議会と選挙

2009都議選結果の分析(もどき)

09年都議選における与野党の絶対得票率 都議選の結果が出て、マスコミのみならず各ブログでもいろいろ取り上げられていますが、ここでは選管発表の数字を元に、そういうのとはまた違った角度から当日の都民の判断を分析してみたいと思います。つか、分析つーより「数字で遊んでみた」に近いんですけどね。

 なお、この合計数は中野由紀子さんと二人でスカイプ越しの共同作業にて、選管発表の画面をみながら数時間かけて電卓で手計算した(!)ものです。表計算ソフトなんてさわったこともないローテクな二人のやったことですんで、大きな打ち間違いとかあるかもしれん。だからあんま信用しないように(滝汗)。そのうちどなたかが表計算ソフトなどで正確なものを公表されましたら、修正するかもしれません。

◆有権者はどう行動したか?(絶対得票率)

 さて、まずは当日の有権者がどのような行動をとったのかを見てみたいと思います。なお、ざっくりとした結果だけを眺めるため、パーセント表示は小数点以下を四捨五入しました。だからまあ、だいたいの数字ですけど、そんなに大きくは間違ってはいない(はず)と思います。

 絶対得票率とは、全有権者の中で現実にどれだけの支持を集めたのかを示すものです。比例代表ではないので、各党別の計算をしてもあんまり意味がないと思いましたが、たとえば「40%以上の得票で歴史的な大勝利をおさめた」はずの民主党が、実は全有権者の2割ちょっとの支持しか得られていないことが絶対得票率を見ればわかります。自民党にいたってはわずか14%弱の有権者が同党に投票したにすぎません。

 こんなの今さら私が言うまでもなくみんなが思っていることでしょうが、要するに民衆にとって「支持したい」と思う勢力や政党が未だにないということです。支配層に押し付けられた「改憲保守の2大政党制」、そしてそれを突破して「たとえ死票になろうとも投票したい」とまで思わせてはくれない社共、本当に図式的な指摘で恐縮ですが、こういう構造の中で私たち左派(に限らず社会に閉塞間を抱く大多数の民衆)の選択肢はますます少なくなっていきます。

◆いよいよ民主党政権との闘い-保守2大政党制を突き破る民衆の闘いを

 今回は投票率が上がったということですが、それは民主党が自民党や麻生内閣への怒りや失望の受け皿として、一定の期待を集めたからに他なりません。「政権交代」がこの閉塞感を打ち破って風通しをよくしてくれるかもしれないとの淡い期待です。まあ、おそらくその希望は早晩に裏切られることになると思います。

 いずれにせよこのように、それぞれの政党がそれぞれの主張で民衆の期待を集め、それを競い合っているならば、自然に投票率はあがっていくものです。棄権する有権者をあれやこれやの言葉で批判することはたやすいですが、もはや「棄権した人を批判する」ことではすまなくなっているのではないでしょうか。あまりに今の状況が続けば、そのうちファシズムに一挙に集約されてしまう危険性もあります。日本民衆がそこまで愚かで歴史の教訓に学ばない人々であるとは思いたくありませんが、今ほど政党などという枠組みを越えた新しい左派運動の登場が必要な時はないことを、都議選の結果もまた示しているのだと思います。

 そしてまた、支持政党のない私たち反自民無党層、昔ふうに言えば「革新浮動票」としては、小選挙区制のペテンの中、今まで民主党に投票することも多かった。それは民主党の一番の(唯一の?)とりえである、「とりあえず自民党に勝てそうで政権交代になるかも」という面に期待してのことでした。しかしもう民主党政権実現の可能性が動かしがたいものになりつつある今日、そろそろ改憲保守政党である民主党政権との対決の準備、保守2大政党制を突き破る(民衆主導の)第3局作りを見据えた準備が必要な時ではないかとも感じました。まあ、とりあえず次回総選挙では、できるだけ麻生政権をコテンパンにすることを第一に考えますがね。

◆得票率(民意)と現実の議席占有率の比較

09年都議選における与野党の得票率と議席占有率

 次に与野党の得票率と現実の議席占有率を比較してみますと、与党側における「選挙上手にもほどがある!」で死票ゼロの公明党と、逆に野党側における共産党の大量の死票、さらに民主党の擁立候補者数での判断ミスなどに助けられ、与党が実際の民意よりもはるかに多い議席を獲得しています。石原親子はたったこれだけの得票で詐欺的に多くの議席を得たのですから、むしろ喜ぶべきでしょうね。だいたいこの情勢でなんで公明党が議席を増やすんだよ!という。

 これら計算したデータを一覧表にしてみると以下のようになります。

09年都議選における与野党の絶対得票率

 しかしまあ、確かに、この表で何かの判断をくだすにはあまりに不正確ですね。比例代表制ならこれでもいいし、自民と民主、あるいは与野党別だけの比較ならこの表でも意味がありますが、他党を含めて考えると、全選挙区にすべての政党が同じ数だけ候補者を出したわけではないですしね。そこで各党候補者1人あたりの平均得票数も出しておきましたけど、これもあんまり意味なかったな。

