反貧困

ドイツG8サミット対抗行動からの報告

ドイツG8サミット対抗行動1 このブログでもよくコメントをいただくジャンケ君が、日本の日雇い労働者・野宿労働者の運動を代表して、ドイツG8サミットに対抗する民衆行動に参加されています。この対抗行動には世界各地からの参加者による各種の会議や報告、声明、そしてドイツ各地からサミット会場への民衆行進などが含まれています。先日はこの行動で日本人参加者がドイツ官憲に拘束されたというニュースがあって心配しましたが、この方はジャンケ君やその同行者ではなく、24時間ほどで釈放されたそうです。

以下、ピープルズ・プラン研究所からの転送(写真も)です。

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■ドイツG8対抗行動に対する警察の対応の実態について

http://www.peoples-plan.org/jp/modules/news/article.php?storyid=24

 先頃からNHKなどで、6月2日のG8反対行動で日本人の逮捕者が出ているという報道がなされています。本日夕刻に、その逮捕者に該当すると思われる方に偶然会いました。24時間の拘留のみで無事釈放されたそうです。今回の逮捕は、直接行動に参加したかどでなされたのではなく、たまたまスカーフで口を覆って現場の写真をとっていたところ逮捕されたというものです

 ドイツでは覆面をつけて政治的表現をおこなうことは「違法行為」にあたり、恣意的な逮捕がおこなわれる場合があります。ドイツでは政治的表現を行う際に、「覆面をしてはならない」や「安全靴をはいてデモをしてはならない」など、信じがたい法的/警察的規制がまかりとおっているわけです。また、逮捕された方によると、逮捕時にはおそらくとりかこまれてリンチされ、「fucking jap」など罵声を浴びせられて、明らかに違法な取り調べを強制され、カメラなどの貴重品の多くが当局によって処分されたそうです。

 この逮捕事件が、今回の反G8運動に対する警察当局の異常な弾圧ぶりを象徴しています。2日の集会の実態は、集会への解散命令(解散命令それ自体が不当なものであり、日本のひどい規制と比較しても無茶苦茶ですが)を理由に、警察は何度も何度も会場の中に部隊での突撃を繰り返し、挑発と弾圧を繰り返しました。逮捕時の場面を何度か目撃しましたが、言い表ないような暴力行為がおこなわれていました。日本の報道では運動側が一方的に暴力と挑発をおこなったかのように報道しているようですが、2日のデモ/集会における数百人の逮捕者のなかに、今回の日本人の方のような事例が多く含まれているということを、 広くお伝えください。

木下ちがや(PP研)、平沢剛(No!G8 Japan)

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■ドイツ G8 対抗国際デモ@ロストックに参加して

http://www.peoples-plan.org/jp/modules/news/article.php?storyid=23

ドイツG8サミット対抗行動2 2007 年6月2日、ドイツで予定されるG8サミットに対抗する国際的なデモンストレーションが、開催地に近いロストック市で開催され、5万人が参加した。デモの到着地であるロストック港には最終的に8万人が集った(主催者発表、警察発表によれば2万5千人であるとのことである)。

 G8で論議される政策とその存在自体に疑問を突きつけるこのデモは、二箇所の出発地が設定され、午後1時より3時間ロストック市内を行進した。ドイツ国外から参加した国際NGOを先頭に、さまざまな社会運動体、ドイツの左翼諸党派、アナーキスト・アウトノミア活動家などの直接行動左派が、一体となっていた。印象的だったのは、直接行動派の部隊がデモ全体の中で2割から3割の規模を占めていたことである。

 途中一部の直接行動派が、多国籍企業の広告などを破壊したが、全般的にデモは平和的に行われた。

●デモ到着集会

 デモが到着するロストック港では、記念集会が開催された。ここでは7人の各界代表が登壇し、新自由主義、戦争、環境破壊、人種・移民差別、家父長制など、G8が主導する世界秩序のさまざまな問題点が指摘された。

 グリーンピース・ドイツの代表は、G8各国の温暖化にたいする無策や原子力開発の推進継続を批判した。ATTAC・ドイツからは、G8の推進する新自由主義的政策が、民営化による公共サービスの破壊や、金融資本の優遇をもたらしているとの非難があった。ドイツ政界からは、緑の党青年団や左翼党の連邦議会議員が演説した。直接行動派の代表は、テロを口実とする不法移民の取締りを批判し、すべての人間の平等な権利を訴えつつ、6月4日以降のサミット会場封鎖を訴えた。アフリカのNGO代表は、サミットのアフリカ支援策がアフリカの民衆のためのものではなく、その支援策で進出する多国籍企業の利益となるだけだと訴えた。

 とりわけ、フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウスを代表して登壇したウォールデン・ベロー氏は、今回の対抗行動を二年前のグレンイーグルス・サミットでの対抗行動と比較し、ボノやボブ・ゲルドフなどのロックミュージシャンによってG8の問題点が誤魔化されることは今回はない、ここには2001年のジェノバ・サミット対抗行動の精神が正当に継承されている、と述べ、とりわけ大きな喝采を受けた。

