アクション

議論するのはいいことだ(上)-「テント村を守ろう討論会」に参加

【討論会】経産省前テントひろばを守ろう

 去る2月2日に「たんぽぽ舎」で開催された「討論会・経産省前テントひろばを守ろう」に参加してきました。これも2月頃に途中まで書いて放置されていたエントリですが、詳しい報告は大幅に省略して特に印象に残ったことだけを書く事にします(→アルバム)。

◆「そんな話にのれんなあ」と…

 実は私は翌日に大阪で開催される「関西大弾圧跳ね返そう!全国集会」に参加するつもりで、安い夜行バスなど予約していたこともあり、さほど大々的に呼びかけられていたわけでもない、こちらの討論会に参加するつもりはありませんでした。ただ、討論会のゲストスピーカのお一人として、右翼の針谷大輔さんのお名前があることで、何やらもめているというか、ツイッターなどで執拗にたんぽぽ舎に抗議している人がおられるというのは聞いていました。それで私はてっきり、「針谷さんが右翼だから」という理由で抗議されておられるのだと思っていたし、6・11新宿集会の時みたいに会場に乗り込んで実力行使みたいなことにならない限りは、「右翼(団体)との共闘」に原則的な疑問や批判が出るのはむしろ当然というか普通のことだと思っていたのです。

 ところがたまたまだったのかもしれませんが、私が見たツィートでは、反対の論拠として、針谷さんが「暴力主義的政治団体の議長だから」という理由(だけ)が強調されていました。針谷さん自身はあんまり「暴力的で恐い人」に見えないわけですが、ブログだかWebだかの昔の文章へのリンクを貼ってその根拠としておられました。んでまあ、右翼だからというならともかく、そんな警察の過激派キャンペーンみたいな話にはのれんわなあ、と思ったわけです(→参照「反G8デモの禁止と参加者逮捕を弾劾する」)。

 なんというかなあ、「ドヤッ!これなら右とか左とかの思想で排除してることにならんやろ」と言われてるみたいで、なんかすごく違和感をもった。はっきり言うと反感を感じた。暴力的という理由で排除するのなら、たとえば運動内部での仲間内への言動が暴力的(内ゲバ主義的)というのならわかるし、6・11新宿のときはそれゆえに批判したんだけど、そうではなくて思想や政治主張が暴力的というところまで拡大してしまうと、もう歯止めがないというか、じゃあ直接行動はどうなんだとか、いくらでも人によって判断の基準が伸び縮みしてしまい、かえってよくないと思う。だいたいそれじゃ俺も排除されかねんし(笑)。

 そんでまあ、いろいろ引っかかるものを感じてしまって、あれこれ考えているうちに、「考えてばかりいてもしゃあない、そんなにけしからん、けしからんと言うのなら、いったいどんなにけしからんか、自分の目で見てやろう」と思ったわけです。あ、もちろん「テント村を守りたい。そのためにいろいろしたい」という気持ちもありましたよ。そうでなきゃ、単に「原発を考える」とか「政治を語る」みたいな一般的な討論会だったら、きっとわざわざ足を運ぼうとまでは思わなかったろうから。

◆ゲスト三人のお話しから

 討論はまずゲスト3人のお話しからはじまりました。ゲストのうち江田忠雄さんは「9条改憲阻止の会」、針谷大輔さんは「統一戦線義勇軍」に属する人ですが、この日お二人はあくまでも個人としての立場から討論に参加し、自己の見解を述べるということで、組織名やその立場を背負っての参加ではないということでした。逆にもうお一人の大口昭彦弁護士は、あくまでも弁護士として法律問題の解説と質問に答えるという顧問のような形でいろいろ詳しくお話しくださいました。

 以下、こっから先はざっくりとはしょって書きます。
 まず江田さんは2011年の9・11 経産省包囲ヒューマンチェーンの際に「9条改憲阻止の会」メンバーでテントを張って座り込みをはじめたところから、やがて福島のお母さんたちらの抗議の拠点となり、全国の人々の希望と願いと怒りの結節点としてテントが大きな意味をもって成長し、早期に「改憲阻止の会の座り込み」ではなくなっていく過程の説明がありました。そしてテントの重要な意義に鑑み、もはや一団体の縄張りであってはいけないと、改憲阻止の会の内部討論を経て、自分たちの旗をすべて撤去し、テントに集まった人々の自主運営に明け渡していったという、テント村成立までの経緯、そしてテントの性格と重要性などのお話しがありました。旗を撤去して「みんなのテント」として明け渡すに際しての討論では、一部に異論も出たそうです。最初に自分たちがはじめた運動が注目されてきたところで、それを「手柄」とせず、運動全体のために身を引いて下支えに回ったことは立派だと思いました(→参考「こうして私たちは経産省前にテントを張った」レイバーネット)。

 続いて大口弁護士より法律的な問題について、テントの意義や予想される安倍政権の動向をもふまえつつ、20分間くらいに渡って非常に詳しく、またわかりやすい説明がありました。もちろん民主主義におけるテントの意義や、その緊急避難的な性格について、現在の日本の裁判所が耳を貸す可能性はほとんどないわけですが、いくつか予想される政府-経産省-警視庁の出方やその際の法的な手続き、そこでとれる(とるべき)私たちの対応、そして弁護団の活動や方針などについて見通しや説明がありました。ただそのあたりのこちらが立てている見通しなり方針については、ここでは書けないというか書かない方がいいと思いますので、そのあたりはちょっと残念です。

 最後に針谷さんのお話しですが、ちょっと私メモをとっておらず、その後の質疑応答や討論の内容とごっちゃになってしまっているかもしれないのですが、要するに煎じ詰めれば、テント村を守るためにも、それは「左翼の運動」になってはいけない、全国民的な運動であるべきだということかなと思いました。話はおのずと針谷さんの「得意分野」である右翼の動向についてになりますが、「右翼というのはおかしなもので、僕一人がかかわっているとなったらとりあえず襲わない。あれは左翼だから襲うべきだという他の右翼にも、テント村自体は左翼じゃないし、反原発に右も左もないと言っている。そうでなければ、街宣右翼20人くらいに襲われたら、テントなんて一日で蹴散らされるだろう」みたいなお話しでした。

 なんか聞いているうちに、「おいおい、それじゃあまるでテント村の存続は針谷さん一人の肩にかかってるみたいじゃんか」的な話になってきました。襲撃しようとか考えること自体が不当であるのに、テントを守るために右翼に気をつかうみたいのは、ちょっとおかしいというか本末転倒だと思います。そんな中でも今、右翼の中でテント村を左翼規定して襲っているのは「在特会」だけみたいで、そういう意味では彼らは「国土を守る」べきはずの右翼の中で原発問題では孤立しているとのこと。テントへの襲撃自体も20人くらいで押しかけてマイクでわめき散らすとか、夜中に数人が酔っ払って旗だかテントだかの支柱を折っていくなどのセコイ破壊行為くらいだそうです。

 その後休憩がはいりまして、周りの話を聞くともなしに聞いていますと、針谷さんの「右からの反原発デモ」に参加しているというノンポリ(右でも左でもないという意味で)の若者たちが、「別に左翼(扱いされるの)が嫌とかじゃなくて、そんなふうに安易に決めつけるところが嫌なんだよね」みたいな話をしておられました。

次回に続く

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