戦後最大の規模となった強制執行(土地取り上げ)。YouTubeからのニュース映像。この日、まず前日まで遠くから見物していた多数の市民を機動隊が排除、現場一帯を封鎖した。やがて「人に見られては困る」蛮行がはじまった。
機動隊は子供や女性にも容赦なく襲い掛かり、叩き伏せる。彼らは人が登ったままの立ち木を子供たちの目の前で切り倒し、父親や祖父たちを地面にたたきつけた。それを見て泣き叫ぶ少女。そんなこともおかまいなしに「作業」はたんたんと進められる。
ついには物見櫓を、中に7人もの人が乗ったままかまわずクレーンで「撤去」したために、中の農民たちは肺が潰れて危篤状態に陥った。この時、機動隊は「警備」にあたって事前に棺桶まで用意しており、あきらかに農民側に死者が出てもやむなしの態度で思う存分に暴力ふるった。多数の重傷者が出て、動けなくなった者は逮捕されて引きづられていった。
機械力と物量に慢心し、反対派を見下していた彼らだったが、一方で、一帯を封鎖して市民が入れないようにしていた機動隊に、その外側から封鎖を突破しようとする衝突が各所で発生。この衝突で機動隊側4名が死亡した(東峰十字路事件)。つまり死者は彼らが想定していたような農民側ではなく機動隊側から出たのだ。
これに驚愕した政府の報復弾圧はすさまじく、自分たちの殺人行為や蛮行は棚にあげ、なんとその場にいなかったものまで含め反対農家の青年55人が「犯人」として逮捕連行された。その後、15年もの裁判の末に傷害致死について全員が無罪となる。うち3人は当日の公妨・傷害についてさえ完全無罪という、まさに公安警察をつかった自民党政府・空港公団による悪質なデッチ上げがおこなわれた。
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