●ドイツ警察の挑発

ドイツG8サミット対抗行動2 しかし、この到着集会において、ドイツ当局の強硬姿勢も明らかとなった。
 デモの途上で行われた一部の破壊行為を理由にして、ドイツ警察はデモ隊全体に対して圧力を加え、午後3時にデモがロストック港に到着し始めると、集会会場を一時包囲した。NGO、社会運動、直接行動派が合同して構成されたデモ主催者は、デモ到着集会の開始を遅らせ、警察当局と交渉、午後4時半までに機動隊の包囲を解くことに成功した。

 だが、機動隊は部隊を分散させ、到着集会が行われている間も、ゲリラ的・波状的に挑発行為を繰り返した。一部活動家はこれに反発し、機動隊との小競り合いが発生した。(自動車が一台、この過程で放火された。)午後5時ころ、警察は放水車を集会会場に投入した。デモ主催者の代表は、到着集会の演壇上からマイクを使って、警察は挑発行為をやめるよう繰り返し勧告し、舞台裏では当局と交渉を続けた。

 この交渉過程で、警察は集会終了後午後6時から予定されていた音楽祭の中止を勧告した。しかし、デモ主催者は、音楽祭の続行を決断、この決定は、今回のデモを主催したNGO、社会運動団体、直接行動派などドイツの運動体の総意であると会場で宣言した。

 到着集会が終わった午後7時、音楽祭は決行された。機動隊は放水車とともに集会会場を包囲、デモ主催者は人間の鎖を会場の周囲に組織し、警察の突入を阻止した。午後10時、機動隊に包囲される中、音楽祭は平穏に終了した。

 こうした一連の動向を見る限り、ドイツ警察は今回のG8対抗行動を強圧的に取り締まるようである。集会に放水車を直接突入させるなど、運動全体に対するあからさまな弾圧姿勢は、ドイツの多様な運動体の反発をもたらすことであろう。

大屋定晴
世界社会フォーラム連絡会事務局

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以上です。

コメント

  1. ジャンケくん、こんなところにいたのかあ。ドイツかあ。
    実に楽しそうで、いいなあ。
    こういう弾圧バリバリには闘争バリバリ、もえー。(燃えるのもえー)
    草加さん、
    ジャンケが空気パンパンに入って帰国したおりには何か彼のアピールもこちらで掲載してはもらえないでしょうか。土産話くらいしか楽しみのない地方在住ニャンケよりリクエストでした。

  2. はじめまして。ATATCが、アウトノーメンなどの「直接行動左派」を抱える限りは、内務当局も断固とした態度をとるのは、「共産党が非合法」として公安当局の監視下にある限り当然ではないでしょうか?一般世論もそれに準じていて、暴力的な活動家が自国内に潜入するとなれば、フーリガン対策が必要となります。

    更に現時点では、集会の規制が憲法裁判所でも否定されていないことから、「弾圧」かどうかは今後の議論次第です。

    寧ろ平和的な活動のために、警察当局が過激派から活動家を護ろうとした面も見逃せません。勿論、警察が黒装束を先導・挑発した可能性も否定出来ません。

  3. pfaelzerweinさん。はじめまして。ご投稿ありがとうございます。ブログも興味深く拝読させていただきました。

    さて、一言に直接行動派と言っても、世界的に見て、その中には文字通りの「革命派」から「非暴力直接行動派」まで含まれます。私はそれをpfaelzerweinさんのように「直接行動左派」というように、一くくりで判断できるとは考えていません。ともあれ、その扱いは日本でも古くから議論されてきたところです。彼らの存在によって全体が弾圧されるから追い出せという、日本共産党のような立場も古くからありました。日本共産党はむしろ積極的に公安当局の弾圧に協力し、自らも直接行動派を暴力的に襲撃(内ゲバ)していたくらいです。

    そういう日本の不毛な「内ゲバ」(それは暴力だけとは限りません)と比較して、今回のドイツの行動では、サミットに対抗または反対する勢力が幅広く共同行動を組み、一部にはみだした行動が散見されたとしても、全体としてはその枠組みの範囲内での行動が行われていると思います。これは私たち日本の左派から見ると、非常にうらやましい、見習うべき先進的な事例ということになります。

    まあ、文字通りの「革命派」は現在ではほとんど存在しないとは思いますし、その「革命派」の中にも実態は穏健な組合主義に毛が生えたようなものから、「テロリスト」と呼ばれても仕方がない反人民的な戦術をとるものまであるでしょうから、個々に判断していくしかありません。
    また、その「テロリスト」にしたところで、それが生まれてきた背景にまでさかのぼって考察せず、ステレオタイプな批判だけでは有効な批判たりえず、彼らにとって痛くも痒くもないし、そこに結集していく人々を引き止めることもできないと考えています。

    以上をふまえた上で、彼らに対する「断固とした態度」が「当然」かどうかですが、pfaelzerweinさんはそれは客観的に判断されるものだと考えておられると思います。しかし実際はそれを論じる人の主観的な立場によるものです。ドイツの行動が「先進的な事例」になるのも、「私の立場からは」という主観の一つにすぎません。ここでpfaelzerweinさんの主観について噛み合わない論争をする気はありませんが、pfaelzerweinさんはそういう考えなのだということについては了解し、心にとめておきます。それ以上のことが必要ならエントリーを起こしてトラックバックしていただければと思います。

