見つけられない。

    耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、もって万世のために太平を開かんと欲す。
    座して死を待つか、それとも腹切りするか。
    私の父は、玉砕した。何のお役に立てたのかしら。
    安らかに眠ってください。過ちは繰り返しますから、、、、

    ああしてこうすりゃこうなると、わかっていながらこうなった、、、、、
    12歳のメンタリィティには、知恵の深さが見られない。

    白く塗られた黒いオオカミの足を見破ることは難しい。
    だます人は悪い人。だまされる人は善良な人。おとり捜査は難しい。
    この調子では、人の命はいくつあっても足りるものではない。

    http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
    http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/

  2. 田中洌

    在特会が妨害に来るというツィターを見ていたので、最初彼らを見物にいった。

    がっかりするほど程度が低い。
    知ったかぶり、見下しぶり、偉ぶりの見せあいっこだ。
    いなくなった母鳥を探すひよこのように弱っちくてよるべないなら、虎の威を借りて狼になりたいわけだ。
    そこには相互信頼ではなくただの信奉が、自分の考えではなく人の考えが中心を占める。

    「だれが見てもとりどころ無き男来て、威張りて帰りぬ。かなしくもあるか」(石川啄木「一握の砂」)――というやつだ。

    彼らの武器は暴力だ。
    暴力を取りあげられるとトンチンカンだ。
    「放射能は高いカロリーを持ったエネルギーです。原発の火を消すな!」などと訴え、見物している観客の失笑を買っていた。

  3. jrl

     お疲れさまでした。私も安全と判断した具体的な根拠も安全に関するガイドラインもなしに大飯原発を再稼働することには反対します。
     22日のデモの前に右から考える脱原発ネットワークの方々が在特会と道路使用に関してトラブルとなり統一戦線義勇軍の清和崇政治局長が逮捕されたようです。少なくとも在特会よりは思想哲学もしっかりしており、民族運動の大先輩でもある針谷大輔議長に対して「エセ右翼」とは在特会は何様のつもりなのでしょうか?彼らこそ日本を汚しているようにしか見えません。

  4. kuroneko

    29日の抗議行動に行きました。ずいぶん列が伸びてました。
    プラカードなどで野田首相を批判したものが目立ちました。収束宣言などで、姑息に現実をごまかす官僚に与する政治家、というイメージが強まっているように感じました。60年安保のときの岸首相にしろ、なんらかのキャラの立ち方をしていると運動は盛り上がるのかもしれません。

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