ご挨拶】中国に移住しました

お引越し

 仕事の関係でこの10月より転居(単身赴任)いたしました。そのため、ずっとサイトの更新ができませんでした。急な話で、友人にも伝えたり相談する暇もありませんでしたので、移転して少し落ち着いた今になってから、順次メールや電話で連絡をとっているところです。

草加「いやー、実は急なんやけど、仕事で行ってくれって言わはるんで、中国に来くことになってん。当分の間はあっちで暮らすことになりそうでまいったわ」
友人「中国?!そりゃまたほんま急やな!そんで、中国のどこやねん?」
草加「言うても知らん地名やと思う。まあ、方向的には広島市のほうやねんけど」
友人「……って!なんや、そっちの『中国』かい!」

 と、いうわけで、「中国」は中国でも「国」ではなく「地方」です。
 タイトルを見て驚かれた方、ごめんなさい。

 ついでに言いますと、今回の移転をもちまして、私もはれて完全なプレカリアート(不安定雇用労働者)の仲間入りとなりました。しかし考えてみますと、もともとプロレタリア(賃金労働者)が階級として歴史に登場しはじめた時代には労働法制もなく、今日で言うところの「正社員」のような概念はありませんでした。そして労働者の利害を代弁して『人が人を支配する』歴史に終止符を打つことを最終目的とした左翼思想が生まれてくるわけです。

 もちろん、「正社員」などの労働法制の整備や、「賃金奴隷」と言われた労働者の地位の向上、人々の政治・言論の自由の拡大などは、こういったその時々の歴史や社会における幅広い意味での左翼運動の成果であり、支配階級の妥協と譲歩として存在しています。今日の私たちは先人が血みどろになって闘い、実力で勝ち取ってきたそういった譲歩の恩恵の上に、(右派も含めて)タダであぐらをかいて生きているわけで、犠牲になっていった全世界の先人のことを決して忘れず、そして権利の上に眠ることなく、これからも左派として闘い続けていく義務が私たち民衆一人一人にはあると思います。

 しかしそう考えますと、プレカリアートこそが、もともと左翼運動が想定していた「労働者」そのものの姿だと思うわけです。つまり歴史(労働者の地位)は、左翼運動が生まれた時代の方向へと逆行しているのです。つまりこのプレカリアートこそが、「新」ではなくて「真」の労働者の元々の姿なのです。

 こうした逆行の中で、先人の成果にあぐらをかいていた大組合(正社員組合)をはじめ、大きな政党や組織の幹部など、多くの人々がこれまでの左翼運動の先人の成果を忘れ、逆に支配者に自己保身から妥協して後退し、自分の陣地や組織に囲い込んだ人々の利害だけを守ろうとしています。

 その結果として、こういう支配者から公認された大きな組織の傘下に入りきれない人々が一身に犠牲のしわ寄せを受けています。また、そのような犠牲を強いられる人々の抵抗や抗議の運動は、支配者にとっては「非公認」の運動であり、こういう部分には徹底的な弾圧が加えられ、しかもそれに対して「公認」の指導部は見て見ぬふりをして切り捨てていくという構図が出来上がっています。

 しかし私の感性は、こういう社会状況をながめながら、「いつまでもこのままで済むはずがない」と囁いています。この囁きは、バブル景気でうかれる人々を眺めていた時にも常に私の心のうちにありました。自己保身から自分と自分の身内を守ることばかりに汲々とし、社会のしわ寄せや弾圧を一身に受ける人々を見殺しにしている今の「左翼」や「労働運動」に未来はありません

 現在的には、旧「過激派」部分だけではなく、野宿労働者の生存権を求める運動、不安定雇用労働者の労働運動などが「非公認」の枠組みに入れられています。そしてこういった人々には弾圧するだけでなく、常に「公認」の軍門に下るよう運動を体制内化せよといった圧力と誘惑もかけられます。そしてこの「非公認」の線引きはどんどん広がりつつあるのです。かつての運動を支えた部分がどんどん右派へと転落し、社会改革や左翼の旗をおろしていきました。旧総評、解放同盟、日教組などの指導部がそうですが、そういった右に転落して体制内化した部分に対しても、今やガンガン攻撃が加えられています。ですが誰も同情もしないし応援もしない。

 自己保身で狭い組合などの利害しか守らない人々が、自分たちだけの利害しか頭になくて、幅広い労働者全体の利害を見捨てたり裏切ったりするのであれば、それはまさしく「あなたたちだけの運動」であって、幅広い民衆が応援する義理はありません。それどころか、社会全体にとって彼らの存在が桎梏物になっているという、体制の宣伝に容易に人々は乗せられていきます。まさしく自業自得というものでしょう。「地域エゴ」を超えて「反戦反核の砦」を宣言した三里塚闘争が、なぜあれほど巨大な運動になることができたのかを、こういう人々はもう一度考え直すべきです。