    その上で、多少は噛み合うかなと思うところを申し上げれば、「憲法裁判所でも否定されていない」から、「弾圧かどうかは今後の議論しだい」というのはいかがなものでしょうか?少なくとも弾圧(政治行動に対する公権力による規制)であることは疑いの余地がないとは思いますが、問題はその弾圧が全体的に見て、人々の自由を守るために”だけ”課せられる厳密に最低限なものであり、かつ運用面も含めて厳格に中立的なものであるかどうかです。ドイツの規制はこの点において大変に疑わしく、不当な弾圧であり、運用も強権的かつ恣意的であると思います。ましてや機動隊が「一般デモ参加者を守ろうとした」などというのは、非常に失礼とは思いますが、正直申し上げて失笑しました(ごめんなさい)。

    私は短期間ですが、三里塚(成田)の空港建設反対闘争に参加した経験があります。そこではほとんどの場合、一方的にやってきた機動隊が、そこにいた反対派の農民や支援の人々を襲撃し、盾や棍棒で無抵抗の人間をさんざんに殴って逮捕していくというのが実態でした。ところが警察発表では「反対派が暴力的に襲撃したのでやむを得ず…」となり、新聞ではその警察発表の通りに報道されます。また、テレビの報道でも、反対派が必死に抵抗しているような「絵的に受ける」ような場面ばかりが繰り返し流れます。

    私はこういう悔しい思いをしてきましたので、マスコミ報道(=警察の言い分)を鵜呑みにすることができません。マスコミというのは、良くも悪くも(役人汚職などの例外的な場合をのぞけば)行政機関の意向を広く国民に伝えるものとして存在しているという点に留意すべきです。ある元記者の方が「たとえば私が、警察が不当な弾圧をしている所を見たとしても、そんなふうには絶対に記事にできない。記事するとすれば、やはり警察発表に沿って5W1Hにまとめるしかないのだ」とはっきりおっしゃいました。そのような「行政機関発信の情報」がマスコミ記事の70%であるが、それはそういうものとしてマスコミは存在せざるを得ず、そのことに善悪はないのであると。そう思ってもう一度お手元の新聞をよく見て下さい。この方のおっしゃっていることが真実だとわかるはずです。もちろんそうやって記事にまとめる過程で多少は個人の色合いのようなものが、そこはかとなくにじみ出るかもしれませんが、基本的にマスコミの「中立」とはそういう意味なのです。

    蛇足ながら付け加えますと、この方は「皆さんのような社会運動は、マスコミの偏向に怒るでのはなく、しょせんマスコミは善悪もなくそういうものなんだと割り切って、もっとマスコミの『残りの30%』を活用する努力をするべきだ」「私たちが記事にせざるを得ないような社会的に意味のある情報を発信してほしい」と、非常に示唆に富む事をおっしゃっておられました。

    ともあれ、こういう事情の中では、マスコミ報道(=警察の言い分)と弾圧された方の言い分の双方を聞いて、総合的に判断するより他に、正確な事態を知ることはできません。そしてえてしてこの場合、弾圧されたほうの主張のほうが、マスコミ報道(=警察の言い分)よりも事態を正確に描写していることがほとんであるということを憶えておいてほしいと思います。しかしそれが明らかになるのは、どのような主張をしようとも現実の政治攻防に影響がなくなった数年後なのです。そんな事実は今さら大きく報道もされず、人々は知らないままです。湾岸戦争で米軍が流したプロパガンダの多くが嘘だったと、すべてが終わってからやっと正確に報道されたことを思い出してください。

    とりわけ日本の公安や機動隊が絶対に安全なポジションからセコセコと弱い者イジメをするのに比較して、欧州の政治警察や機動隊は非常に「積極的」で凶暴であると古くから異口同音に指摘されていることも(ただし逮捕後の手続については、日本より欧州のほうが民主的なようです)。

    だいたい、pfaelzerweinさんも「今後の議論しだい」とおっしゃっておられますが、そもそもその国の裁判所が認めたから問題ないとは全くなりません。イスラエルのアパルトヘイトウォール(分離壁)の建設は、イスラエル裁判所で「合憲」の判断が確定していますが、世界中から非難され続けています。また、アメリカのグアンタナモ収容所は国連から2度も閉鎖勧告が出された強制収容所であり、米最高裁でいったんは「違憲」となりましたが、ブッシュ政権が裁判所の判断にそって法律を整備したので一応は「合憲」となりました。だからアパルトヘイトウォールや、グアンタナモ収容所が非難されるべきものではなくなったとは、到底言えないのではないでしょうか?

    さらに極端なことを言えば、北朝鮮の強制収用施設は、北朝鮮の国内法に従って完全に合法的に運営されています。pfaelzerweinさんの立場からは、これらに対しても軽々に批判はできないことになってしまいます。これは「人権の国際化」という現代の課題に逆行するものではないかと思います。

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