 え?あまりにも乱暴すぎるって?だから「数字のお遊び」だ、つーてるやないすか(笑

コメント

    • たけ(39)
    • 2009年 7月 20日

    自民党は次の総選挙で敗北するのは確実でしょうし、下野すべきだと思います。
    国民の生命や財産を守るのが国家の義務であるはずなのですが、近年の自民党による政治は、それらをあえて無視しているような気がします。
    それどころか、むしろ積極的に国民が持っている、もしくは受け取るべき財産を(規制緩和などの名目で)アメリカに献上しようとしているのではないでしょうか。
    アメリカが突きつけている『年次改革要望書』の内容が、何年かしたら、そっくりそのまま実施されていることがなによりの証拠です。
    規制緩和や民営化の結果どうなったか(どうなるのか)、下野して頭を冷やしてよく考えてもらいたいものです。

    まぁ、下野すれば連立解消は必至ですから、連立によって去ってしまった支持者(かなりいるようです)が戻って来るかもしれない。(公明党は民主党とくっつくかもしれませんね。)
    政権与党としての利権と(一時的にせよ)手が切れるわけですから、かなりの人数が党を割って出て行くことが予想されます。
    そうすれば腐った部分がそぎ落とされて国民政党としての本来の姿が再生するかもしれない。(結構な人数が民主党とかに流れるんじゃないでしょうか)
    そうやって再生した自民党が私にとっての本命なのですが・・・(うまく再生してくれるのか?そして何年かかるのか?)

    • プレカリアート
    • 2009年 7月 22日

     草加さんの今回のエントリー、少し遅くなりましたが、早速ウチのブログでも紹介・引用させて戴きました。
     http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/2d7dab1dfe4e958a4ea58d2aeafeca67

    • 中野由紀子(旗旗舎)
    • 2009年 7月 22日

    >プレカリアートさん

    初めまして。
    そちらさまのブログ『アフガン・イラク・北朝鮮と日本』をさっそく拝見いたしました。表もつかってくださったんですね。
    お褒めの言葉、ありがとうございます。(*^^)/ ワーイ

    何度も電卓!をたたきながら計算し直しまして、ついにはケンカになりそうな状態の中、あきらめずに仕上げた甲斐がありました。
    ううぅうぅわーーーーん!(号泣)
    うれしいです!!

    • かめさん
    • 2009年 7月 27日

    〓都議選の分析は特にむずかしい
     東京都議選は、127人の議員を42個の選挙区で選ぶわけですが、この42個の選挙区は、定数8のいわば大選挙区から、定数1の小選挙区までがゴチャッと混在しています。
    http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/data/data05_01.html
    選挙区の個々の事情はまちまちであり、「立候補者は2人。自民党と民主党の一騎討ち」の選挙区から、14人も立候補した選挙区まであるわけです。ですから合算して分析して何か言うのはえらく難しいと思います。
     選挙は「如何にして自分に投票してもらうか」の競争であると同時に、「如何にして他党の支持者に棄権してもらうか」の競争でもあります。この二つの競争の総和が選挙結果です。この二つの競争で自民党が負けたんですね。

    〓都議会民主党は「野党」か「与党」か?
     都議会民主党は石原都知事の与党であると思います。まあ、共産党は都議選のあいだ中、そればっかり喚いていたわけですが、この共産党の「都議会民主党の実態の暴露」は、事実に基づいていました。この党は他党批判のために事実を捻じ曲げることもあるわけですが、今回はそうでもないです。事実、都議会民主党は、石原都知事の提案する議案にほぼ全部賛成してきたのであって、いわゆる「ねじれ国会」での「自公vs民主」対決の構図は、都議会にはありませんでした。国会のことはマスコミにも載りますが、都議会のことはそれに比べて都民にもあまり知られてないわけで、それをいいことに、国会そっくりの「自公vs民主」の対決が都議会にもあるかのようなウソを、自公も民主も言いつのって対決ムードで選挙戦を盛り上げようと頑張ってたわけですがw。マスコミの開票速報でも「プレ国政選挙」として、「自公vs民主」という図式でコメントされていますね。都議会のこれまでの実情とは全然違うのだけど。
     都議会民主党には、在特会の集会で発言しているこんな人までいる。
    http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200906300635402

    〓今後の都政にとってどうなのか
     石原慎太郎は、麻生自民党と心中する気は無いのであって、自民党と距離を置いてうまく立ち回ると思う。石原は、自民党が都議選で負けたのは麻生太郎のせいであって、石原都政への批判だとは思わないとの主旨の余裕のコメント。開票速報で「総選挙はどうなるか」には注目しても、「石原都政の今後」に注目して報道するテレビ局が一つもないというのも、変な話だ。たぶんディレクターだかデスクだかも、「都政そのもの」には、ほぼ関心ないんだろうな。
     民主党が都議会第一党になったわけですが、これから先、例えば「知事と全面対決。都議会では予算も条例案も人事案も通らず、知事が立ち往生、石原大ピンチ」とかいうことが起こるかといえば、それは「民主党にエールを送る」だけでは絶対に起きない。議会外の反石原闘争の大衆的爆発的拡大だけが、それを作り出す可能性を僅かに持っている。課題はそこだな。「都議会で今からでも「オリンピック誘致撤回決議」をやれ!」とみんなで押しかけて都庁に座り込んじゃうとか。都民が先頭きって始めるしかないんですが。

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