 もう40年以上も前から新左翼が主張していたことですが、全くその通りになってしまったという思いを強くしています。そしてこの傾向を批判して左から乗り越えることを歴史的な使命として登場した新左翼も、結局は自分たちの狭いテリトリーの中で同じような「組織の論理」をくり返してきたのが現状です。

 ですが一方で、こういう新旧の既存組織が切り捨てた部分の中に、新しい萌芽を見ています。野宿者支援やプレカリアートの運動の中には、自分たちの狭い利害を超え、自分たちのような存在を生み出してくる社会全体を問う動きが広がっています。こういう狭い「エゴ」を乗り越えた運動にこそ、かつての新左翼運動に多くの若者が結集したように、人々を引き付けていくエネルギーが生まれると思うのです。

 不安定雇用者は全労働者の3割を超え、年収200万円以下の貧困世帯は5軒に1軒だと言います。彼らは決してもはや「少数派」と言い切れない状況です。少なくとも政府がこれを「自己責任」という呪文をとなえ、人々の頭の中から消し去って「無いものとして考える」ことはもはや絶対にできない数です。「何か」をしなくてはいけないことは絶対にはっきりしています。さらに既存の「左派」指導部にとってもそうです。

 ですが、今のところ、カッコつきの「左派」は、体制内化して「自分たちだけの利害を守る」かのような姿勢をとり、それを右翼勢力から「守旧派」などと揶揄されている始末です。彼らがこういう貧困層を充分に引き付けているとは言えません。たとえばフランス大統領選挙でも貧困層が極右のサルコジ支持に回ったように、むしろ右派やファシズムの温床化しています。

 かつての「左派」の大組織は、自己保身からどんどん右傾化していくのではなく、今までの姿勢を改めて本当の意味での社会(民衆)全体の利害を代弁する左翼的な立場立たない限り、偽りの「全体の利害」(=実は支配者の自分勝手なイデオロギー)をふりかざした「改革」ファシズムに飲み込まれて消え去っていくのではないか。

 などということを考えつつ、仕事の状況は相変わらず厳しく、更新もままなりません。ですが焦らず私なりの歩みと思索をぼちぼちと進めてまいりたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

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11 件のコメント

  • 中国と聞いてびっくりしましたよ。
    でもお元気そうで安心した。
    草加さんが言うとおり、確かに「党のためのたたかい」にうつつを抜かしてきた自業自得ともいえる市場(大衆的な左派への支持)の消滅といえる事態を、どうやって巻き返すのかってヒントは歴史に学ぶことにありますね。僕も同感。草加さんに一票。やってみると予想外にたいへん。僕も多忙のせいにしてブログ更新できてないんですが、お互いがんばって年を越しましょうね。

  • おお、ニャンケ君もお元気そうで何よりです。
    せっかくおほめいただきましたが、自分で読み返してみても、不必要に扇情的な表現があったり、文章も冗長で修飾語が多すぎて読みにくいですね。いろいろと突っ込みどころを自分で見つけてしまったりして(笑
    以前はちゃんと何度も推敲してから載せていたんで、一つの記事に5時間とか8時間とかかけていました。この文章はぶっつけ本番でそのまんま載せたんだけど、やっぱり文才ない人はそれすると駄目ですね。
    まあ、一度更新が滞ると、あっ!と言うまに一月くらいすぐたっちゃいますから、今後はこういう駄文でもいいから、最低週一くらいのペースで頑張りたいと思います。どうぞよろしく。

  • びっくりしました…お体にだけはお気をつけて。

    もしもうされていたら申し訳ないのですが、「赤木論文」の
    検討はされていましたっけ?もしまだでしたらぜひおすすめします。
    もちろんその論文(ネットにアップされています)などを
    読んでから。

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     以前からIT・セキュリティ関連で注目している技術者からの本格的な批判です。今でこそ雑談日記が表看板のようになってますが、僕のココログは本来ひなたぼっこ(おじさんのIT的情報生活(^^;)の方がメインです。(汗)  なお、再確認です。最初、いきなり出て

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     散策さんのところからお借りしてそれにいくつか足しただけです。(汗)気がついたら足していこうと思います。  まだまだ少なくて、このネットの静けさは共謀罪の最初の頃を思い出しますね。でも、共謀罪の時には最初の頃は少なくても、まだまだ「燎原の火」と 言う言

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